屈辱のデビュー戦の鬱憤を晴らす活躍を見せた山本。(C)Getty Images

 これぞ“日本のエース”と呼べる完璧な投球だった。

 現地時間3月30日カージナルス戦で、ドジャース山本由伸が本拠地初登板。5回(68球)を投げて、被安打2、無失点、5奪三振という圧巻の投球を見せた。

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 メジャーデビューとなったパドレス戦での前回登板は、被安打4、2四死球、5失点でKOという屈辱の内容だった。そこから約1週間で山本は見事な調整をしてきた。

 この日は初回に3者連続三振という圧巻のスタートを切ると、2回にアンラッキーなポテンヒットで初出塁を許したが、その後もストライク先行の危なげない投球で山本は小気味よく投げ進めていく。

 立ち上がりに支配力を見せつけ、波に乗った山本は、ポール・ゴールドシュミットノーラン・アレナドといったメジャー屈指の強打者も居並ぶカージナルス打線を翻弄。5回の登板前に30分の雨天中断というアクシデントはあったが、最終的に5回までを投げ切り、5奪三振、無失点という完璧な内容でお役御免となった。

 5回の裏にフレディ・フリーマンと、女房役のウィル・スミスの連続タイムリーヒットでドジャースは2点を先制。そんな味方の援護も受け、勝利投手の権利を手にした背番号18を現地メディアの記者たちも称賛する。

 ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』のダグ・マケイン記者は自身のXで「前回登板の後に彼は自信満々に『修正方法は分かっている』と答えていた」と指摘。そのうえで「ヤマモトは特別な才能の持ち主だ。全く心配していなかった。こうなるのは時間の問題だった」と、圧巻の投球内容を絶賛した。

 前回登板とはまるで別人のような投球を披露した山本。開幕直後には「メジャーに馴染めるか」という不安も少なくなかったメジャー投手史上最高額(12年3億2500万ドル=約463億2500万円)の日本人右腕だけに、彼が真価を発揮するとなると、いよいよドジャースは止められなくなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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