ウィズダイバーシティ有限責任事業組合(以下「ウィズダイバーシティ」)は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースはウィズダイバーシティの夢です。


私達ウィズダイバーシティは、「全ての障害者がプロフェッショナルである社会」を実現するため、組合に参加いただける中小企業をこれまで以上に増やし、2033年までに、組合参加企業120社、参加企業の従業員合計数24,000人を実現します。


ウィズダイバーシティが目指すソーシャルインパクト指数。2033年までに、組合参加企業120社、参加企業の従業員合計数24,000人を目指しています。

障害者雇用を取り巻く課題:雇用障害者数・実雇用率ともに過去最高を更新も、「雇用の質」に課題

従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を法定雇用率以上にする必要があります(障害者雇用促進法43条第1項)。


画像出典:厚生労働省令和5年 障害者雇用状況の集計結果」を元にウィズダイバーシティが作成

民間企業の場合の法定雇用率は、2024年4月から2.5%(40人に1人以上)へ、2026年7月から2.7%以上(37.5人に1人以上)へ引き上げが決まっています。


雇用障害者数と実雇用率は伸びていますが、今課題となっているのは、「中小企業での障害者雇用率が低いこと」と、「雇用の質」です。

企業側の状況:進まない中小企業での雇用~東京都の100人未満企業における実雇用率は0.89%

厚生労働省東京労働局がまとめた調査では、民間企業の都全体での実雇用率は2.21%で、法定雇用率を満たしていません。さらに事業規模別の内訳をみると、規模が1,000人以上の企業の実雇用率は2.51%ですが、規模が小さい企業ほど実雇用率は下がり、43.5~100人未満の企業においては、0.89%という結果がでています。


参考:厚生労働省東京労働局「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001670210.pdf

規模が小さい企業ほど実雇用数が下がる理由の一つとして、中小企業は限られた人員で様々な業務に対応していることから、障害者雇用のための業務切り出しや、雇用の環境整備を行うことが難しいことが挙げられます

雇用の質~職域が限定、自分の強みや興味関心・障害に応じた仕事を選ぶことができない

障害者雇用におけるもう一つの課題は、「雇用の質」です。

障害者雇用ではデータ入力や清掃など単純作業が多く、希望する職種の募集がないだけでなく、仕事内容がその方の強みや希望・関心に合わないことを理由とした離職が多いという課題があります。

特に、中小企業1社だけでは障害者に依頼する仕事の幅に限界があり、雇用を希望する障害者とマッチしない場合も多いです。


ウィズダイバーシティとは~異業種の中小企業でスクラムを組み、障害者を共同雇用する「新しい仕組み」

ウィズダイバーシティは、障害者雇用を増やしていきたい中小企業と、障害者雇用のノウハウを持った障害福祉団体が、企業の垣根をこえて参加する有限責任事業組合(LLP)です。

ウィズダイバーシティは国家戦略特区東京都)の枠組みを活用し、有限責任事業組合(LLP)として算定特例の認定を受けた日本で最初の団体です。現在ウィズダイバーシティには11の企業が参加し、法定雇用率の2倍以上の障害者雇用率を実現しています。

ウィズダイバーシティをつくった理由~仕事の幅を増やし、誰もがプロフェッショナルになれる社会をつくりたい

ウィズダイバーシティ発起人の福寿満希は、特別支援学校の実習で障害者雇用の課題に直面したことをきっかけに、「もっと働きたいという夢をもつ障害のある子どもたちの受け入れ先になる会社をつくりたい」という思いから、花屋「ローランズ」を23歳のときに立ち上げました。

ウィズダイバーシティ発起人の福寿満希が、ローランズを立ち上げた経緯についてはこちらの取材記事もご覧ください。

「かわいそうという見せ方はしたくない」原宿一等地の花屋兼カフェは、なぜ障がい者雇用を続けるのか【ローランズ・福寿満希】

https://www.businessinsider.jp/post-283923


2024年の年始始に行われたローランズ社内会議の様子。福寿(写真右端)がたった一人で立ち上げたローランズは、約80名もの組織に成長。従業員のうち55名が障害と向き合いながら働いている。

