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Eクラス・オールテレイン発表

メルセデス・ベンツは、新型Eクラスにクロスオーバーモデルの「E 220 d 4マティック・オールテレイン」(以下、E 220 d オールテレイン)を追加し、発売を開始したと発表した。メーカー希望小売価格(税込)は1098万円となる。

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Eクラスは、世界で累計1600万台以上の販売台数を誇るメルセデス・ベンツの中核をなすモデルであり、1946年に発表されたW136型以来、常に時代に先駆けて革新的な技術を採り入れ、世界のプレミアムセダンの指標とされてきたと彼らは語る。

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メルセデス・ベンツE 220 d 4マティック・オールテレイン

新型Eクラスは、パワートレインを全てのモデルで電動化するとともに、ナッパレザーで仕立てた高級感のある内装に加え、センターディスプレイと助手席ディスプレイを一体型にしたMBUXスーパースクリーン、サードパーティ製のアプリケーションも使うことができる最新世代のMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)など、機能性と快適性を大きく向上し、デザインを一新して生まれ変わった。

エクステリアデザイン

E 220 d オールテレインは、SUV譲りのデザインや機能、ステーションワゴンの実用性を兼ね備えたクロスオーバーモデルだとメルセデス・ベンツは表現する。

四輪駆動システム「4マティック」など、SUV開発の歴史の中で蓄積したオフロード技術を採用し、オールラウンドな走行性能を備えており、また、新型Eクラス唯一の四輪駆動クリーンディーゼルモデルだ。

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新型Eクラスの伝統と先進性を融合したメルセデス・ベンツの最新デザインを取り入れたエクステリアに、メルセデスSUVモデルに共通する2本のフィンをあしらったラジエーターグリルをはじめ、前後バンパー下部のシルバークロームアンダーライドガードやブラックのホイールアーチカバーを取り入れることでSUVらしさを強調している。また、専用の19インチアルミホイールを採用した。

ボディサイズは全長4960/全幅1890/全高1495/最低地上高145mmと、ステーションワゴンに比べ全長と全幅はほぼ変わらず、高い地上高と乗降のしやすさというSUVの特長を持たせながら、ボディサイズを一般的な駐車場に入るサイズにおさめている。

サイドビューは調和の取れたプロポーションに、メルセデス・ベンツのラグジュアリーモデルに採用されている格納型のドアハンドルを採用。

キーを持った人が近づくことによって、ボディ面から自動でせり出すこのドアハンドルは、通常時はボディ面に格納されており、シンプルでクリーンな面を際立たせるが、万が一の事故の場合などには自動でせり出すことで、従来どおり、強い力で外部から引っ張り、ドアを開けることができる安全性も継承されているという。

リアで特徴的な部分として、ツーピース型LEDリアコンビネーションランプが挙げられ、デイデザイン、ナイトデザインのいずれも、スリーポインテッドスターのモチーフが採用された特別なデザインとなっており、左右のリアコンビネーションランプは中央でつながったデザインによりワイドなリアエンドを強調する。

リアエッジ部のクロームトリムも同様の効果をもたらすものであるという。

インテリアデザイン

インテリアは、大きなトリムパネルがダッシュボード中央まで伸びている。

外観上独立しているセンターディスプレイは、このトリムのくぼんだ表面上に浮かんでいるように見え、オプション設定の「MBUX スーパースクリーン」(助手席一体型ディスプレイ)を搭載している場合、大型ガラス面がセンターから助手席まで広がるデザインとなった。

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カバーガラスは輪郭がダイナミックにデザインされ、ガラス面の上側の輪郭に沿ってエアアウトレットの細長いノズルバンドが納められており、キャビン中央と左右両脇のエアアウトレットをつないで一体化している。

センターコンソールダッシュボード下部まで直線的に伸びて融合し、前部は、カップホルダーを備えたカバー付きの小物入れが立体形状のトリムに一体化されてた。後部には、パッド入りアームレストが設けられており、その下の小物入れにはUSBポートが備えられた。

ドアセンターパネルが曲面を描きながら滑らかに流れ込むドアアームレストは、グラブハンドルやドアを閉めるグリップともなるほか、パワーウインドウのスイッチが配置されている。

もう1つのハイライトとなっているのが、宙に浮いているように見えるスイッチパネルで、ここにはドアレバーとパワーシートの操作スイッチが組み込まれた。

シートの座面とバックレストの表面の形状は内側から外側へと優美に流れ、そのレイヤーデザインのためにシートの本体から浮いているように見え、縦方向のラインが外側の輪郭に沿って伸び、上に向けて幅を増していく。

