プレミアリーグ第30節、ブレントフォードvsマンチェスター・ユナイテッドが30日にグリフィン・パークで行われ、1-1のドローに終わった。

6位のユナイテッドは、直近1分け5敗と不振に陥る15位のブレントフォード相手にリーグ連勝を狙った。

前々節にエバートンを2本のPKで撃破したテン・ハグのチームは、FAカップ準々決勝でリバプール相手にFWアマドの劇的なゴールで4-3の勝利。良い形でインターナショナルマッチウィークの中断に入った。そういった中、中断明け初戦ではそのリバプール戦と全く同じスタメンを採用。さらに、カゼミロとマルティネスの主力2人がベンチに入った。
ボールを握って押し込むユナイテッド、[5-3-2]のブロックを敷いてロングカウンターを狙うブレントフォードと予想通りの構図の下で試合が進んでいく。

立ち上がりはユナイテッドが良い形で押し込んだが、15分を過ぎた辺りからはブレントフォードが得意のセットプレーから波状攻撃を仕掛けて押し返すことに成功。24分にはウィサのスルーパスで中央を突破したトニーに決定機が訪れるが、ボックス中央で放った右足シュートは惜しくも左ポストを叩いた。

このチャンスをモノにできなかったものの、前半半ばから終盤にかけてはホームチームが完全に試合の主導権を掌握する。相手を自陣に引き込む形から2トップを起点としたロングカウンターが面白いように嵌ると、その流れで得たセットプレーから幾度も際どいシーンを作り出す。

32分にはイェンセンのクロスをザンカがドンピシャのヘディングで合わすが、これは惜しくもクロスバーを叩く。さらに、セットプレーでのルーズボールへの鋭い反応から連続してシュートを浴びせかけたが、最後のところで決め切ることはできなかった。

内容では圧倒されながらも最低限のイーブンで試合を折り返したユナイテッド。巻き返しを図る後半に向けては前半終盤に足を気にしていたヴァランを下げてマグワイアをハーフタイム明けに投入した。

立ち上がりは押し込むことに成功したユナイテッドは、ブルーノ・フェルナンデスやダロトのミドルレンジからのシュート、オフサイド気味ながらゴール前に抜け出したホイルンドの一対一と決定機を作り出した。

だが、後半も時間の経過と共に押し返されると、ヤルモリュク、ルイス=ポッターの連続シュートを守護神オナナがビッグセーブで凌ぐなどピンチの場面が増えていく。

流れを変えたいテン・ハグ監督はガルナチョを諦めてアントニー、右ハムストリングを痛めたリンデロフに代えてマルティネスを投入。これに対してブレントフォードもウィサ、ヤルモリュクに代えて切り札のエンベウモ、ダムスゴーアの投入で攻撃に変化を加えていく。

この交代でよりパワーを出したホームチームは、トニーの抜け出しからのシュート、セットプレーからのエンベウモのシュートでゴールに迫ったが、際どいオフサイドとクロスバーに阻まれる。

その後、80分にはメイヌー、ラッシュフォードを下げてカゼミロ、マウントを同時投入した赤い悪魔はこれで流れを変えるまでには至らなかったが、結果的にこの交代策が先制点をもたらす。

96分、相手ボックス付近でのルーズボールの競り合いでマクトミネイがうまく潰れると、こぼれを回収したカゼミロがボックス左のマウントにラストパス。これを元チェルシーMFが冷静に左足でゴール右隅に流し込み、待望の加入後初ゴールを奪って見せた。

苦しみながらも見事な勝負強さを発揮しての勝利かに思われたが、フットボールの神様は不公平を許さない。99分、パワープレーに出たブレントフォードゴッドスの浮き球パスをボックス右でトニーが収めて冷静に折り返すと、ドフリーのアイェルが冷静にゴールネットへ蹴り込んだ。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、終始ブレントフォードぺースで進んだ一戦は1-1のドロー決着となり、今節ライバルが共に勝利した中、ユナイテッドにとっては痛い勝ち点逸となった。