華為技術ファーウェイ)は広東省東莞市内で3月26日から27日にかけて、「ファーウェイクラウドアジア太平洋パートナーコネクションサミット2024」を開催した。同サミットにはアジア太平洋の13の国と地域から、パートナー企業関係者500人が出席した。

パートナーとのウィンウィンの構図を確立

ファーウェイクラウド全世界マーケティングおよび販売サービス部の石冀琳(ジャクリーン・シー)総裁は開会の辞で、ファーウェイクラウドの過去4年間の大きな成長は、パートナーの大きな支えがあったからこそと表明。アジア太平洋地域で年間売上高が1000万ドル(約15億円)、500万ドル(約7億6000万円)、100万ドル(約1億5000万円)を超えるパートナーの数がそれぞれいずれも4倍になったという。

石総裁はさらに、同社の世界規模インフラであるKooVerse(クーバース)はすでに30の地域と84カ所の利用可能区を有するようになり、使用可能な地域がさらに拡大中と説明し、「KooVerseは安全かつ現地の法規に適合した業務をパートナーに提供する土台であり、最終顧客に最適なパフォーマンスと体験を提供することに注力しています」と述べた。

石総裁はまた、ファーウェイクラウドは中国国内のインターネットや政府や企業、業界のデジタル化で優れた経験を積んでおり、このような中国発の最適な実践を世界の舞台で顧客やパートナーに届けたいと述べた。

ファーウェイクラウドのコンピューティンググローバルエコシステム部の康寧(Ken Kang)総裁は基調講演で、「弊社には全世界で4万5000のパートナーが存在し、お客様にエンド・ツー・エンドのサービスを提供しています。オンラインとオフラインの販売チャネルを通じて、パートナー様に数千の販売機会を提供し、ファーウェイのクラウドストアである(クーギャラリー)を通じて売り上げ全体の123%増を達成するなどで、(パートナーと)ウィンウィンの状況を形成しています」と説明した。

開発を担当するパートナーに手厚い支援

康総裁は、ファーウェイが構築した企業群の中でも、中核となるのは開発関連業者と説明。ファーウェイは全世界にイノベーションセンターを160カ所以上、能力開発センターを2カ所運営しており、開発者の支援や認証の授与をしていると説明した。中国国外の開発関連パートナーの年平均成長率は400%を超えているという。

康総裁はさらに、ファーウェイクラウドは金融、小売、通信事業者、医療、教育、自動車の六大主要業界に焦点を絞り、パートナーと共に100以上の共同ソリューションを構築し、各業界の顧客のデジタル化を加速すると述べた。ファーウェイクラウドはさらに、「デジタル化転換およびシステム統合パートナープログラム」を立ち上げ、各地のパートナーを支援する人材を派遣するという。

アジア太平洋地区では特に目覚ましい成長

ファーウェイクラウドアジア太平洋地区の曾興雲総裁は、同社のアジア太平洋地区での成長率は77%増だったと説明。特にビッグデータと人工知能(AI)関連では、件数が6倍に、売上高が11倍になったという。曾総裁は、ファーウェイクラウドはアジア太平洋地域で成長が最も早いクラウドサービスの提供社になったと説明した。

市場調査会社のフロスト・アンド・サリバンによると、ファーウェイクラウドはアジア太平洋地域において、市場実績、技術革新、顧客サービスで、他のすべてのプロバイダーを上回っており、香港、タイ、バングラデシュモルディブスリランカハイブリッドクラウド市場でのシェアが最も高く、シンガポールマレーシアではシェアが第2位という。

「パートナー売上高倍増計画」をさらに拡大

ファーウェイ・クラウドのアジア太平洋セールスパートナー開発部門の陸艶萍(Nicole Lu)総裁も、パートナーとのウィンウィンの達成を強調。ビジネスチャンスの追求と事業範囲の拡大を目的にパートナーが顧客と直接接触できるようにもするという。また、2023年に導入した「パートナー売上高倍増計画」の拡大も行う。対象になるのは年商数百万ドルを目指し、長期投資と急成長を考えるパートナーで、ファーウェイクラウドは15%の奨励金を支給し、全面支援して目標達成を促すという。

ファーウェイクラウドの方国偉(William Fang)首席産品官は、ファーウェイが提供する「AIからクラウドへ、クラウドからAIへ」の戦略を強調した。方首席産品官によると、同戦略はファーウェイが構築したクラウドがAIの効果的な活用を支援することに有効と説明。例えばファーウェイが構築した大規模言語モデルの「盤古(Pangu、パングー)」は強力なシナリオ能力と個別業界の状況に対応するモデルにより、AIと業界ニーズの溝を埋めているという。方首席産品官はさらに具体的な例として、「盤古」を活用した車両設計支援や、気象モデルの構築による台風の予測を挙げた。

中小企業向け「安価で高性能」の新商品を発表

ファーウェイクラウドは同サミットで、HECS Xインスタンス、HECS Lインスタンス、HCCE、HgaussDBといった中小企業向けの製品およびソリューションを発表した。特にHECSシリーズでは 100 種のカスタマイズが可能で、ユーザーは必要に応じて適切な製品とソリューションを選択できるという。ファーウェイクラウドはこれらの新商品について、ユーザーの演算コストを25%引き下げ、同等のスペックの製品と比べて性能は2倍になり、しかも低価格と説明した。(翻訳・編集/如月隼人)

ファーウェイクラウドは広東省東莞市内で開催したアジア太平洋の13の国と地域からのパートナー企業関係者500人が出席するサミットで、パートナーとのウィンウィンの構図確立を強調した。