ローランズを拠点として活動を広めるなかで、中小企業から「障害者雇用を進めたいけれど、環境整備などハードルが高く難しい」という声を多く聞きました。さらに、障害者雇用の中心となっている個々の福祉事業所では営業にリソースを割けないことが多く、生み出せる雇用にも限界がありました。

そこで、東京都の戦略特区制度を利用し、異業種の複数の中小企業が障害者を共同雇用する仕組みとして2019年に全国で初めて立ち上げたのが、ウィズダイバーシティです。

解決の方法1.障害者雇用を諦める企業をつくらない~業務を発注することで雇用算定できる仕組み

共同雇用の仕組み~複数の事業主で障害者の実雇用率を通算

障害者雇用は、それぞれの企業が雇用の機会を確保することが原則です。しかし、障害者の働く環境整備が難しく、提供できる職域の幅が少ない中小企業にとって、障害者雇用はハードルが高いものになっています。

そこで、一定の要件を満たす場合に、複数の事業主で障害者の実雇用率を通算できる制度があります。これを「算定特例制度」といい、ウィズダイバーシティは「事業協同組合等算定特例(特例事業主特例)」という制度をつかった仕組みです。


ウィズダイバーシティに参加している企業は一定額以上の業務を発注する。参加企業は発注内容に応じた成果物(商品・サービス)を受けとることができるほか、法定雇用率を満たすことができる。(※図内の組合参加企業は2024年4月現在)

ウィズダイバーシティに参加している企業が一定額以上の業務を発注することで、障害者の雇用が生まれます。組合参加企業は発注内容に応じた成果物(商品・サービス)を受け取ることができるほか、組合に参加していることで法定雇用率を満たすことができます。

一方、障害のあるスタッフの雇用管理や育成は、参加企業内の自社雇用を除くと、障害者雇用のノウハウを持つ組合内の企業(現在は一般社団法人ローランズプラス及び株式会社ありがとうファームの2社)で行っています。

今後ウィズダイバーシティでは、組合に参加いただける中小企業をこれまで以上に増やし、障害者雇用を諦める企業をなくすことを実現します

事例~植栽管理を発注、法定雇用率以上の雇用とスタッフのスキル向上を実現

ウィズダイバーシティに参加している寺田倉庫株式会社からは、主に天王洲エリアの植栽管理業務が発注され、障害のあるスタッフが日々美観管理に携わっています。

寺田倉庫では2名分の障害者雇用が必要でしたが、植栽管理を担当しているスタッフの熱意と努力によって業務品質を評価いただき、法定雇用率以上の4名分の雇用が生まれています。


写真最前列右:寺田倉庫株式会社(2020年ウィズダイバーシティプロジェクト参加)執行役員 人事担当 木村 哲章氏
参加企業の声 寺田倉庫株式会社

当社オフィスやその周辺エリアの植栽管理や、各種イベントの祝い花の発注などを行っています。お仕事をされているスタッフの皆さんの姿をよく見かけるのですが、植栽のチェックを丁寧にしてくださっている姿を見ると嬉しい気持ちになりますね。

ウィズダイバーシティプロジェクトに参加してからは、様々なメンバーが支え合いながら、当事者が主役として達成感や仲間の存在を感じながら活躍できる環境をつくれているのが、とても大きな魅力だと感じています。

解決の方法2.働くことを諦める障害者をつくらない~約80の多様な仕事が集まることで、強みや希望に即した仕事を提供

ウィズダイバーシティでは異業種の複数企業がスクラムを組んで業務を発注することにより、障害者が働く職域を広げることを実現しています。

障害があるスタッフが従事する業務は、花束/祝花の製作・植栽管理・グリーン装飾・事務業務・お弁当のケータリング・アート制作・ギフト制作など、現在約80種類のラインナップがあります。


ウィズダイバーシティでの現在の仕事ラインナップ。約80を超える業務を展開している。

仕事に従事する障害者の立場では、幅広い仕事のラインナップを組合全体で用意できることで、障害の内容・程度やその人の適性に応じた仕事に従事できることになります。様々なスタッフとかかわり合いながら仕事のスキルアップを図ることで、仕事へのやりがい、達成感を感じるとともに、経済的自立を実現できる場となっています。

