プレミアリーグ第30節、マンチェスター・シティvsアーセナル3月31日にエティハド・スタジアムで行われ、0-0のドローに終わった。なお、アーセナルのDF冨安健洋は66分からプレーした。

3位のシティ(勝ち点63)は前々節、リバプールとのアウェイ開催の首位攻防戦を1-1のドローで終え、リーグ連勝が「3」でストップ。首位浮上のチャンスを逃した。それでも、中断前に行われたFAカップ準々決勝では曲者ニューカッスル相手に2-0の勝利。きっちりバウンスバックの白星を収め、インターナショナルマッチウィークの中断期間に入った。中断明け初戦の大一番では、負傷でベンチ外のエデルソンとウォーカーに加えてストーンズやグリーリッシュがベンチスタート。代役にGKオルテガ、グヴァルディオル、コバチッチらを起用した。

一方、前々節のブレントフォード戦をしぶとく2-1と勝ち切ったアーセナル(勝ち点64)はリーグ8連勝を達成。この間の大量得点によって得失点差でトップに立った結果、同勝ち点のリバプールを抜いて首位に浮上した。昨年10月の前回対戦で連敗を「12」でストップした相手にシーズンダブルを狙った一戦ではマルティネッリがベンチスタートとなったが、懸念のサカとガブリエウが無事スタメン入り。サカ、ハヴァーツ、ガブリエウ・ジェズスという3トップで臨んだ。

直前の試合で勝利し暫定首位に浮上したリバプールを含めた三つ巴の熾烈タイトルレースを左右する首位攻防戦。互いに後方からビルドアップを試みる相手に対して、強い圧力で制限をかけていく。

中盤でのハイレベルの攻防が繰り広げられる中、7分には右サイドのホワイトの柔らかなクロスをファーで収めたジェズスに決定機が訪れるが、右足シュートはわずかに枠の左へ外れた。

相手の出方を確認した後は安定したボール保持でじりじりと前進するシティが主導権を握り、アーセナルブロックを構えて粘り強くスペースを消しながら守る構図に落ち着く。流れの中では攻め切れないホームチームだが、15分にはセットプレーからアケの至近距離からのヘディングシュートで際どいシーンを作り出す。

膠着状態が続く中でシティにアクシデント発生。右ふくらはぎを痛めたアケがプレー続行不可能となり、リコ・ルイスが27分にスクランブル投入される。これでアカンジがセンターバックに立ち位置を変えた。

前半半ばから終盤にかけてもビッグマッチ特有の緊迫感のある痺れる状況が続く。互いになかなか決定機まで持ち込めないが、アーセナルが徐々に自陣でのファーストプレスをかいくぐるシーンやカウンターの形から押し返していく。そして、ジェズスらがボックス付近で足を振っていくが、ホームチームの身体を張った守備に阻まれた。

戦術家同士のハーフタイムの修正に注目が集まった後半は、やや動きのある立ち上がりに。

開始直後にルイスの鮮やかなターンを起点にコバチッチが枠のわずか右に外れるミドルシュートを放つと、アーセナルも高い位置でのボール奪取からウーデゴール、サカと右サイドで繋いでサカの高速クロスにジェズスが飛び込む決定機を作り出す。

後半はアーセナルがより前からボールを奪いにいく姿勢を見せたこともあり、球際のバトル、トランジションが強調される展開に。さらに、60分を過ぎたタイミングを勝負所とみた両指揮官が動きを見せる。
先に動いたシティは61分、コバチッチフォーデンを下げてドクとグリーリッシュを左右のウイングに配置。これに対してアーセナルは66分、キヴィオルとジョルジーニョを下げて冨安、トーマスを同ポジションに入れた。

一連の交代で流れを掴んだのはグアルディオラのチーム。両サイドに収まりどころと共に縦への推進力が増したことで、より相手を広げながらコンビネーションでの崩しで際どいシーンを作り出す。だが、粘る相手の守備を前にドクやハーランドといって前線の選手が仕留め切れない。

一方、守勢のアーセナルはカードリスクがあったジェズス、負傷したサカを下げてトロサール、マルティネッリを続けて投入。前から追えるフレッシュな選手に守備のタスクと共にカウンターからの一発を託す。

その後はアーセナルも盛り返して試合は前回対戦と同様に0-0のまま後半最終盤に突入。今回も劇的な決着が期待されたものの、最後まで均衡が保たれたままタイムアップを迎えることになった。

この結果、先日のリバプールvsシティと同様に首位攻防戦は痛み分けのドローに終わった結果、リバプールが首位に浮上し、アーセナルは2位転落、シティは3位のままで残りのタイトルレースを戦うことになった。