30日に行われたラ・リーガ第30節ヘタフェ戦では、開始早々のコーナーキックから挙げた先制点を最後まで守り切ったセビージャ。本来の目標とはかけ離れた残留を争うなかで、3試合ぶりの白星となった同クラブは今、“勝利への方程式”を見つけたようだ。1日、スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』が報じている。

 前節に同じく残留を争うセルタに逆転負けを喫し、16位に転落した状況でインターナショナルブレイクを挟んだセビージャは今節、敵地でヘタフェと対戦。試合は、DFマルコス・アクーニャのコーナーキックから、当日が38歳の誕生日だったDFセルヒオ・ラモスの“バースデーゴール”で1-0の勝利を収めたわけだが、実は同試合、セビージャは再三セットプレーからチャンスを作っていた。前半終了間際には、オフサイド判定によりゴール取り消しになったものの、今度はフリーキックからアクーニャとセルヒオ・ラモスホットラインが炸裂した他、コーナーキックからセルヒオ・ラモスとFWイサーク・ロメロのシュートが立て続けに相手ゴールを脅かすシーンもあった。

 セットプレーから得点の匂いを漂わせているセビージャだが、それはデータ上でも証明されているとのこと。『ムンド・デポルティーボ』によると、3つのコンペティションでセットプレーから計20得点を挙げており、ラ・リーガの20クラブで最も多い数字という。もちろん公式戦の試合数、欧州大会に出場しているかの有無により前提条件が異なるが、「それは、キケ・サンチェス・フローレス監督が率いるチームにおいて、残留争いに必要な多くの勝ち点を与えている」と綴っている。

 コーナーキックから12点、フリーキックから3点、PKから3点、さらにスローインから2点が生まれているセビージャ。なかでも『ムンド・デポルティーボ』は、セルヒオ・ラモスの名前が際立っていると指摘する。昨夏に、亡き友と亡き友が愛したクラブに対する贖罪として18年ぶりの古巣復帰を果たした同選手は、ここまでの公式戦で決めた7得点のうち、6得点がセットプレーからによるものだ。また、FWユセフ・エン・ネシリとFWルーカスオカンポス、セルヒオ・ラモスのいわゆる“フィニッシャー屋”の対となる、MFイヴァン・ラキティッチ(今冬にクラブ退団)やMFスソ、アクーニャのような“アシスト屋”の貢献も大きいと強調している。

 今節は勝利したセビージャだが、降格圏の18位カディスも勝ち点3を上積みしたため、その差は変わっていない。ラ・リーガは残り8試合、セビージャは7ポイントの中に6クラブがひしめく残留争いを勝ち抜く“方程式”をうまく生かすことができるのだろうか。

セットプレーで無類の強さを誇るセビージャ [写真]=Getty Images