切り込み隊長としてドジャース打線を牽引しているベッツ。今の彼は文字通り絶好調だ。(C)Getty Images

 スーパースター軍団を牽引する“核弾頭”が止まらない。

 現地時間3月30日カージナルス戦で、ドジャースムーキー・ベッツは「1番・DH」で先発出場。2点を追う9回裏1死無塁の局面で反撃の狼煙を上げる4号ソロを放つなど、4打数3安打、1本塁打、1打点と気を吐いた。

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 敗色が濃くなっていた終盤にムードを一変させる一打を放った。2点のビハインドを追っていた9回裏にカージナルス守護神のライアン・ヘルズリーと対峙したベッツは、カウント1-1から高めに投じられた95.4マイル(約153.5キロ)の4シームを強振。高々と舞い上がった打球は左中間スタンドに着弾した。

 最終的にドジャースは5-6で敗れはした。しかし、ベッツの4試合連続弾は、ただでは転ばない今季のチームを象徴するようなワンシーンだった。

 今季は二塁手遊撃手への本格コンバートに挑み、負担が通常よりも大きくなっている。それでも31歳の天才スラッガーはロケットスタートを切っている。好調ぶりは何よりも数字が如実に物語っており、ここまで5試合で打率.611、4本塁打、10打点、出塁率.720長打率1.389を記録。さらにOPSに至っては2.109と異次元のハイアベレージだ。今の彼がどれだけ手が付けられない存在なのかを物語っていると言えよう。

 まるで打ち出の小槌のように打ちまくっているベッツには、地元メディアも熱視線を送る。ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』のダグ・マケイン記者は自身のXで「ムーキー・ベッツは今シーズン開幕から非現実的なペースで打ち続けている。12年契約を結んだところで、彼がひとつやふたつのMVPを獲得することは分かっていた。今年はその年になりそうだ」と指摘。早くも2度目のMVP獲得を予測した。

 また、同じく『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者は、ベッツがコンバートに取り組んでいる事実を紹介したうえで、「彼は信じられない」と強調。「今のベッツは正気の沙汰ではないプレーをしている」と、天才肌のマルチが見せる異次元さを絶賛した。

 果たして、この勢いはどこまで続くのか。試合後に地元スポーツ局『SportsNet LA』などの取材で「今日は勝てなかったけど、常に相手にプレッシャーを与えることはできた。僕らは止まらない」と自信を漲らせた男から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

早くもMVPの声!? 打率6割超え&OPS2.109と打ちまくるベッツに米記者も愕然「正気の沙汰ではない」