自動車保険が20等級になると保険料の相場はいくらになるか知っていますか?自動車保険の等級が上がると保険料の割引率が上がるのは知っていても、具体的な保険料の相場を知っている人は少ないでしょう。本記事では、自動車保険が20等級の場合の保険料の相場と、割引率について解説していきます。現在20等級で割引率がどの程度か気になる人は、参考にしてみてください。

自動車保険が20等級の場合、保険料の相場はいくら?
20等級の自動車保険料の相場
20等級の自動車保険料の相場

20等級の自動車保険の相場を、年齢別にまとめました。

交通事故の割合が高い18歳〜20歳で車両保険を付けると、100,000円を超える金額になります。自動車保険料は、契約する車種や補償内容によっても金額が異なるので、上記はあくまで参考価格となります。

同じ20等級でも事故あり・事故なしで保険料が変わる

同じ20等級であっても、交通事故の有無によって自動車保険の年間保険料は変動します。自動車保険料の計算は、単に等級だけでなく事故発生に基づく割引率の調整期間(事故あり係数適用期間)も重要な要素となるためです。

事故あり係数適用期間とは、事故を起こしたことにより割引率が減少する期間を指します。前年に事故を経験した人とそうでない人を比較すると、後者の方が事故発生確率が低いと判明しています。

この仕組みによって事故を起こして保険を利用した場合の保険料は増加します。事故を起こしていない人との間の公平性を保つのが主な目的です。また、無事故の方が割引率を高くすることで、安全運転を促す意味合いも兼ねています。

自動車保険は20等級が最も保険料の割引率が高い
自動車保険は20等級が最も保険料の割引率が高い

保険会社が提供している自動車保険は20等級がもっとも保険料の割引率が高く設定されています。

しかし、自動車保険の等級や等級の区分が分からないと、現在どの程度自動車保険料が安くなっているか実感しにくいでしょう。自動車保険の等級と区分について解説していきます。

そもそも自動車保険の等級とは?

自動車保険の等級とは、被保険者の事故歴に応じて保険料の割引率を決める制度です。自動車保険に限らず、保険は契約する人が出し合った保険料を使って事故の補償を行う仕組みになっています。

そのため、保険を使う回数が多い人と全く保険を使わない人が同じ保険料を支払うのは、不公平になってしまいます。保険を使った人の保険料は割引率を下げ、保険を使っていない人の保険料は割引率を高くすることで、公平な保険料が実現しています。

等級は1等級から20等級までの区分がある

自動車保険の等級は、1等級から20等級までの区分があります。車1台単位で等級が割り当てられる仕組みです。

初めて自動車保険を契約する際は6等級からスタートし、無事故年数が増えるにつれて最大の20等級まで上がっていきます。その反面、交通事故を起こしてしまうと翌年から等級が下がってしまい、保険料も割増されてしまうので注意しましょう。

交通事故を起こして等級が下がっても、無事故年数が増えるにつれて等級は上がっていきます。

1等級から20等級までの20等級の割引率(例)

自動車保険の等級制度では、最高等級の20等級に達した際に最大で63%までの保険料割引が受けられます。この割引は、無事故の場合は12等級までは毎年1%ずつ割引率が増加し、12等級から9等級まで2%ずつ上がっていきます。

新規契約で6等級からスタートすると割引率は13%から始まりますが、セカンドカー割引で7等級から契約する際の割引率は、無事故の場合27%です。

各等級に応じた割引や割増の詳細は、以下の表にまとめました。

同じ等級でも「事故あり」「事故なし」で割引率が異なる

前述の表にも記載しましたが、自動車保険は同じ等級でも事故ありと事故なしでは割引率が異なります。20等級の場合は事故なしでは63%の割引率ですが、事故ありでは51%の割引率に下がってしまいます。

事故ありと事故なしの割引率の差は7等級まで続き、6等級より下の等級では割引率や割増率が一定になっているのが自動車保険の特徴です。交通事故を何度も起こしてしまうと、等級が下がって割引率も下がってしまいます。

4等級~1等級になると割引ではなく割増料金が発生し、4等級では7%の割増率、最低の1等級では108%の割増率となり保険料が高くなります。安い保険料を維持するためにも、無事故を続けて高い等級を維持していきましょう。

20等級になるまで何年かかる?

