薄山館株式会社(本社:横浜市)はこの度、Makuakeで1800%を達成した同人誌即売会対応ビジネスバッグ「八咫鴉」を世界最大のボードゲームフロストヘイヴン」が入るボードゲーム対応バッグとして、3月25日よりクラウドファンディングサイト「Indiegogo」にて受注を開始しました。
ページURL:https://igg.me/at/RAVEN-YATA
また、普通のプレスリリースだと味気ないため、京都アニメーションの動画に対する取り組みをEDのスタッフクレジットから調査を行ったので報告いたします。
内容としてはアニメ業界寄りなため、読む人を選びますが、京都アニメーションにしかみられない取り組みが見つかりましたので、ご興味ありましたら目を通していただけたら幸いです。

ボードゲーム用バッグとしてIndiegogoに挑戦するまでの経緯

このカバンは、昨年の2023年にクラウドファンディングサイト「Makuake」でコミケ同人誌即売会で役立つ鞄として支援を募った結果、1800%を達成した「八咫鴉」というカバンです。

当初は、大量の同人誌を「守り」快適に「運ぶ」ことを目的に開発し、実際2023年の冬コミでMakuakeの支援者の方々に使って頂きました。X(旧Twitter)でもレビューが上がり、Makuakeのフィードバッグでも好意的な感想を頂いたため、目的とした機能は十分に発揮したようで、同人誌即売会用の鞄としては面目躍如でした。

そして年が明け、いつもお世話になっているスウェーデン人の翻訳家で大学のサークルのOBであるシモン・ルンドストローム氏に1月下旬に会いに行った際、お土産として記念に八咫鴉を渡すとボードゲームが入るのではないかと指摘されました。そこでストックホルムのボードゲームショップを訪れ、世界最大級のボードゲームフロストヘイヴン」が置いてあったため、店員に許可を取り試しに入れてみたらすっぽり入りました。

フロストヘイヴンが入った時のシモン氏のテンションの上がりようは尋常ではなく、世界に向けて発表しないかと提案されました。

Makuakeの規約上、支援者に届けてから3ヶ月間はMakuakeで表示した価格以下に下げることができなかったのですが、キャンプファイアを始めとしたおかわりクラファンであれば大丈夫だったので、買われる前に急遽一般販売を止めてIndiegogoに挑戦してみることとなりました。

海外向けのため、日本語部分はページの下部にある点はご承知おき下さい。

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尚、当初はKickstarterを考えていたものの、世界で最初に商品を発表しなければならなかったため、この「八咫鴉」はMakuakeで成功したことから利用できませんでした。


ボードゲーム鞄としての八咫鴉

シモン氏曰く、フロストヘイブンが入るということは、変則的でなければ一般的なボードゲームは全て入るとのこと。

そこで実際シモン氏に何が入るかを試して頂きました。その動画がこちらです。

厚めのNEMESISシリーズや、上の空間にはTHE EXPANXE BOARD GAMEが綺麗に収まりました。

そして前面や側面のポケットにも小型のボードゲームが入りました。

全てのポケット・気室に何らかのボードゲームが入ったため、大小合わせれば6~10程は入るのではないかとのことです。

また、ビジネス用途でも使うことを目的としているため、インナーバッグもセットで付属しています。

こちらは同人誌即売会でA4クリアファイルバッグを入れても出っ張らないことを目的に設計したため、Mac Book Pro等の大型ノートPCがはいります。

このサイズ感が、A4・B5サイズのTTRPGが入るカバンとなりました。

容量としては4~5冊は入るとのことです。

Indiegogo URL: https://igg.me/at/RAVEN-YATA

■その他特徴1.拡張機能

このカバンは、ボードゲームは当然として、ビジネス等日常での利用も想定しています。

しかしフロストヘイヴンが入る大きさは日常では大きすぎて、状況によっては他人に迷惑がかかります。

そこで8cm拡縮することで、フロストヘイヴンが入る大容量と日常でも支障なく利用できるコンパクトさを切り替えられるようにしました。

■その他特徴2.旋回接続金具

カバンを使ってもらう以上、快適な背負心地は不可欠です。

そこでイベントには色々な体型の方々が参加されますので、背負いベルトの付け根が回転し、幅広い肩幅にフィットする機構を開発し、搭載しました。

性能面としては、背負いベルトが肩幅に合わせて回転するため、少なくとも使っている私自身の肩幅にはフィットし非常に快適です。

また機能性のみならず、金属部品の中空リベットがアクセントとなっている点も気に入っています。

尚、こちらは特許を取得しております(特許番号:7316013)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7316013/15/ja