また、現在ウィズダイバーシティにない仕事についても、組合参加企業と一緒に新しく作っていくことが可能です。新たな仕事をつくることで、障害者が従事できる職域が広がり、結果、多様なキャリア形成の実現とそれぞれが活躍する機会が増えます

したがって、「すべての障害者がプロフェッショナルである社会の実現」につながると、ウィズダイバーシティは信じています。


株式会社ありがとうファームのアーティスト、「かなっぺ」。みずみずしい感性で絵を生み出し、繊細さ/大胆さの両面を持ち様々な画材で閃きに満ちた表現をします。

ローランズ原宿店のフラワー事業を統括する高橋 麻美(たかはし まみ)※写真右。生まれつき骨が伸びない難病と向き合いながらフラワー事業のスタッフをまとめています。

お弁当ケータリングの例。社食やイベントのお弁当に利用されています。配達もスタッフが行っています。

スタッフの声

ローランズ原宿店
店長補佐 達可 琴美(たつか ことみ)

カフェの店員として接客、スムージー作り、調理補助などを行うほか、店長補佐として食材や容器の発注管理、スタッフへの業務振り分けを行っています。

私には網膜色素変性症という視覚障害があります。見えているものにピントがあわずぼやけて見えますが、テーブルの場所やメニューの種類など、全て記憶することで対応しています。

ローランズには一生懸命仕事に打ち込むスタッフがたくさんいて、お互いに「もっと成長しよう」と刺激を与え合っています。私もしっかり働く姿を後輩たちに見せたいと思いながら働いています


ローランズ原宿店 店長補佐 達可 琴美(たつか ことみ)※写真左

ウィズダイバーシティ発起人・福寿 満希コメント


ウィズダイバーシティ発起人・福寿 満希

2024年4月から障害者の法定雇用率が改定されます。働く障害者の数は増えているものの、今後はその「雇用の質」を高めることが欠かせません。

ウィズダイバーシティで考える「雇用の質」とは、「誰もがプロフェッショナルになれる社会」の実現です。「プロフェッショナルである社会」とはどのような状態を示すのでしょうか。誰もが自分の強みややりたいことを生かし、社会へ価値提供ができる社会であると、ウィズダイバーシティでは考えています。

「誰かの役にたっている」「ありがとうといってもらえた」という経験を積むことで人は成長します。人が成長することで、社会全体の経済活性化にもつながります。

ウィズダイバーシティでは、夢である2033年までに組合の参加企業120社・参加企業の従業員合計数24,000人」を実現するために、これからさらに組合に参加いただける中小企業のみなさまを増やしたいと考えております。

これからのウィズダイバーシティに、どうぞご期待ください。


「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PRTIMESによるプロジェクトです。私たちは、この夢の実現を本気で目指しています。

ウィズダイバーシティ有限責任事業組合について


ウィズダイバーシティ有限責任事業組合(LLP) は、障害者雇用を増やしていきたい気持ちを持った中小企業と障害福祉団体が、企業の垣根をこえて参加する有限責任事業組合(LLP)です。

ビジョン「全ての障害者がプロフェッショナルである社会を目指す」、ミッション「集まる力で小さな『できる』を大きな『役割』に変える」を掲げ、障害者の多くの雇用作りに挑戦していきます。

名称  :ウィズダイバーシティ有限責任事業組合(LLP)

所在地 :東京都渋谷区千駄ヶ谷3-54-15 ベルズ原宿ビル3F 

設立  :2019年4月

出資者 :株式会社ローランズ

     一般社団法人ローランズプラス(特定事業主)

     社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所(特定事業主) 

     株式会社きくや美粧堂(特定事業主) 

     株式会社東京ディエスジャパン(特定事業主)

     寺田倉庫株式会社(特定事業主)

     株式会社エーシークエイト(特定事業主)

     株式会社SABON Japan(特定事業主)  

     株式会社ありがとうファーム(特定事業主) 

     株式会社ディエスジャパン(特定事業主)  

     株式会社人形町今半(特定事業主)   

     株式会社人形町今半フーズプラント(特定事業主)

HP   :https://with-d.com/

配信元企業:ウィズダイバーシティ有限責任事業組合

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