クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』の特別映像が公開された。

第96回アカデミー賞で「作品賞」「監督賞」を含む最多7部門受賞となった『オッペンハイマー』は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者J・ロバートオッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話に基づいて描く作品。3月29日(金) より全国343403スクリーンで公開されると、初日3日間で約23万人を動員し、興行収入は約3.8億円を達成。ノーラン監督作品史上最高の数字を記録している。

公開された映像は、国家的プロジェクト「マンハッタン計画」を率いたオッペンハイマーが「人々は恐れない、理解するまでは。世界は理解しない、それを使うまでは」と、独白する場面で幕を開ける。ノーラン監督は「オッペンハイマーの物語は壮大だ。本作を見た人々がそれを追体験し、より感情移入できるようIMAXで撮影した」とコメントし、天才物理学者の頭脳と心への没入へと誘う。

撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマは、「IMAXは雄大な景色を撮るのに適した規格だが、アップショットにも使ってみたかった。人の顔は風景のように入り組んでいて奥深い。どうしたらIMAXカメラで人物のアップを撮れるか考えた」と語り、オッペンハイマーの複雑な心中を表現するキリアンマーフィーの撮影シーンが紹介される。

本作では主人公オッペンハイマーの主観パートをカラーで撮影、ロバートダウニー・Jr.が演じるルイス・ストローズを軸とした場面はモノクロで描かれている。製作総指揮のトーマス・ヘイスリップは、ふたつの視点で描く試みについて「クリスクリストファー)は毎回限界に挑んでいる。この作品の鍵はカラーとモノクロの併用だ」とし、「マンハッタン計画」の最高責任者レズリー・グローヴス役のマット・デイモンが、常に完璧を求める「クリスは普通じゃ満足できない。IMAX長編映画の先駆者であり、常に最先端を行く人だ」と、監督は映画界を牽引するイノベーターだと指摘した。

またダウニー・Jr.は「47年型のパッカードの後部座席に座ってIMAX(カメラ)をひざにのせ走行シーンを撮った。映画撮影の原点を思い出したよ。レンズが迫ってくると身が引き締まるんだ」と、狭い車内での撮影は俳優の原点に立ち返る体験だったと述懐している。

さらに、製作のエマ・トーマスは「IMAX映画は初めてじゃない。でもこの作品は別格よ。大画面で見ると迫力と臨場感がすごい」と断言。オッペンハイマーのかつての恋人ジーン・タトロックを演じたフローレンス・ピューは、「人間味を感じられるし物語に引き込まれる」、妻キティ役のエミリー・ブラントが「神話のように重厚、劇場で見たら記憶に残る体験になる」と続き、主演のキリアンマーフィーが「劇場で見る観客の没入感を最大限に高めるためにIMAXで撮影している」と語りかける。

「巨大スクリーンで見るとクオリティの高さがさらに際立つ」という撮影監督の言葉に続き、ノーラン監督の「15パーフォレーションの70ミリフィルムは最高画質だ。観客は物語に入り込める。巨大IMAXスクリーンで歴史的瞬間を体感してほしい」というメッセージで映像は締めくくられる。

また本作の公開を記念したトークイベントが、東京・丸ノ内ピカデリー4月6日(土) 13時の回上映後に実施されることが決定。ゲストとして、「ノーランの緻密な映画力学に圧倒される」と語る『日本のいちばん長い日』(2015)の原田眞人監督、「間違いなくノーランの最高傑作だ」とコメントを寄せている『福田村事件』(2023)の森達也監督が登壇する。

オッペンハイマー』特別映像

<作品情報>
オッペンハイマー

公開中

公式サイト:
https://www.oppenheimermovie.jp/

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