■その他特徴3.箱型形状と特性フレーム及び芯材

八咫鴉には上部を除くすべての側面に芯材を入れ、また拡張しても形崩れしない特性の金属フレームを導入しています。

また角張った箱型となっており、この形状もボードゲームを入れるのに適しているとのこと。

本来は同人誌を守るために実装した機能だったのですが、結果としてオーバースペックの頑丈さではありますが、ボードゲーム用として役立つカバンとなりました。

ちなみに、このフレームも特許を取得しております。(特許番号:7316005)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7316005/15/ja

以上のように、同人誌即売会用として生み出したカバンですが、ボードゲーム用カバンとしても十分な収納・運搬・防御力を発揮する事がわかり、またフロストヘイヴンが入ったので、ボードゲーム用カバンとして世界に向けて挑戦することにしました。

フロストヘイヴンの日本での公式発売は来年ですが、キャリーカートや台車に取り付けられるベルトも搭載しているため、グルームヘイヴンを始めとしたボードゲームの運搬方法を模索されている方は、是非ともお手にとっていただけたら幸いです。

また、今回は特典なしでカバンだけ欲しい、という意見があったため、カバンのみのプランも用意いたしました。

期間は30日のため、タイトなスケジュールではありますが、Indiegogoが終わり次第、ゲームマーケットにギリギリ間に合うと思うので、迅速に発送するよう努める次第です。

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■価格

【一般販売予定価格(税込+送料)】

「八咫鴉」+「石火」 57,200円

「石火」 8,800円

【Indiegogo価格】

Haven Maniac(5名限定)】フルセット×2 78,000円

 「八咫鴉」+「石火」+「オリジナルB5ファイルボックス4箱セット」を2セット

【早割(50名限定)】フルセット 40,000円

  「八咫鴉」+「石火」+「オリジナルB5ファイルボックス4箱セット」

【Indiegogo割(250名限定)】フルセット 43,000円

  「八咫鴉」+「石火」+「オリジナルB5ファイルボックス4箱セット」

【八咫鴉のみ(10名限定)】38,000円

  「八咫鴉」

【石火のみ(30名限定)】5,000円

  「石火」

※国ごとに別途送料がかかります。

■最後に(注意喚起)

このカバンはランドセル型のため、イベント会場では背負いで使うことを想定しておりません。

大きく奥行きがあるカバンなので、背負いの状態だと通路を妨げ、他者の通行に迷惑がかかります。

そのため人混みの中では出来る限り肩がけで使い、通行を妨げないよう心がけてください。

■スタッフクレジットから見る京都アニメーションの動画に対する取り組みの調査報告

まずは本プレスリリースに目を通して頂き、深くお礼申し上げます。

しかし、せっかく読んでいただいたのに内容がキャンペーン告知と商品説明のみですと、やはり味気ないです。

そこで、以前EDのスタッフクレジットから京都アニメーションの動画に対する取り組みを調べ、京都アニメーションでしか見られない傾向・特徴を見つけたので報告いたします。

何故「原画」ではなく「動画」を調べたのかと疑問に思われるでしょう。

原画と比べると動画は馴染みがないと思いますが、私達がテレビで見るアニメの線は「原画」ではなく「動画」の線です。

筆者は10年前、今はなくなってしまいましたがプロダクションアイムズという会社でデート・ア・ライブII11話のOVA回の制作進行をしていたことがありました。

そして良いレイアウトや、演出と作監がより良い画面にしようと加えた修正と労力が、電送動仕によってすべて無駄になることを知り、アニメーターや担当の演出に対して申し訳なく思いました。

