2024年3月、フィリピン産のモリンガは「奇跡の木」とも呼ばれ病気を予防するハーブです。ここミンダナオ島オサミスでは至る所に生えていて、草ではなくりっぱな木です。木の部分は短く切られており背が高く成長しないようにされています。

 収獲されたモリンガは葉っぱの部分を綺麗にそぎ落とされて籠に入れて料理に使われるのを待ちます。

 1)モリンガ(Malunggay)を使った代表的な家庭料理として「ココナッツミルク煮の緑豆」(Ginataang mongo)というものがあります。モンゴ豆(Mongo)という小さな緑色の豆を使います。

 料理の前にココナツを収穫して硬い実を割って中の白い果肉を取り出す作業から始まります。独自に工夫された道具を使ってそぎ落とします。もちろんココナツを収穫できない家庭は市販されているココナッツミルク缶を使います。

 ココナツの果肉に水を加えて最初に絞ったココナツミルクを一番搾り、二番目に絞った薄いココナツミルクを二番絞りとして別々のカップに分けて保存されます。

 一晩水につけてふやかしたモンゴ豆Mongoを30分間煮て柔らかくして、カボチャの一種やナス、レモングラスを加えて塩と味の素で味をつけてから二番目に絞ったココナツミルクを加えて野菜が柔らかくなるまで15分ほど煮込ます。その後一番搾りの濃厚なココナツミルクとモリンガ(Malunggay)を加えさらに10分程煮込んで完成です。

 このスープココナツミルクの味が濃厚で暑いフィリピンで大汗をかきながら何杯でも飲めてしまう程美味しいです。

 2)モリンガ(Malunggay)を使った家庭料理に貝とモリンガを使った料理が有ります。ハラアン貝のスープ、タガログ語でTinolang halaanですが貝にはこだわらない様です。我が家では近くの海に数人で出かけて貝を獲ります。1人で5Kg程の貝の収穫になるそうです。私も運転手としてついて行きましたが、真っ暗になるまで戻ってこないので心配になりました。

 料理は単純で貝を洗ってから玉ネギ、ジンジャー味の素、塩とモリンガ(Malunggay)を加えて加熱するだけです。日本のアサリと違って貝の実は小さいのですが家族でワイワイ言いながら食べるのは楽しい一時です。

 3)魚とモリンガ(Malunggay)のTinolaボイル料理。料理に使われる魚は様々でフィリピンの国魚Bangus(バングス)であったり、ツナなど様々な物が使われます。今回は市場で安価で買えるGutobという魚を使いました。内臓を取り除いて半分に切ったGutobにレモングラス、ジンジャー、塩、味の素を加えて10分ほど煮込みます。そこにモリンガ(Malunggay)を加えさらに5分ほど煮込んで終わりです。

 レモングラスやモリンガが魚の臭みを取ってくれます。家族はお皿に沢山のライスを盛り魚とスープをかけて食べていました。

 フィリピン各地に有る地元のトロトロと呼ばれる屋台や食堂でもモリンガを使った料理が食べられます。フィリピンを訪問したら一度挑戦してみてください。ただしタガログ語では発音が「マルンガイ」に近いです。

貝を洗ってから玉ネギ、ジンジャー、味の素、塩とモリンガ(Malunggay)を加えて加熱するだけのシンプルな調理。でも貝取りに何時間もかけているのですから手間はたっぷりかかっています。ほのかな渋みの有るモリンガがアクセントになっています。