業務用サービスを展開するUCCコーヒープロフェッショナル(東京都港区、川久保則志社長)は3月26日、展示商談会「UCC Smile Festa 2024」を東京流通センター(東京都大田区)で開いた。会期は29日まで。飲食業界を対象に、付加価値向上や人手不足解消などの課題を解決する新商品やサービスの提案などを行った。

同展示会は名古屋・大阪・東京・札幌の4会場で実施している展示会だ。すでに名古屋と大阪での展示は終了しており、残りは東京と札幌の2会場で実施を予定している。今回は食材・ドリンク・販促資材など約100社の関連メーカーが出展しており、東京の来場社数は1,100社を見込む。

今回の展示会のテーマは、「Co-Creation 新たな価値を『共』に『創』る ~おいしい、地球にいい、UCC~」。インバウンド需要の回復、コロナ禍で根付いた生活者の味覚水準の向上といった市場動向の視点を取り入れながら、「UCC’s Sustainability」「NEWアプローチ」「Smileタウン」の3つのエリアを設けた。

UCC’s Sustainability」のエリアでは、水素を熱源にしてコーヒーを焙煎することにより、燃焼由来のCO2発生をゼロにした「水素焙煎コーヒー」やカフェインレスコーヒーの試飲などを行った。また2023年10月末より販売を開始したお店のプラスチック削減と効率化に貢献する「お店のための エンボスカップ(紙製)」の展示も行っている。

「Smileタウン」のエリアでは、ホテル・オフィス・ホームそれぞれの業態向けの展示・試食を行った。とりわけホテル業態では「カスタムメイドビュッフェ」と銘打ち、ビュッフェスタイルでの商品提案を設けた。簡便性に優れた冷凍パンによる各国の朝食スタイルに応えるカスタマイズパンメニューの提供のほか、インバウンド需要の対応品として、どんぶり、抹茶スイーツなど簡単オペレーションで日本の食文化を味わえる商品の提案も行っていた。

業務用新製品のコーナーでは、簡単調理で完成するシーンにあわせた新製品メニューを用意した。

「カレーフェスタ」コーナーでは、温めるだけで完成する6種カレーの比較試食を実施。「フィンガーフード」コーナーではレンジ調理・油調理と店舗にあわせワンオペレーションで調理可能なスナック製品を訴求する。「バリエーションランチ」コーナーでは、ハンバーグや若鶏もも肉などを使用したメニューをプレート・サンド・ボウルの3タイプで商品提案を進めている。

食品メーカーの展示では、人手不足に対応する商品として、自然解凍やレンジで簡単調理、「~するだけ」「誰でも」といったキーワードで簡便性に優れた製品を各社多く展示していた。

付加価値向上に対応する商品としては「アレンジ自在」「本格」といったキーワードが並ぶ。また「バラ凍結」「必要なぶんだけ」などロス削減を重視した商品の展示も行われていた。

26日には記者会見が行われ、川久保則志社長が出席した。外食の市況については、「外食産業に人が戻ってきているが、人手不足に悩んでいる。大阪・名古屋で行ったアンケートでも、マシンやワンオペ提案の商品が注目を集めていることが分かっており、人手不足解消のニーズは伸長していると感じる」と話した。

川久保社長
川久保社長

注力するサステナビリティ事業については「単価だけでなくサステナビリティなどの付加価値が重要視される時代となってきている。インバウンドによる海外ユーザーは特に顕著で、今後国内外で必要不可欠なものと認識している」という。

〈冷食日報2024年3月27日付〉

「UCC Smile Festa 2024」