この時、全く意識していなかった動画が如何に重要であるかを知りました。

聞きしに勝る激務で体調を崩し、11話が終わったことを機に恥ずかしながら辞めてしまったのですが、その後「クレヨンしんちゃん」を見ていたらEDのスタッフクレジットで「動画:京都アニメーション」という表記を見つけ、後日、京都アニメーションに動画依頼できました!と報告する夢を見て、起きた後に落ち込むくらい、京都アニメーションが他社の動画をやっていることに衝撃を受けるとともに、京都アニメーション作品のあの画面に映し出される動画の線はどうすれば実現できるのかと思いました。

しかしそこから特に深掘りしないまま10年が経ち、昨年、とあるアイドル育成シミュレーションブラウザゲームの3DCGの劇場版3部作の1部と2部を見ました。

3Dなのでキャラ崩れはなかったため安心して見れたのですが、もしこれが作画だったらという考えが頭をよぎり、更に京都アニメーションの動画ならキャラは崩れないのだろうな、とも考えてしまいました。

そこで、京都アニメーションの動画なら、と全幅の信頼を置いている自分を思い出し、以前抱いた疑問を明らかにすべく、経験は浅いながらも制作進行の視点から、EDのスタッフクレジットからなにか得られるのではないかと調べてまとめました。

するとかつて抱いた疑問がようやく晴れる結果を得られたものの、発表する機会がなかったため、これを機に報告いたします。

調査の内容は同人でもボードゲームではありませんが、京都アニメーションの取り組みが関東のアニメ制作会社とは一線を画していたため、ご興味ありましたら目を通していただけたら幸いです。

■調査タイトル

2009けいおん

2011:日常

2012:氷菓

2013たまこまーけっと

2014甘城ブリリアントパーク

2015響け!ユーフォニアム

2016無彩限のファントム・ワールド

2017:小林さんちのメイドラゴン

2018ヴァイオレット・エヴァーガーデン

以上9タイトル141話

■調査結果1.動画スタッフのグループ化

まずスタッフクレジットをまとめていて目を疑ったのが、動画スタッフのグループ化です。

画像は「響け!ユーフォニアム」の動画をまとめたものです。

大本のデータはこちらになります。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1HQlGgxMw4TCrcThKpkUa5DPYmabdZfie/edit?usp=sharing&ouid=102979732129400367958&rtpof=true&sd=true

2009年の「けいおん」や2011年の「日常」では、グループ間でスタッフの変動が多少確認でき、動画検査も固定でない場合が多かったものの、2012年の氷菓以降は色分けできるくらい動画スタッフがグループとしてまとめられていました。尚、今回は動画職のみに焦点を当てていますが、仕上に関してもグループ化されていました。

原画は人数やアニメーターも話数によってバラけていたのですが、どういうスケジュール管理をしたら動画と仕上を固定したメンバーで捌けるのか、甚だ謎です

また、アイムズのときは下の画像のように動仕会社頼みだったため、スタジオの名前がST.BLUE以外ほぼないのも信じられませんでした。

尚、動仕についてデート・ア・ライブIIを例に上げて軽く説明しますと、原画のスキャンデータを中国や韓国に送り動画と仕上を一括で行うシステムのことです。依存しすぎると作画が崩れやすくなる原因となるので気をつけなければなりません。そして、赤枠のように動画と仕上で同じスタジオの名前があるとほぼ動仕会社に依存していると考えて良いでしょう。

何年も放送し続けている長期タイトルであれば同様のことが出来るかもしれませんが、1~2クールの作品でこのような取り組みをしているアニメ制作会社は関東圏には無いのではなかろうかと思われます。

■調査結果2.就労年数

グループ化出来るほどのスケジュール管理は脱帽ですが、制作側の差配によるところが大きいと考えられます。

むしろ気になるのは京都アニメーション作品のあの見惚れるばかりの画面に映し出される動画の線や中割です。あれは動画マンの力量に依存しますし、決して一朝一夕で描けるものではありません。

