アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、シグナリングテスタ(基地局シミュレータ)MD8430Aの機能拡張として、3GPP Release17の非地上系ネットワーク(NTN)[※1]のNB-IoT[※2]に対応した、静止衛星GEO[※3]向けNTNデバイスのプロトコル試験[※4]ソリューションを開発し、販売を開始しました。
アンリツは、3G/LTE/5Gに向けて長年にわたりプロトコル試験、RF試験、プロトコルコンフォーマンス試験、RFコンフォーマンス試験のソリューションを提供してまいりました。本機能拡張により、NTNにおいてもデバイスの品質向上をサポートし、豊かなネットワーク社会の実現に貢献いたします。

  • 開発の背景

従来は、衛星オペレータ各社による独自の衛星通信サービスが展開されていました。3GPP Release17でNTN通信が規定されて以降、衛星通信サービス市場が急速に拡大し、その標準仕様に基づいたさまざまな検証が必要となっています。静止衛星GEOの場合は、衛星とデバイスが約36,000km離れていることから、通信遅延の模擬や、デバイスに対する遅延補正用の情報送信が可能な試験環境が求められていました。アンリツは、これらの試験要件に対応するため、市場を牽引するお客さまとの検証実績に基づく信頼性と、条件設定に高い柔軟性を持った、プロトコル試験ソリューションを開発しました。

  • 製品概要

MD8430Aは、チップセットやデバイスの開発に必要とされる擬似ネットワークを構築できる基地局シミュレータです。MD8430AのソフトウェアオプションNTN NB-IoT (GEO) MD8430A-043、MD8430Aの制御ソフトウェアオプションNTN over IoT Framework For RTD MX800050A-070を用いたMD8430Aと静止衛星GEO 向けNTNデバイスを接続することで、NTNネットワークとの接続や、地上ネットワークとNTNネットワーク間のローミング等の検証を行うことが可能です。

MD8430Aについてもっと詳しく

https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/products/md8430a

  • 用語解説

[※1] 非地上系ネットワーク(NTN)

Non-Terrestrial Networkの略称。地上、海、空、宇宙にある移動体を多層的につなげる通信ネットワークシステムのこと。地上の基地局からの電波が届かない離島、海上、山間部等を効率的にカバーでき、インフラが整っていないエリアに対してインターネット接続が提供できる。

[※2] NB-IoT

NarrowBand Internet of Thingsの略称。多数のIoTデバイスのネットワーク接続を低消費電力で実現する通信技術のこと。NTN NB-IoTは、地上の基地局ではカバーできない場所に向けたIoT向け通信サービスであり、海運、物流、鉱業、自動車などの分野で利用されている。

[※3] 静止衛星GEO

Geostationary Earth Orbit satelliteの略称。

[※4] プロトコル試験

プロトコルシーケンス試験(位置登録・発信・着信・移動機/網側切断・ハンドオーバーなど)。

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https://www.facebook.com/AnritsuTandM/

配信元企業:アンリツ株式会社

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