ここで室内デザイナーが連想したのは、貝殻の有機的な美しさであり、標準設定のレザー・アルティコ仕様では、シートは各パネルに精緻な縦方向のうねを形作る仕上げが施されている。

レザーエクスクルーシブパッケージ選択時の本革(ナッパレザー)シートは、キルティングとパーフォレーションを施したシートの形をなぞるダイヤモンドステッチとなり室内の高級感を高める。

また、レザーエクスクルーシブパッケージには、シートヒーター機能とシートベンチレーター機能(運転席・助手席)が含まれ、より快適なドライブを楽しむことが可能だ。

標準仕様では、大きなインテリアトリムが助手席まで広がり、デジタルインテリアパッケージ選択時には、助手席の前まで MBUX スーパースクリーンが広がるという。

オープンポアブラックアッシュウッドインテリアトリム(標準装備)ブラックの光沢仕上げのアッシュウッドインテリアトリム。アッシュの特徴的な木目がアクセントとなり、濃色でありながら華のある室内空間を演出する。

ブラックピアノラッカーインテリアトリム(デジタルインテリアパッケージ選択時)はブラックの光沢仕上げのインテリアトリムにMBUXスーパースクリーンが合わされることで、落ち着いた高級感のある室内空間を演出する。

MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)

これまで新世代が投入されるたびにコックピットに革命をもたらしてきたインフォテインメントシステムでるMBUX。2018年に発表されたMBUXは、ユーザーの体験を重視したものであったと同社は語る。

2022年に登場した第2世代では、MBUXハイパースクリーンが登場し、そして今回、新型Eクラスにおいて、サードパーティ製のアプリが利用可能になる等、メルセデス・ベンツはMBUX開発における第3世代への大きな進化を成し遂げたとアナウンスした。

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メルセデス・ベンツE 220 d 4マティック・オールテレイン

全モデルにオプション設定の「3Dコックピットディスプレイ」は、内蔵されるドライバー側を向いた2つのカメラによって可能になった。

ドライバーの左右それぞれの視線を追跡する技術により、特殊なメガネを使用せずにドライバーに3D映像を見せることが可能となるという。ドライバーの視線が動いた場合、この視線追跡技術によりディスプレイに映る映像を連続的に変化させることで、常に3D表示を維持すると述べた。

新世代MBUXその他の特長

・新世代MBUXでは、ディスプレイ上の主要なアイコンの表示方法が変更され、フラットなデザインで、よりシンプルに表示される。サードパーティ製のアプリケーションインストールを可能にする新たなオペレーティングシステムを開発し、ドライバーが車載のセルフィービデオカメラを使えば「ウェベックス」や「ズーム」でビデオ会議をすることが可能となる。

・MBUXとの組み合わせで使用する「ルーティン」メルセデス・ベンツでは原則として、機能のオートメーションを意味するものと考え、新型Eクラスは、顧客が活用できる標準ルーティンのテンプレートを用意したという。また自分でルーティンを作成することも可能だ。

・新型Eクラスには、全モデルにMBUXエンターテインメントパッケージプラスを設定する。メルセデス・ミー・コネクトのサービス開始から1年間有効となる。

ゼロレイヤーとMBUX拡張現実(AR)

MBUXのディスプレイオペレーティングシステムは適応型ソフトウェアを備え、数多くのインフォテインメント機能や快適機能、車両機能について個々人に応じた提案を行うという。

また、ゼロレイヤーデザインを採用することで、複数のサブメニューをスクロールしたり、ボイスコマンドを出したりする必要が減少する。状況や文脈に応じて、ホーム画面に提案が表示されるので、ドライバーは多くの操作ステップから解放されると語る。

MBUX ARナビゲーションは、車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示される。これにより、より直感的にどの道路に進むべきかを判断することができるという。

その他のアシスタントや便利機能は?

