球団初の連覇を狙う阪神。岡田監督は他球団からのマークが厳しくなる今季をどう戦うか(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 3月24日プロ野球オープン戦の全日程が終了した。現在、セ・リーグ2年連続で最下位に低迷している中日がソフトバンクと同率の首位という、予想外とも言える好成績で終えている。また、昨季5位に終わったヤクルトも今回のオープン戦では3位と奮闘、いずれも今季の上位浮上への意欲を示すような結果を残した。

【動画】「セパ順位予想」2024年3月24日【 阪神 vs オリックス 】 佐藤義則の眼

 その一方で、昨年日本一の阪神は、オープン戦を通して黒星が大きく先行し、通算3勝14敗1分け、12球団中最下位に終わっている。

 最後まで、昨季王者としての面影がみられなかった。24日の最終戦オリックス戦でも、終盤に逆転され敗戦を喫している。先発・才木浩人が5回を1失点に抑え、リードしたまま中盤以降はリリーフ陣が繋ぐも、4番手の島本浩也、6番手の石井大智が2点ずつを失う形で、2‐5で敗れている。

 このオープン戦で何度もみられた、試合後半で救援陣が打ち込まれるシーンが最後まで繰り返されることとなり、大きな不安を残したまま、ディフェンディングチャンピオンとしてのシーズンに臨む。

 昨季はリリーフ投手それぞれが高いパフォーマンスを発揮していただけに、ここまでオープン戦の救援陣の内容には、連覇を願う球団OBも複雑な心境を吐露している。

 投手コーチとして、2003年、2005年のリーグ優勝に貢献した佐藤義則氏がYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を更新。3月25日配信の「『セパ順位予想』2024年3月24日【 阪神 vs オリックス 】」の中で、リリーフ投手についての見解などを語っている。

 佐藤氏は、最終戦の結果を踏まえ、「(オープン戦の)最初から言っているけど、今年の中継ぎピッチャーはちょっと不安がある」として、「一番は、常にカウントを悪くしているというところ」と打ち込まれる要因を語った。

 その上でオリックス戦の展開を振り返り、「石井なんかでも、得意球としてシンカーカーブがあるんだけど、それらがストライクに入っていない。それで真っすぐを打たれるというケースがオープン戦で多くみられている」と指摘した。さらに7回裏、左打者2人に連打を浴びた島本にも「去年までのキレが無いのかな」と述べながら、「ベテランでもあるし、開幕までには何とかするだろうとは期待しているけど、バッターとは違ってすぐに状態が上がるとは思えない」と説明。

 加えて、シーズン初戦が目前となった現状について、「ピッチャーは投げ込んだり、色々な準備をしないと、本来のボールの力やコントロールなどがつかない。もう(オープン戦の)ゲームは無いので、開幕までの練習の中で出来ることをしっかり、頑張って欲しい」とエールを送っている。

 ちなみに、動画内での順位予想で佐藤氏は、阪神のセ・リーグ優勝を予想。「岡田(彰布)監督に挑戦して欲しい」と球団史上初の連覇へ期待を寄せている。同様の想いは、多くの虎党も抱いているだけに、開幕までにチーム状態をどこまで高めていけるかによって、シーズン序盤の方向性が示されることは間違いないだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「今年の中継ぎは不安がある」阪神の連覇を推す球界OBが不安定な救援陣に苦言 一番の問題は「カウントを悪くしているところ」