アニメ「響け!ユーフォニアム3」が、4月7日(日)昼5時よりNHKにて放送が始まる。それに伴い、映像配信サービス「Lemino」でも4月8日(月)から先行配信がスタートする。第3期となる本シリーズでは、“3年生編”として北宇治高校吹奏楽部の部長に就任した黄前久美子らの青春模様が描かれる。そこで本記事では、これまでのエピソードとともに、本作の見どころなどを振り返っていく。

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京都アニメーション制作の「響け!ユーフォニアム

ヴァイオレット・エヴァーガーデン」や「小林さんちのメイドラゴン」、「Free!」シリーズなどでお馴染みのアニメ制作会社・京都アニメーションが手掛ける本作。主人公の黄前久美子ら、北宇治高校吹奏楽部のメンバーが、様々な困難を乗り越えながら全国大会を目指す青春物語だ。

2015年のTVアニメ放送開始以降、多くのファンから支持を集め続け、「劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~」「劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~」「リズと青い鳥」「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」「特別編 響け!ユーフォニアムアンサブルコンテスト~」と、劇場版作品も多数上映されてきた。

そんな本作では、“楽器を本当に弾いているように見せる”という作画へのこだわり具合が見どころの1つ。さらに、ポップスや馴染みのある楽曲を演奏するシーンも多く、親しみを感じられるような選曲も本作の魅力ポイントとなっている。

■主人公・久美子の成長が垣間見える第1期

2015年~2016年に放送された第1期・第2期では、黄前久美子(CV:黒沢ともよ)の“高校1年編”が描かれている。中学時代に吹奏楽部だった久美子は、クラスメイトの加藤葉月(CV:朝井彩加)、川島緑輝(CV:豊田萌絵)とともに吹奏楽部の見学へ向かう。

そこで見たのは、中学時代に吹奏楽部が一緒で、久美子の心のしこりとなっていた相手・高坂麗奈(CV:安済知佳)の姿。さらに北宇治高校の吹奏楽部の演奏は、お世辞にも上手いとは言えないものだった。

もともと“中学時代の交友関係をリセットしたい”という思いで、あえて自宅から遠い北宇治高校への進学を決めた久美子は、中学時代に麗奈から言われた“ある一言”が忘れられずにいた。そんな理由で入部を迷っていた久美子だが、葉月や緑輝に背中を押され入部を決意する。

その後、新任の顧問として赴任した吹奏楽部の指導者・滝先生(CV:櫻井孝宏)のスパルタ指導に反発する生徒が現れたり、コンクール出場メンバーのオーディションで生徒同士がぎすぎすしたりするなど、様々なトラブルが巻き起こる本シーズン。あらゆる問題を乗り越えながら徐々に1つになっていく部員たちの様子が爽やかに、そしてハートフルに描かれている。学生時代、部活に打ち込んだ経験がある人であれば、どこか懐かしい気持ちになれるはずだ。

また第1期の見どころといえば、主人公・久美子自身の成長だろう。入学したころは周りに流されやすく、どこか他人任せで自主性が見られなかった久美子だったが、滝先生の熱い指導や仲間との絆を深めるうちに向上心が芽生えていく。

中でも、練習中に力不足を指摘された際に、悔しくて涙を流すシーンは、久美子の“成長したい”という心情が巧妙に表現されている。

また、いわくつきの相手でもある麗奈との関係にも変化が現れる。性格が真逆な麗奈となかなか向き合えない久美子だったが、お互いの気持ちを知るたびに少しずつ歩み寄っていく姿が描かれ、“友情”を超えた得難い関係性もしっかりと表現されている点も大きな見どころの1つだ。

吹奏楽部内の人間関係が動き出す第2期

2016年に放送された第2期では、北宇治高校吹奏楽部が京都府大会で金賞を受賞し、関西大会への出場を決めてからのエピソードが放送された。以前より練習に力を入れ、全国大会を目指し猛練習中の部員たちだったが、やはり一筋縄ではいかない。

第2期のメインとなるのは、関西大会へ向けた部員達の熱い特訓はもちろんのこと、第1期では描かれなかった北宇治高校吹奏楽部2年生、3年生の間の確執だった。実は、以前から久美子たちは吹奏楽部の2年生の数が極端に少ないことを疑問に思っていたのだ。

その真相は、去年退部した2年生の傘木希美(CV: 東山奈央)が“部に復帰したい”と言い出したことがきっかけで少しずつ明らかになっていく。

希美による復帰の申し出だったが、副部長の田中あすか(CV:寿美菜子)は、その申し出を断り続ける。そしてこの騒動はオーボエ担当の鎧塚みぞれ(CV:種﨑敦美)や中川夏紀(CV:藤村鼓乃美)、吉川優子(CV:山岡ゆり)ら2年生を巻き込みながら発展していくこととなる。

その他にも、麗奈の恋や、顧問の滝先生の知られざる過去、あすかの退部騒動など、登場する多くのキャラクターにスポットライトが当てられている。

特に、副部長として吹奏楽部を引っ張ってきた“あすかの退部騒動”では、主要キャラクターだっただけにネット上でも「退部だけは勘弁して!」というコメントが相次いだ。しかしこの出来事をきっかけに、あすかが“なぜユーフォニアムを始めたのか”、その理由が明らかになる。

■第3期では戸松遥演じる転校生キャラが登場

今回放送が開始する第3期では、3年生になった久美子が、総勢90名の北宇治高校吹奏楽部部長に就任してからの物語が描かれる。悲願の「全国大会金賞」という目標に向けた“最後の戦い”ということもあり、より一層魂を燃やす久美子たちは、悔いなく学生生活を終えることができるのだろうか。

ちなみに第3期からは、新キャラとして強豪校から転校生してきた黒江真由(CV:戸松遥)が登場する。

声を担当する戸松は、真由について「何を考えてるのか、本心なのかそうでないのか分からない天然の魔性の魅力があるのと同時に、面倒見の良い部分もあります」とコメントしており、物語にどう絡んでくるのか気になるところだ。

そんな真由は久美子と同じユーフォニアムの担当に立候補するため、もしかしたら真由が久美子のライバル的存在になるのかもしれない。

響け!ユーフォニアム3/(C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024