ハイ、メルセデス:音声アシスタント

音声アシスタント「ハイ、メルセデス」は、メルセデスミーアプリ内のオンラインサービスを起動することで、対話と学習機能を発揮する。

新採用のジャスト・トーク機能により、音声操作をキーワードの「ハイ、メルセデス」を発話せずに行うことができるようになったという。この新機能が起動すると、ディスプレイ上部に赤いマイクのマークが表示され、車両がボイスコマンド待ちの状態となる。

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ハイ、メルセデスは車両機能の説明も行うもので、例えば乗員がブルートゥースによるスマートフォン接続の方法などを知りたい場合にもサポートする。

MBUXインテリア・アシスタント

オプション設定のMBUXインテリア・アシスタントは、さまざまな室内機能をジェスチャーでコントロールすることで、状況に応じたドライバー支援を実現する。

前席乗員の検知を行うのは、ルーフライニング内蔵の赤外線カメラで、オーバーヘッドコントロールパネルに内蔵されている。MBUXインテリア・アシスタントは、乗員の身体の動きや身振り手振りを読み取り、対応する車両機能を起動することで適切にサポートするという。このシステムは自然な手の動きや身体の動きを前後関係に応じて、あるいは乗員のリクエストにより解釈すると付け加えた。

音楽のストリーミング配信サービス

主要音楽ストリーミング配信サービス(スポティファイ/アマゾンミュージック/アップル・ミュージック)をMBUXインフォテインメントシステムに完全に統合した、メルセデス・ベンツの「オンラインミュージック」サービスだという。

接続された音楽配信サービスに登録済みのアカウントへのアクセスをMBUXから行うことができ、好みの曲やプレイリストへ簡単にアクセスできるだけではなく、何百万もの曲の中からお気に入りの音楽を検索したり、キュレーターが作成したプレイリストを利用したりすることも可能となった。

パーソナライゼーション

パーソナライゼーション機能では、顧客個人のプロファイルを作成し、運転席のシートメモリー/ミラー位置の設定/アンビエントライトのカラー設定/お気に入りのラジオ放送局/その他の機能を保存できるようになった。

ヘッドユニット上のストアを介してアプリを追加

新型モデルでは、サードパーティー製のアプリを、好みに応じてインストールすることが可能になった。ラインナップも今後さらに拡大が予定されている。

アイフォンに対応したデジタルキーを設定

デジタルキーを使えば、対応するアイフォンをドライバーが携帯している場合、クルマの始動やロック操作が簡単に行えるようになる。またキーの共有も可能で、家族や友人と新型Eクラスのデジタルキーを共用することができる。

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この場合、オーナーキーを設定しているユーザーはさまざまな権限を割り当てることができ、例えば許可する範囲をロック操作のみとしたり、車両の始動も可能としたりすることができると発表した。

デジタルキーを共有するには、エアドロップやiメッセージなどのメッセージサービスを介して共有相手にキーを送信し、受信者は自分のアップル・ウォレットにキーを追加する。

共有後にキーを削除する場合も、オーナーはアップル・ウォレットまたはMBUXインフォテインメントシステムを使って簡単に操作が可能となるという。

アプリの選択肢を拡大

アプリのクルマへの導入は、これまで主にユーザーのスマートフォンからインフォテインメントシステムへミラーリングすることで行われていた。

アップル・カープレイやアンドロイド・オートがその例で、クルマの走行中に携帯端末の一部機能をディスプレイ上で使用することができる。また、サードパーティ製アプリのインストールを可能にする新たなオペレーティングシステムメルセデス・ベンツのソフトウェアチームによって開発されたことに加え、新しいソフトウェアアーキテクチャーの採用によって、今後はアプリのクルマへの導入をこれまでよりはるかに速やかに行えるようになるという。

アプリのラインナップは今後、徐々に拡大を予定しており、大幅なパーソナライゼーションが可能になる。2024年3月時点でラインナップされるサードパーティ製アプリには以下のようなものがある。
・「ティックトック」(SNS)
・「アングリーバーズ」(モバイルゲーム)
・「ウェベックスbyシスコ」(ビデオ会議)
・「ズーム」(ビデオ会議)
・「ヴィヴァルディ」(Webブラウザー
・「ポケットキャスト」(ポッドキャスト)

ビデオにカメラに室内装備は更に存在

ビデオストリーミングにも対応

新型Eクラスは車内でユーチューブのビデオストリーミングを楽しむことも可能だ。全てのディスプレイで視聴可能だが、走行中はセンターディスプレイでは表示されない。

室内カメラ

ダッシュボードの上には、新採用のセルフィービデオカメラ(オプション設定)が設置される。これにより、停車した状態であれば、ドライバーもウェベックスなどを介してオンラインのビデオ会議に参加したり、自分の写真や動画を撮影したりすることができる。

