大谷は水原氏の窃盗行為に「ショックという言葉では言い表せない」と落胆した様子を隠さなかった(C)Getty Images

 ドジャースでの新シーズンが目前となった大谷翔平メジャー移籍後、通訳を務めていた水原一平氏による違法賭博問題について、現地時間3月25日(日本時間26日)に初めて口を開き、自身の関与を全面的に否定し、さらに自らが「被害者」であるとする胸の内を明かした。

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 米国に渡り、6シーズンもの間、グラウンド内外で「相棒」をつとめた水原氏の行いについて、「ショックという言葉では言い表せない」などと述べ、平静さを装いながら、淡々と経緯や状況を語っていた。

 会見前までは、さまざまな憶測が飛び交い、大谷の選手生命にも影響を及ぼしかねない事態にまで発展する可能性もあっただけに、本人の言葉による説明が聞かれ、一先ずはファンも胸をなでおろすこととなった。

 もちろん、この会見だけで大谷への疑いの声が完全に消えたわけではない。先週、この騒動が報じられて以降、水原氏の言動や、大谷の口座へのアクセス方法など、不透明な点が多いまま、現在も明らかとなっていない。

 だが、世界中の人々が注目する中、大谷が自身の口から潔白を証言したことが、一定の価値があると評する、米国メディアの反応も聞こえてきている。

 オンライン新聞の『SLATE』は大谷の会見から一夜明けた、現地時間3月26日(同27日)、「野球界最大のスターは、絶対的な大失敗を免れたようだ」と報じた。

 同メディアは、「現在、公にされていることを考慮すると、オオタニの話は辻褄が合う。今まで繋がらなかったいくつかの糸が繋がり、この全てがどこに着地するかに賭けるとしたら、あなたは和製ピート・ローズではなく、オオタニが被害者であることに賭けるだろう」と論じている。

 また、疑惑発覚となった『ESPN』の第一報を振り返り、「南カリフォルニアの違法なブックメーカーへの送金にオオタニの名前があったと報じた」と指摘するなど、不明な点もあるとしながらも、「オオタニは、スポーツ賭博をしたこともなければ、誰かに賭けさせたこともないと明言した」と会見のコメントを引用。さらに「広報担当者に囲まれている金持ちの若いアスリートが、世界的に注目された週の終わりにマイクに向かって歯を食いしばって嘘をつくというのはどうなのか?」と疑問を投げかけている。

 その上で、「もし嘘がバレたら、プロとして、また法的にも甚大な影響は避けられないのだ。月曜のオオタニの発言が100%正直なものでなかったとしたら、彼は通訳以上のものを手放す必要がある、とだけ言っておこう」と見解を示し、大谷のコメントを受け入れる姿勢であることを強調した。

 この一件に関して、今後もさまざまな論評が飛び交う中、大谷自身も捜査に応じていくことになる。しかし、心中穏やかではないながらも、公の場に姿を現し冷静に言葉を紡いだという事実は、これからシーズンを戦う上でも、やはり大きな意味があったと言えるだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「オオタニの話は辻褄が合う」大谷翔平の”真摯”な会見に現地メディアは好印象「絶対的な大失敗を免れた」