自動車保険の等級は、1年間事故を起こさずに過ごすと1等級アップする仕組みです。そのため、新規契約で6等級からスタートする場合、20等級に到達するのには最低でも14年かかります。もしセカンドカー割引を活用して7等級からスタートする場合は、20等級までに13年が必要です。

また、自動車保険は家族間での等級引継ぎが認められています。この制度を利用すれば、初年度から20等級の自動車保険を利用することも可能です。親から保険等級を引き継ぐことで、新たに契約する場合と比べて保険料を節約できるため、大きなメリットがあります。

自動車保険は20等級から下がることはある?
自動車保険は20等級から下がるのか

自動車保険は20等級から下がることがあります。

等級ダウンに関する事故について、それぞれ解説していきます。

3等級ダウン事故

3等級ダウン事故とは、自動車保険の適用を受けることにより翌年の等級が3ランク下がるような事故を指します。具体的には、次のような事例が該当します。

  • 死亡事故
  • 物損事故
  • 契約車両を損傷させた事故

もし20等級の被保険者が上記のような重大な事故を引き起こした場合、保険を使用すると次年度には17等級へと3等級ダウンします。再び20等級へ戻るには、3年間の期間が必要です。

人身事故や物損事故、また自己の車両損害をカバーするために車両保険を利用する際には、原則として3等級のダウンが適用される点を覚えておきましょう。

1等級ダウン事故

1等級ダウン事故は、自動車保険を使った次年度に等級が1つ下がる事故のことです。1等級ダウン事故に該当する事例は、以下の通りです。

上記のような事例で車両保険を使うと、1等級ダウン事故として処理されます。1年で元の等級には戻りますが、無事故の場合と比べると20等級になるのに2年遅くなってしまいます。

上記の事例はどれも被保険者に落ち度はありませんが、どんな理由でも保険を使ってしまうと等級が下がりやすいと覚えておきましょう。

ノーカウント事故

ノーカウント事故とは、自動車保険を利用しても等級が下がらない種類の事故を指します。人身傷害保険や搭乗者傷害特約、ファミリーバイク特約、弁護士特約、個人賠償特約など、特定の保険や特約を使用した場合は、事故を起こしてもノーカウント事故として扱われることがあります。

上記の保険や特約を単独、または複数組み合わせて利用した場合でも、事故による等級の減少はないのが一般的です。ただし、ノーカウント事故と認められる具体的なケースは保険会社によって異なるため、契約する際には詳細を確認することが重要です。

「事故あり係数適用期間」について

事故あり係数適用期間とは、交通事故によって保険の割引率が下がる期間を指します。保険に新規加入した際は、この期間は基本的には設定されていません。

しかし、重大な事故により3等級ダウンする場合、保険料の割引率は3年間低下し、軽微な事故で1等級ダウンする場合は1年間割引率が低下します。

事故あり係数適用期間の上限は6年と設定されており、期間が終了するまで保険料に影響を及ぼす事故係数が適用されます。この制度は、事故によるリスクを保険料に反映させることで、公平な保険料体系を維持するのが目的です。

交通事故を起こした後、再び割引率が戻るまで無事故での運転が求められます。この期間内に事故を起こさずに運転を続けることで、割引率を戻すことが可能です。

自動車保険の20等級は引き継ぎできる
自動車保険の20等級は引き継ぎできる

自動車保険の20等級は、引き継ぎが可能です。

自動車保険の引き継ぎについて、それぞれ解説していきます。

保険会社を乗り換えても20等級は引き継ぎできる

自動車保険は、他社へ乗り換える際でも現在の等級を引き継ぎ可能です。現在20等級の場合、乗り換え先でも20等級からスタートできます。

新規契約をするとまた6等級からスタートになってしまいますが、現在の等級を引き継ぐことで自動車保険料を節約できます。

現在、代理店型自動車保険に加入していてより安いダイレクト型自動車保険へ乗り換えたい場合でも、現在の等級をそのまま利用できるので安心してください。

等級を引き継ぐ場合は、乗り換えタイミングに注意

他社の自動車保険へ乗り換える際は、乗り換えのタイミングに注意が必要です。現在の等級を引き継ぐ場合、保険の満期日や解約日から7日以内に新しい保険を契約する必要があるためです。

