フューチャーとメトロ・ブーミンのジョイント・アルバム『ウィー・ドント・トラスト・ユー』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 2024年3月22日にリリースされた『ウィー・ドント・トラスト・ユー』は、初週の集計期間(2024年3月22日3月28日)にアルバム・ストリーミングが245,000、アルバム・セールスが4,500、トラックによるユニットは1,500をそれぞれ記録して、累計251,000ユニットを獲得した。

 251,000ユニットは、3月23日付でアリアナ・グランデの『エターナルサンシャイン』が記録した227,000を上回る現時点での今年最大の週間ユニット数で、フューチャーにとっては2015年10月10日付で375,000を記録したドレイクとのコラボレーション・アルバム『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』に続く2番目、メトロ・ブーミンにとっては自己最高値となる。

 初週に記録したストリーミングの再生回数は3億2,431万回で、2023年11月11日付でテイラー・スウィフトの『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』が打ち出した3億7,549万回以来の最大値を記録して、現時点での今年最大の週間ストリーミング数を達成した。また、両者にとってもこれまでの記録を上回る自身最大の週間ストリーミング数を更新したことになる。

 Billboard 200での首位獲得は、フューチャーが通算9作目、メトロ・ブーミンは以下に続く4作目の快挙を達成した。

フューチャー首位獲得アルバム
『DS2』(2015年)
『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』(2015年)
『Evol』(2016年)
フューチャー』(2017年)
Hndrxx』(2017年)
『ジ・ウィザード』(2019年)
『ハイ・オフ・ライフ』(2020年)
『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』(2022年)
ウィー・ドント・トラスト・ユー』(2024年)

メトロ・ブーミン首位獲得アルバム
『ノット・オール・ヒーローズ・ウェア・ケイプス』(2018年)
Savage Mode II』(2020年)
ヒーローズヴィランズ』(2022年)
ウィー・ドント・トラスト・ユー』(2024年)

 『ウィー・ドント・トラスト・ユー』は、当初アルバムに参加したゲストのクレジットが明らかにされず、リリース数日後にトラックリストがゲストの名前とともに更新された。

 本作には、ケンドリック・ラマー、プレイボーイ・カルティ、リック・ロス、トラヴィス・スコット、ザ・ウィークエンドといった人気アーティストが参加していて、ケンドリック・ラマーがフィーチャーされた「Like That」は、初週アルバムで最もストリーミングされた曲となり大きな反響を呼んだ。

 『ウィー・ドント・トラスト・ユー』は2枚組プロジェクトの第一弾となるアルバムで、続編の『ウィー・スティル・ドント・トラスト・ユー』は4月12日にリリースが予定されている。

 続いて今週2位にはオリヴィアロドリゴの『ガッツ』が先週の18位からジャンプアップして、2023年10月7日付で2位にランクインして以来の最高位を更新した。なお、本作は2023年9月23日付で1位に初登場して、翌9月30日10月7日付で2週間2位にランクインしている。

 今週ポイントが上昇したのは、5曲を追加したデラックス・エディション『ガッツ(スピルド)』をリリースしたからで、週間ユニットは前週から155%増加の73,000に大きく数字を伸ばした。

 追加された5曲のうち「オブセスド」、「ガール・アイヴ・オルウェイズ・ビーン」、「スケアード・オブ・マイ・ギター」、「ストレンジャー」の4曲は、昨年オリジナル・アルバムをリリースした後にレコーディングされた新曲で、米国のブラック・フライデーにあわせて行われる【RECORD STORE DAY 2023】でリリースされた限定EP『ガッツ:ザ・シークレット・トラック』に収録された。もう1曲の「ソー・アメリカン」は、本作に初めて収録された新曲となる。

 『ガッツ(スピルド)』は、3月22日にデジタル・ダウンロードとストリーミングが解禁されていて、現時点ではフィジカルの購入はできないが、7月19日アナログ盤のリリースが予定されている。

 初登場から2週連続で1位を獲得したアリアナ・グランデの『エターナルサンシャイン』(72,000ユニット / 29%減少)は今週3位にダウン。モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(68,000ユニット / 3%減少)も3位から4位に順位を下げて、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(44,000ユニット / 3%減少)は5位をキープした。

 シザの『SOS』(41,000ユニット / 6%減少)は6位、テイラー・スウィフトの『ラヴァー』(40,000ユニット / 1%減少)は7位、ザックブライアンの『ザックブライアン』(39,000ユニット / 3%減少)は8位、テイラー・スウィフトの『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』(38,000ユニット / 4%減少)は9位をそれぞれキープして、10位にはアイルランド出身のシンガー・ソングライター=ホージアのEP『アンハード』がデビューした。

 『アンハード』は、初週ストリーミングが34,000(4,415万回)、セールスが3,000をそれぞれ記録して、累計38,000ユニットを獲得。Billboard 200でのTOP10入りは『ホージア』(2014年 / 2位)、『ウェイストランド、ベイビー』(2019年 / 1位)、『アンリアル・アンアース』(2023年 / 3位)に続く4作目のランクインとなる。

 本作は、昨年リリースした『アンリアル・アンアース』に収録されなかった未発表曲「トゥー・スゥイート」、「ワイルドフラワー・アンド・バーリー」、「エンパイアー・ナウ」、「フェア・ウェル」の4曲を収録したミニ・アルバムで、「トゥー・スゥイート」は3月6日にティザー動画が公開された後TikTokなどでも人気を集め、高ストリーミングを記録した。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは4月5日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ウィー・ドント・トラスト・ユー』フューチャー&メトロ・ブーミン
2位『ガッツ』オリヴィアロドリ
3位『エターナルサンシャイン』アリアナ・グランデ
4位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
5位『スティック・シーズン』ノア・カーン
6位『SOS』シザ
7位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
8位『ザックブライアンザックブライアン
9位『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』テイラー・スウィフト
10位『アンハード』ホージア

【米ビルボード・アルバム・チャート】フューチャー&メトロ・ブーミン初登場1位、オリヴィア・ロドリゴ2位に浮上