2024年3月26日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国で開かれた半導体見本市の盛況ぶりを紹介する一方で、専門家からは「中国の半導体が世界に追いつくにはあと10年必要」との見方が出ていると報じた。

記事は、上海市で20〜22日に世界最大の半導体見本市「セミコン・チャイナ」が開かれ、地政学的な緊張が半導体業界に大きな圧力を与えている中、業界は依然として活況を呈している様子がうかがえたと紹介。出展者のほとんどが中国メーカーで、各ブースでは半導体チップや回路基板などの製品に注目する来場者でごった返していたと伝えた。

その上で、日常生活に欠かせないあらゆる機器に用いられている半導体産業は近年大きな激戦区となっており、欧米は一部の諸国は軍事利用を恐れて中国への先進半導体技術輸出を禁止し、中国はこれに対抗する形で半導体の国産化を強化し、地場産業の振興を加速させているとし、中国の業界関係者からは「米国が規制をかければかけるほど、中国企業はより早く発展するだろう」との声も聞かれたと紹介している。

また、中国の通信機器大手・華為技術ファーウェイ)が昨年9月、傘下企業が自社開発したモバイル用チップKirin 9000sを搭載した最新のハイエンドスマートフォン「Mate 60 Pro」を発表し、 チップ技術の急速な進歩に米国とその同盟国が衝撃を覚えたとした。

記事は一方で、中国の業界関係者からは欧米の技術禁輸措置がなおも短期的に大きな影響を及ぼす可能性があるとの見方も出ていると指摘。昨年、米商務省のブラックリストに載った竜芯中科(ロンソン・テクノロジー)が昨年に3億2900万元の純損失を計上し、同社が先月発表した報告書では研究開発費が大きく上昇したことが明らかになっていると伝えた。

さらに、半導体調査・分析会社テック・インサイツの研究員が、現在中国で半導体製造に使用されているリソグラフィ装置はオランダASMLの先進設備に比べて大きく劣っているとした上で「仮に中国が十分な資金を投入すれば、最終的には他国に追いつくかも知れないが、そのためには少なくとも10年はかかると見ている」と述べたことを紹介した。(翻訳・編集/川尻)

26日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国で開かれた半導体見本市の盛況ぶりを紹介する一方で、専門家からは「中国の半導体が世界に追いつくにはあと10年必要」との見方が出ていると報じた。