日本国内の「ムーミン」のライセンスを管理するライツ・アンド・ブランズは、小児がん経験者の子どもたちとその家族がデザインした「ムーミン」グッズを販売している。発売元は、タオル(全2SKU)、エコバッグ(全2SKU)が繊維専門商社の丸眞、マグ(全2SKU)は陶磁器食器メーカーの山加商店。売り上げの一部は、認定特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズシャイン・オン!キッズ)への寄付となる。

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●成し遂げられた時の喜びを体感してもらいたい



 「ムーミン」原作者トーベ・ヤンソンは、小説、児童文学、挿絵やコミックス、舞台美術、壁画など、精力的に創作活動を続け、ジャンルにとらわれない多くの作品を残している。ライツ・アンド・ブランズは、トーベが大切にしていた自己表現の大切さや、誰かに助けられながらも自分で成し遂げられた時の喜び、満足感を「ムーミン」を通して体感してもらいたいと考え、2022年に続き第2回として今回の企画に参画した。

 参加企業の丸眞はCSR活動を通じ、社会支援団体への売上の一部の寄付などを継続的に実施している。また、今回初参加の山加商店は、リサイクル原料を含んだ食器の製造や脱炭素化促進などの取り組みに積極的な企業。ともに子どもたちが自分らしく未来に踏み出す一歩を応援したいという思いのもとこの企画に挑んだ。

 2022年のコラボレーションではウォッシュタオル、フェイスタオルを作った。その後、「ポケットに入るサイズのものがいい」や「学校に持って行きやすいものを」という子どもたちの声があり、今回はタオルハンカチ、エコバッグと気軽なアイテムを企画。さらに、家で楽しめるマグのデザインにも挑戦することになった。

 子どもたちの参加者は、シャイン・オン!キッズが運営する病気とたたかう子どもと、その家族のコミュニティ「シャイン・オン!メンバー」から10人。「ムーミン」についての情報や、タオルやマグができるまでの過程などを事前勉強会で学び、その後自分たちのイメージするデザインを用紙に表現した。丸眞と山加商店両社のデザイナーらから、アドバイスを受けながら、子どもたちはキャラクターの配置やアクセントの木々や月などの色選びなど、想像力を膨らませながら一生懸命に取り組んだ。

 3月15日には、企画に参加した子どもたちとその家族に向けて、丸眞の東京支社でお披露目会を実施した。参加した子どもたちからは、「貴重な体験ができてうれしかった」、「(作業の)パソコンで見てたものよりかわいい。学校に持っていける」、「想像以上の出来。楽しかった」などの声があがっていた。

 価格は、「タオルハンカチ」が各770円、「エコバッグ」が各1980円、「マグ」が各1650円。
小児がん経験者の子どもたちがデザインした「ムーミン」グッズ販売中