そこで、京アニの動画職は、どれだけ長く動画に携わっているか、その年数をまとめました。

画像では一部しか表示されていませんが、すべてのデータは下記のURLを参考にしてください。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1HRtmkTjvxUTGZr8t-rY2CiOYTD7t28zH/edit?usp=sharing&ouid=102979732129400367958&rtpof=true&sd=true

結果としては、2009年の「けいおん」から2018年の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」まで、2010年を除いて9年とすると内訳は以下の通り。

・7~9年:25人

・4~6年:14人

・1~3年:40人

今回調べた79人の動画スタッフの内、39人が4年以上、更に7年以上が25人もいました。

7年以上の25人の内、半数以上の13人が9年間の全タイトルに動画として携わっていました。

更に4年以上動画に携わっている39人の中で、動画検査をやらずに動画のみを担当しているのが何人かをまとめると以下の通り。

・7~9年:18人

・4~6年:13人

まとめてみると、動画の層の厚さに驚きを隠せません。

以前、動画は原画に上がるための見習い期間、という発言が物議を醸したことがありましたが、京都アニメーションは動画を見習いではなく、立派な職業として見ていると言えます。

また、スタッフクレジットを見ていくと、原画から動画に戻って活躍しているスタッフも確認できました。

通常であれば、動画だと給料の低さから原画に上がると思うのですが、京都アニメーションでは原画から動画に戻るというあまり見られない現象が起きています。多分動画でも生きていける給料体系となっているのでしょう。

■調査結果3.グループのメンバー構成

アイムズでは、動画検査が複数の新人の面倒を見るという体制を取っていたのですが、アニメ制作会社の格の違いをここまで見せつけられると、絶対違うのではないかと気になってしまい、グループのメンバー構成を調べました。

グループ内のスタッフを7~9年を桃色・4~6年を水色・1~3年を緑色で色分けしてみると、人数の多少にかかわらず、1グループにつき3年以下のスタッフは1~2人までとなっており、他はすべて4年以上のスタッフで固められていました。

更に「小林さんちのメイドラゴン」と「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の2作品に至っては、4年以上のスタッフしかおらず、3年以下は0人。

また前述の通り、スタジオの名前がST.BLUEしかないことからほぼ社内スタッフで動画を処理していると推察され、グループの人数に関しても平均すると約7人でした。

尚、こちらの画像は「響け!ユーフォニアム」1話から6話までの情報です。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1E51tIZ_Ri7aBaADwgRt5I24iiKUL6CPj/edit?usp=sharing&ouid=102979732129400367958&rtpof=true&sd=true

京都アニメーションにはノンクレジットの新人がいるという噂を耳にしましたが、それでも動画検査含めて熟練スタッフが支える環境が構築され、非常に手堅い制作体制で動画が描かれていることがわかります。

■まとめ

多分これが本来あるべきアニメ制作なのだろうと思います。

そして、京都アニメーション以外の他作品のスタッフクレジットを見てみると電送動仕を使っていないアニメ制作会社は幾つかあるものの、1~2クール作品で動画と仕上をグループ化できるスケジュール管理と、グループの大半を社内の熟練のスタッフのみで固めて、しかも平均約7人という少数精鋭で対応しているのは京都アニメーション以外は無いはずです。

京都アニメーションの作品を見て、作画が崩れている、と言う人はいないと思いますが、その品質を全タイトル全話数通してどう実現していたのか、今回の調査でその一部でも解明できたように感じると共に、京都アニメーションという会社がどれだけすごいことをしているか、そしてアニメにおける動画という職業が如何に大事かを少しでも知って頂けたら望外です。

同人用・ボードゲーム用カバンからかなり逸脱してしまいましたが、アニメ制作における動画の重要性や大切さ、そして京都アニメーションの偉大さをわずかでも伝えられたら思いつつ、ここで筆を置くことと致します。

最後に、カバンはボードゲーム同人誌即売会以外にも、旅行などで十分使えるので、ご興味ありましたら手にとっていただけたら幸いです。

IndiegogoURL:https://igg.me/at/RAVEN-YATA

配信元企業:薄山館株式会社

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