台湾の人気スター、シュー・グァンハンと清原果耶がダブル主演を務め、『余命10年』(22)の藤井道人監督最新作にして初の国際プロジェクトである日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』が、5月3日(金)に公開される。本作の香港国際映画祭でのレッドカーペットとインターナショナルプレミアが3月29日に香港文化センターで行われ、グァンハンと清原が参加。会場に詰め掛けた大勢のファンが見守るなか、赤い絨毯が敷かれた大階段をゆっくり上がり、真紅のドレスに身を包んだ清原をグァンハンが優しくエスコートすると、大歓声が沸き起こった。

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本作は、日本と台湾の壮大で美しい風景と、18年前と現在という時代を鮮やかに映し出した切なくも美しいラブストーリー。始まりは18年前の台湾。カラオケ店でバイトする高校生・ジミー(グァンハン)は、日本から来たバックパッカー・アミ(清原)と出会う。天真爛漫な彼女と過ごすうちに、恋心を抱いていくジミー。しかし、突然アミが帰国することに。意気消沈するジミーに、アミはある約束を提案する。

フォトコールでのインタビューで「2人の共演のエピソード」を聞かれると、グァンハンは「撮影はもちろん、撮影以外の時間も、お互いの言語を教わったりして、交流を深めました」とコメント。初の香港国際映画祭参加に少し緊張している様子の清原は、台湾での撮影の思い出について「皆さん優しいし、ご飯もおいしいし、景色も綺麗で、(演じた)アミとしてもそうですけど、私自身も撮影を楽しませていただきました」と喜びを口にした。

また、1300人の観客で満席となったプレミア上映の舞台挨拶では、グァンハンが改めて日本での撮影を振り返り、これから本編を鑑賞する観客に向けて「日本での撮影は、忘れられない経験でした。今回は日本の只見線という鉄道を沿って撮影していました。予告編でも少し出てましたが、ほんの一部で、撮影時と撮影以外でも目にした景色が本当に綺麗で、皆さんにもぜひいつか訪れてほしいと思っています。そして、あそこで過ごした時間は撮影してる感覚がなく、まるで自分の行動や景色を記録したような感じで、ドキュメンタリーのようでした」としみじみ語る。

清原は「台南での撮影は、景色も美しく、食べ物もおいしく、人も空気も温かくて、すごく充実した時間でした」と笑顔で語った。2人の登壇に会場は大盛り上がりを見せ、香港での本作への期待の高さが伺えた。

本プロジェクトは、台湾では3月14日に世界最速公開され、公開15日ですでに台湾全土で5000万元の興行成績を突破し、2024年に台湾で公開した台湾映画では興行収入ナンバー1を記録した。今後も、台湾での大ヒット、本日のインターナショナルプレミア(香港プレミア)に続き、香港(4月4日公開)、シンガポール(4月10日公開)、マレーシア(4月10日公開)、ブルネイ(4月10日公開)、ベトナム(4月12日公開)、カンボジア(5月8日公開)、韓国(公開日未定)など、10か所以上の地域での劇場公開も決まっており、さらに拡がりを見せていきそうだ。

本作は、『余命10年』や『新聞記者』(19)など数々の大ヒット作品を手掛けてきた藤井監督が、“監督人生第二章の始まり“と位置づけた、日台の実力派俳優たちとともに送り出す意欲作だ。日本での公開も実に待ち遠しい。

文/山崎伸子

『青春18×2 君へと続く道』の香港国際映画祭でのレッドカーペットに登壇したシュー・グァンハンと清原果耶