日本の自動車保険は、原則として7日を過ぎてしまうと等級の引き継ぎができなくなります。事情があって新しい保険の契約が7日以上空いてしまう場合は、現在契約している保険会社から中断証明書を取得しましょう。

中断証明書は、解約前の自動車保険の等級などが記載されている証明書です。中断証明書を取得しておくと、新しい自動車保険を契約しなくても最長で10年間等級を維持できます。

現在の等級を引き継ぎする際は、期日に注意して契約を行いましょう。

家族間でも20等級は引き継ぎできる

自動車保険の等級は、本人だけでなく家族間でも引き継ぎが可能です。親が20等級の保険に加入している場合、子どもが免許を取得して自動車保険に加入する際は、新規で6等級からスタートするよりも、親の20等級を引き継いだ方が自動車保険料は安く抑えられます。

親世代は自動車保険に新規加入する際に年齢制限やゴールド免許で割引を受けられますが、若い世代は適用できる割引制度が少ないため、親が新しい自動車保険を契約する方が家族としての自動車保険料を節約できます。

家族に等級を引き継ぐ際の条件は、同居していることと3親等内の姻族までです。子どもが就職や進学で家を離れてしまう場合は、引っ越し前に自動車保険の引き継ぎを行っておく必要があります。

自動車保険が20等級で、さらに保険料を安くするには?
保険料を安くする方法

20等級の自動車保険は割引率が一番高い等級ですが、自動車保険にはさらに保険料を安くする方法があります。

それぞれの節約方法について、順番に解説していきます。

年齢などで運転者を限定した特約を設定する

自動車保険料を安く抑えるためには、運転者を限定しましょう。例えば、子どもが免許を取得して親の車をシェアする場合、運転者を家族限定にし、年齢制限なしにすると18歳以上の家族の交通事故が補償対象になります。

29歳の夫婦2人で車をシェアする場合は、運転者を夫婦限定にして年齢制限を26歳以上にすると自動車保険料を安く抑えられます。自動車保険に設定されている一般的な年齢制限は、以下の通りです。

上記の誕生日を迎えた場合は、保険会社に連絡をすると自動車保険料が安くなります。

車両保険を付ける際は免責金額を設定する

万が一の交通事故を想定すると車両保険に加入したくなりますが、車両保険を付けると自動車保険料は高くなってしまいます。補償と自動車保険料のバランスを取るためには、免責金額を設定しましょう。

免責金額は、車の修理費のうち自己負担する金額のことです。免責金額は高く設定すればするほど、自動車保険料を安く抑えらえるというメリットがあります。

注意点としては、免責金額を高く設定してしまうと、万が一の交通事故の際に支払いが多くなってしまう点です。補償と支払いのバランスを考えて、無理のない範囲で免責金額を設定してみましょう。

ダイレクト型自動車保険に乗り換えする

自動車保険には代理店型とダイレクト型の2種類がありますが、自動車保険料を安く抑えたい場合はダイレクト型一択です。ダイレクト型はインターネットや郵送で保険会社と直接契約する自動車保険です。

ダイレクト型は店舗を構えず最小限の従業員で業務を行っているため、店舗型と同じ補償内容でも自動車保険料が安いというメリットがあります。自宅にいながら自動車保険の契約ができるのもダイレクト型の特長です。

注意点としては、ダイレクト型は補償内容を自分で選ばないといけないので、必要な特約や補償内容をあらかじめ把握しておく必要があります。

自動車保険が20等級だと割引率が高く、保険料が安い!

自動車保険は等級が上がるにつれて割引率が高くなります。一番高い20等級になると、無事故の場合63%、事故ありの場合でも51%の割引が適用されます。

自動車保険の等級を上げるためには1年間無事故でいることが条件なので、安全運転を心がけましょう。無事故を続けて自動車保険の等級が上がると、支払う保険料も安くなっていきます。

日々の安全運転は、健康だけでなく自動車保険を節約する面でも大きなメリットがあります。

自動車保険が20等級だと保険料の相場はいくら?割引率も紹介