日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が2月度の売上高を発表。うるう年で営業日が1日多かったことや、気温が上昇して春物商材が動いたことで、都市や地域によっては2桁割合の増加になるなど、好調な売上が続いていることが分かった。

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■8カ月連続でコロナ前を上回る

 25日、日本百貨店協会が2月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)14.1%増の4,329億2,204万5,000円となり、24カ月続で前年同月を上回った。

 新型コロナ前の2019年比でも6.3%増となり、8カ月連続でコロナ前を上回っている。

 売上が大きく伸びた要因として、うるう年で営業日が1日多かったことや、春節商戦などでインバウンド需要が好調だったことがある。また中旬以降の気温上昇で春物商材が動き、バレンタインなどの催事が好評だったことも影響した。

 特に新型コロナ鎮静化以降で初めてのバレンタインについては、多様な商品展開とともにイートインも盛況だったいう。

北海道や大阪、京都、福岡が好調

 大都市では10都市中9都市で前年同月を上回った。その中では札幌(前年同月比:26.6%増、以下同じ)、京都(20.0%増)、大阪(22.0%増)、福岡(24.5%増)で大きく増加。唯一前年を下回ったのは広島(9.2%減)で、4カ月連続で前年割れとなった。

 地区別では東北(4.8%減)のみが前年同月を下回っている。前年を上回った地区の中では、中部(4.0%増)と中国(6.3%増)で伸び幅が大きめだった。

 商品別売上高では、婦人服・洋品(20.4%増)、身の回り品(24.9%増)、化粧品(24.0%増)、美術・宝飾・貴金属(28.1%増)、食堂・喫茶(10.1%増)、その他(17.9%増)で大きく伸びた。反対に子供服・洋品(2.6%減)、その他衣料品(0.2%減)、家具(4.4%減)、家電(8.7%減)の4つの商品で前年同月を下回っている。

ショッピングセンターは食品や飲食が好調

 同日、日本ショッピングセンター協会が2月度のSC販売統計調査報告を発表。売上高は前年同月比9.8%増の5,011億9,012万2,000円となり、百貨店同様に24カ月連続で前年同月を上回った。

 好調だった要因として、うるう年や春節とともに、3連休が2度あったために旅行客の来館が増えたこともあった。業種別では、ファッションが気温上昇により春物商材や卒業・入学向けの商品が動いている。新生活需要で家具や家電や日用品が、飲食では家族連れや宴会などのグループ需要が好調だったという。

■大都市、その他の地域とも全て前年上回る

 売上のうち、テナントが前年同月比11.0%増の3,928億8,020万6,000円、キーテナントが同5.4%増の1,083億991万6,000円となり、全体同様に24カ月連続で前年同月を上回った。

 大都市とその他の地域は全て前年同月を上回っている。その中でも大都市は札幌市(前年同月比:13.8%増、以下同じ)、仙台市(14.2%増)、大阪市(14.7%増)、神戸市(14.4%増)で、その他の地域は中部(10.6%増)、近畿(13.8%増)、九州・四国(14.1%増)で伸び幅が大きめだった。

百貨店とSCの2月売上、好調続く 2桁増の地域も