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 100年以上前にイギリス海峡で交戦し、互いに沈め合ったドイツ潜水艦イギリスの機密艦。その後行方がわからなかった潜水艦がこのほど見つかり、史上唯一の事例とされてきた海戦の謎がついに解き明かされたという。

 1917年にUボートの名で知られるドイツ海軍の潜水艦「UC-18」とイギリス海軍の機密艦「レディオリーブ」が交戦し、互いに沈没した。

 ところが、沈んだはずの軍艦はその後いっこうに見つからず、当時の戦況など詳しいことがわからないまま時が流れた。

 だが近年、海峡を知るダイバーらが重要な手がかりとなるUC-18をついに発見。徹底的な潜水調査によって、消えたUC-18がようやく見つかったのだ。

 地元ダイバー考古学者ら専門家の協力で実現した、歴史的な戦いの謎に迫る捜索の一部始終がこのたびドキュメンタリーとして公開される。

【画像】 戦って沈め合ったドイツ軍の潜水艦とイギリスの機密艦

The Hunt for Lady Olive & The German Submarine | Trailer | Coming Soon

 100年以上も前、イギリス海峡で行われた伝説的な戦いの謎がついに解き明かされるという。

 かつてイギリスの機密艦と戦った末、海に沈んで行方不明になったドイツUボート、UC-18がようやく発見されたのだ。

・合わせて読みたい→生きたまま沈んだ45名と共に眠るナチスドイツのUボートが74年振りに発見される

 1917年2月19日ドイツ海軍の潜水艦「UC-18」は、イギリス海軍の機密艦「レディオリーブ」とイギリス海峡で激しい戦いを繰り広げた末、共に沈没した。

 この出来事は、のちに唯一の海戦として語り継がれることになる。

 だが一方で、海の底に沈んだUC-18とレディオリーブの正確な位置はわからないままだった。

2008

UC-18とレディ・オリーブ

 なおドイツ海軍のUボート、UC-18の詳しい情報は不明だが、大きさは、UボートUC1型の規格とされる、全長34.0m、全幅3.2m ほど、装備は機雷敷設筒6、機雷12、機銃があったもよう。

 またレディオリーブのほうは、イギリス海軍の機密艦、またはいわゆる武装商船の一種とされるQシップで、商船を装った駆潜艇(Submarine chaser)潜水艦を駆逐する艦艇)として、Uボートをおびき寄せる戦略に使われたとも考えられている。

 だがこの戦いでいずれも互いに攻撃を受け、ほぼ同じタイミングで沈没したとみられる。

2009

4年間の捜索でダイバーらがUC-18を発見

 ところが、イギリス王室属領のガーンジー島ダイバーらが4年間もの捜索の末、ついに海底に眠るUC-18を発見!

ガーンジー島のX公式案内アカウントより

 深さ約70mのところで見つかったUC-18の特定には海洋考古学者トマス・テルモート氏が協力した。

2004

 その状態は、驚くほど良好だったという。またこの捜索で、他の沈没船2つも発見され、身元が確認された。

 その一部始終BBCのドキュメンタリー番組として放送される。

 複雑なパズルのピースが一つずつはまるように、広大な海で根気よく続けられたダイバーらの捜索により見つかった幻の潜水艦

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BBCのドキュメンタリーとして6月に放映予定

 そこから歴史に残るかつての戦いの謎を解き明かす様が目に浮かぶよう。こういう発見は本当に興味深い。

 BBCのドキュメンタリー「The Hunt for Lady Olive and the German Submarine(レディオリーブドイツ潜水艦の捜索)」は、2024年の6月に放映予定とのこと。にしてもこれ日本でも視聴できるのかな?

References:bbc / metro / facebook / youtube / twitter / など /written by D/ edited by parumo

追記(2024/03/30)年号の誤りを訂正して再送します。

 
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これまで行方不明だったドイツ軍のUボートをイギリス海峡で発見