連休明け2日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比390.11ポイント(2.36%)高の16931.53ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が152.01ポイント(2.62%)高の5962.80ポイントと続伸した。売買代金は8901160万香港ドルに拡大している(3月28日の前場は605億320万香港ドル)。
 中国の景況感改善が好感される流れ。国家統計局などが3月31日に発表した3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.8に達し、景況判断の境目となる50を6カ月ぶりに回復している。ほか、民間が1日に公表した同月の財新製造業PMIも予想を上回った。また、先週でほぼ一巡した香港上場企業の決算報告で、一部のセクターを除き、増益や配当増額などが目立ったことも買い安心感につながっている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国スマートフォン大手の小米集団1810/HK)が12.0%高、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が9.3%高、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が7.9%高と上げが目立った。小米に関しては、新規事業の電気自動車(EV)に対する期待感が高まっている。同社は3月29日、この日発売したEVのファーストモデル「SU7」について、販売開始から24時間で注文数が8万8900台に達したと報告した。そのほか、決算発表を手がかりに域内大手行の中銀香港(2388/HK)が7.2%高。純利益が前年比で26%増加し、配当も増額を予定した。
 セクター別では、石油関連が高い。大手3社の中国石油天然気(857/HK)が6.3%、中国石油化工(386/HK)が4.5%、中国海洋石油(883/HK)が4.4%、原油掘削の中海油田服務(2883/HK)が7.7%ずつ上昇した。
 カジノ関連も物色される。永利澳門(1128/HK)が6.0%高、新濠国際発展(200/HK)が5.9%高、金沙中国(1928/HK)が4.8%高、銀河娯楽集団(27/HK)が4.2%高で引けた。業績の改善期待が強まっている。マカオ政府は1日、今年3月の域内カジノ売上高が前年同月比53.1%増の195億300万パタカに伸びたと報告した。15カ月連続でプラス成長を維持している。
 他の個別株動向では、自動車メーカー中堅の華晨中国汽車HD(1114/HK)が30.6%高。通期業績の内容などが材料視される。同社の決算は、売上高が前年から減少したものの、粗利益率の改善で黒字を確保した。
 半面、中国不動産セクターは安い。万科企業(2202/HK)が11.4%、雅居楽集団HD(3383/HK)が7.9%、合景泰富地産(1813/HK)が6.8%、中国奥園集団(3883/HK)が4.4%ずつ下落した。雅居楽集団の通期決算は赤字が継続し、万科企業が大幅減益となるなど業界全体に業績不安が続いている。
 一方、本土マーケットは小幅ながら4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.03%高の3078.33ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が高い。素材株、公益株、銀行株、海運株なども買われた。半面、ハイテク株は安い。医薬株、消費関連株、不動産株、軍事関連株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)