NHKは29日、4月放送スタートのアニメ『烏は主を選ばない』について、デザイン原案・演出協力として原作の「八咫烏シリーズ」(文藝春秋)のコミカライズ著者である松崎夏未氏が加わることを発表した。

【全文】原作者・松崎夏未氏のポスト「問題は解決済みです」

 作品公式サイトで発表され、「2024年4月から放送予定のアニメ「烏は主を選ばない」の「デザイン原案・演出協力」として、原作の「八咫烏シリーズ」(文藝春秋)のコミカライズの著者である松崎夏未先生に加わっていただくことになりました。以下、その経緯についてご説明いたします」と報告。

 「NHKエンタープライズでは、阿部智里先生の小説をもとにしたアニメ制作を進めていました。しかし、一部のシーンや設定等の中に、原作を忠実に再現しようと、松崎先生が手掛け、阿部先生が監修するコミカライズ『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』(講談祉)を参考にして制作したものが含まれていました」と説明。

 「これを受けて本アニメを制作するNHK、NHKエンタープライズぴえろの三社は、松崎先生、阿部先生に対して経緯を説明したうえで、改めて松崎先生と阿部先生、そして講談社文藝春秋を交えてやり取りを進めた結果、この度、両先生のご理解のもと、事後的な形にはなりますが、漫画の表現の一部利用について、ご協力をいただけることになりました」と伝えた。

 「制作スタッフ一同、視聴者のみなさまにお楽しみいただける作品をお届けすべく、心を込めて制作をして参ります。何卒よろしくお願いいたします」と理解を求めた。

 また、講談社もモーニングの公式サイトで「NHKからのお知らせにあるように、アニメ『烏は主を選ばない』に松崎夏未先生がクレジットされることになりました」とし、「本アニメは阿部智里先生の原作小説(文藝春秋刊)をもとに企画されましたが、コミカライズ版『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』(講談社刊)を参考にして制作された部分があることが分かり、あらためてコミカライズ版からデザイン・演出の協力に関する許諾を行った次第です」と報告。

 「言うまでもなく作品の著作権は著者のものであり、映像化の際にはその意志を最大限に尊重していただいております。本作品に関しても、文藝春秋講談社は阿部先生と松崎先生のご意向に従って、両先生に代わって正当な許諾手続きを行いました。ファンの皆様には、原作小説シリーズ・コミカライズ版と共にアニメ『烏は主を選ばない』をお楽しみいただければ幸いです」と伝えた。

 同作の原作は、阿部智里氏による人気ファンタジー小説「八咫烏シリーズ」。人の姿をした八咫烏の一族が支配する異世界・山内(やまうち)を舞台にした和風大河ファンタジー。美しくも風変わりな若宮の側仕えに抜てきされた少年・雪哉。陰謀渦巻く宮中でさまざまな事件に遭遇するなかで、若宮と奇妙な主従関係を結んでいく。

アニメ「烏は主を選ばない」メインビジュアル