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また、撮影した映像や画像はUSBフラッシュドライブに保存することも可能で、カメラは画角が広いことから、前席のサイドウインドウなどを含め、室内のさまざまな部分をとらえることができるという。これにより、まったく新しい視点で独特な画像や動画を撮影することが可能になった。

ブルメスター4Dサラウンドサウンドシステムを標準装備

ドルビー・アトモスにも対応した、合計17個のスピーカー、15チャンネル、合計730Wの出力による「ブルメスター4Dサラウンドサウンドシステム」は、3次元の豊かな音響にさらにもう1つ次元を加えた4Dサウンドを提供する。これは、前席シートに振動を伝達するエキサイターを採用し、シートの振動を通じて音楽を表現するという。

日常走行での利便性がさらに向上:ルーティン

メルセデス・ベンツでは、乗る人がよく使う快適システムを覚えられるクルマを実現するため、学習機能を活用する取り組みを進めていると語る。

目標は、状況が同じ場合に車両がそれらの機能を実行すること。その結果として実現するのがパーソナライゼーションだと彼らは表現した。メルセデス・ベンツではこの革新技術の先駆けとして「ルーティン」を開発してきた。

標準ルーティンのテンプレートが用意されるが、自分でルーティンを作成することも可能で、その場合、乗員は複数の機能や条件をリンクさせることができるといい、例えば「車内温度が12度以下なら、シートヒーターのスイッチを入れ、アンビエントライトをウォームオレンジに設定する」などのリンク付けが行えるようになる。

デジタルベントコントロール

オプション設定のクライメートコントロール(前席左右後席左右独立調整)では、デジタルベントコントロールが装着される。これは快適性を強化するもので、フロントのエアアウトレットを望ましい送風シナリオに合わせて車両が調整し、この機能はユーザープロファイルなどにより各シートに対して調整可能だが、これまでどおり手動でエアアウトレットの送風方向を変えることもできる。

走りに必要な機能はどうなっている?

デジタルライト(ウルトラハイビーム付き)を標準装備

左右のヘッドライトのデジタルライトは、それぞれ照明モジュールを備えた。このモジュールは100万個以上の微小な鏡により光を屈折させることで照射方向を定める。このため、片側のヘッドライトあたりの解像度は100万画素以上となるが、鏡が占める面積は親指の爪ほどの大きさだという。

この革新的なヘッドライトは、凹面レンズ「デジタル・ライト」のレタリングなどデザイン性も高められており、ヘッドライト片側で100万以上のエリアに分割可能な光を照射するため、きわめて正確な配光が可能となったことにより、ハイビームアシストが対向車や道路標識に光が当たらないように調整する場合の精度が、従来の84画素の光に比べて精度が大きく高まっており、フォグライトモードやハイウェイライト、シティライトなどの照明が最大限効果的なものとなった。

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さらに、アドバンスドパッケージ装着時には「路面描画機能による車線逸脱警告」が追加され、夜間走行時に車線を逸脱しそうになった場合に、ヘッドライトが車両前方の路面に絵(矢印)を投射することでドライバーに警告をするものだという。

パワートレイン

エンジン単体で197ps/44.87kg-mを発生する2Lのクリーンディーゼル直列4気筒ターボエンジン「OM654M」を搭載する。

エンジンとトランスミッションの間に配置される電気モーターのISGによって、短時間、最大で23ps/20.90kg-mのブーストが可能で、高トルク、省燃費が売りのクリーンディーゼルエンジンに電気による緻密なサポートが組み合わさることで、さらにスムーズな加速感と、燃費の低減に寄与する。

トランスミッションは「9Gトロニックス・オートマチックトランスミッション」を採用。1速から9速までの変速比幅が広いことから、エンジン回転数が大幅に低減され、優れたエネルギー効率と快適性を実現した。

エアマティック・サスペンション

連続可変ダンピングシステムADS+とエアサスペンションを組み合わせたエアマティックを標準装備し、走行時に高い快適性を提供する。

エアマティックによるセルフレベリング機構は、乗員や荷物の重さに関係なく地上高を一定に保つが、必要に応じて変化もさせるとしている。

トランスペアレントボンネット

E 220 dオールテレインでは、360°カメラシステムを使い「トランスペアレントボンネット」機能が使用可能だ。センターディスプレイに車両のフロント部分下方の路面の映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出す機能で、進路上にある大きな石や深い窪みなどの障害をいち早く確認することができる。


新型Eで4WDでディーゼル希望なら一択! メルセデス・ベンツE 220 d 4マティック・オールテレイン