新庄監督も田宮の伸びしろを期待している(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 日本ハム3月31日に行われたロッテ戦(ZOZOマリン)に3-2で勝利し、このカード勝ち越しを決めた。

 2年連続最下位から巻き返しを図るチームは、大事な開幕カードを勝ち越しで飾り、開幕前からスタートダッシュの大事さを口にしていた新庄剛志監督にとっても、良いスタートを切れた。

【動画】開幕戦で先制適時打と結果を残した日本ハム・田宮の打撃シーン

 そして開幕前から注目を集めていた、正捕手問題。この3連戦、3試合いずれもスタメンマスクを被ったのが、田宮裕涼だった。今季がプロ6年目”ゆあビーム”といわれる強肩も武器、一方、課題は打撃とされていた。

 昨年はシーズン終盤まで1軍から声がかからず、苦しいシーズンともなった。ただ、9月下旬に1軍に昇格するとプロ5年目にして9月25日の楽天戦で田中将大からプロ初アーチを記録、10試合に出場し、打率・258、2本塁打、9打点と追い上げを見せた。課題の打撃に光が見えてきたとあって、今春のキャンプでも目標を持って取り組み、オープン戦でも結果を残した。

 正捕手争いをめぐっては、限られた椅子をめぐってし烈な争いが繰り広げられた。昨年最も多く先発マスクをかぶった伏見寅威、またドラフト2位ルーキーの進藤勇也も非凡な打撃センスなども評価され、オープン戦では先発マスクを任される試合もあるなど、最後の最後まで争いを繰り広げた。

 その中で大事な開幕先発マスクを指揮官が託したのは田宮となった。期待に応えるべく、攻守にわたって奮闘。開幕戦では先発の伊藤大海を好リードし、打撃でも打つ方では先制タイムリーを含む2打数2安打1打点とチームをアシスト。女房役にふさわしい活躍をみせ、チーム5年ぶりの開幕戦勝利に大きく貢献した。

 勢いは止まらない。31日の試合でも1点ビハインドで迎えた9回、土壇場の場面で同点タイムリーをマーク、その後のチームの逆転勝利につなげた。ここまで開幕3試合ながら8打数4安打の打率5割と「打てる捕手」として存在感を示している。

 今季の日本ハムは球界屈指の投手陣ともいわれる中、いかにチームを乗せていくか、バッテリーを組む捕手も責任重大となる。田宮自身、打って走れて守れる、走攻守においての貢献を誓っている。

 シーズンは始まったばかりだが、6年目捕手の挑戦に今後も注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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