株式会社アミノアップ北海道札幌市、代表取締役会長 小砂憲一、代表取締役社長 北舘健太郎)は、2021年4月に北海道大学北海道厚生農業協同組合連合会(JA北海道厚生連)とともに北海道大学大学院医学研究院に設置した寄附講座「泌尿器科総合地域医療システム学講座」が2024年3月に終了したことをお知らせいたします。地域医療の向上と若手医師の育成を目指してすすめてきたこの寄附講座は、大学病院から地域病院の修練中若手医師に対してロボット手術等の遠隔指導が行われ、その成果として16名が専門医を取得しました。さらに6名が日本泌尿器科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医となり、3名がロボット支援手術プロクター*の資格を得ました。また、本寄附講座にかかわる成果物として論文が27報発表され、学会発表が国内外にて17回行われました。

*プロクターとは
ロボット支援手術による十分な経験と実績を持ち、安全に指導できると認定された指導医のこと。


寄附講座の詳細

<大学と講座の名称>
北海道大学大学院医学研究院 泌尿器科総合地域医療システム学講座
<開設期間>
2021年4月から2024年3月
<開設目的>
地域医療において良質な医療を維持するための教育システムを構築し、若手医師の人材育成を目指す。
<研修内容>
北海道大学病院、帯広厚生病院、市立釧路総合病院の3施設をクラウドサービスで繋ぎ、手術の映像や音声を術者・遠隔の指導者間で共有。遠隔でロボット手術、腹腔鏡手術、開腹手術等の指導を実施する。
<研究成果>
・16名が泌尿器科専門医の資格取得

・6名が日本泌尿器科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医を取得
・3名がロボット支援手術プロクターの資格取得
・論文発表27報

・学会発表17回



寄附講座開設の背景

2024年4月から、医師の働き方改革の新制度が施行されます※1。これまで日本国内の医療は、医師の長時間労働に支えられてきました。今後、医療ニーズの変化や医療の高度化、少子化に伴う医療の担い手の減少が進む中で、医師個人に対する負担がさらに増加することが予想されます。医師の長時間労働を生む構造的な問題への取り組みとして求められる対策の一つが、地域医療提供体制の改革です※2。北海道は、道全体で見ると人口10万人当たりの医師数は243.1人で、一見すると全国平均の246.7人に近い水準であるように感じられます。しかし、広大な北海道を地域別に見てみると、実際の医師数は上川中部(旭川など)と札幌圏の2圏域に集中しており、その他すべての地域では医師数が全国平均を下回っています。特に、渡島、桧山、宗谷、日高、根室といった沿岸の圏域では、医師数が全国平均の50%未満になっています※3。このような医師偏在という問題に直面する北海道において、北海道大学は、地域医療を維持するための教育システム構築と若手医師の人材育成を目指し、今回の講座を立ち上げました。北海道大学の思いと、地域や医療の課題の解決に貢献したいというJA北海道厚生連、アミノアップの考えが合致して寄附講座の設立に至りました。


参考URL
※1厚生労働省 医師の働き方改革

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/ishi-hatarakikata_34355.html
※2厚生労働省 医師の働き方改革概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001129457.pdf
※3北海道 北海道医師確保計画(R2年度~R5年度)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/cis/ishikakuho/ishikakuhokeikaku.html

今後の展望

デジタル技術を活用した地域医療連携システムは、北海道大学病院と各地域の医療拠点や、かかりつけ医となる一般医師を連携させる地域医療連携ネットワークの構築を可能にします。4G回線を使った今回の遠隔手術指導では、映像遅延は約0.4秒で、遠隔手術指導の実装に十分な手応えが見られました。2024年からは実際の手術症例を対象に、5G回線を利用した遠隔手術指導も開始される予定です。さらに、これらのシステムを通じて外科教育に関する研究テーマも拡充される予定です。手術動画を共有プラットフォームを用いて可視化や共有する取り組みは、地域医療の喫緊の課題である医療の質の向上と若手医師の人材育成に大きく寄与することが期待されます。


篠原信雄 教授

研究者代表である北海道大学大学院医学研究院 泌尿器科 篠原信雄教授は、「ご寄附に基づく本講座において、その寄附金を活用して若手医師の育成や遠隔手術の実験等を実施できました。今後、これらの研究成果がさらに発展して、北海道の泌尿器科医療の進歩につながるものと信じております。ありがとうございます。」と、今後の発展にも手応えを感じています。


株式会社アミノアップ

株式会社アミノアップは、1984年設立以来、北海道に拠点を置きグローバル展開する機能性食品・農業資材開発メーカー。独自開発した機能性食品「AHCC(R)」(担子菌培養抽出物)をはじめとする食品素材や、バイオスティミュラント「Dr. アミノアップ」などのアグリ事業を展開し、特許取得と論文発表に重きを置く。社内では医学・薬学・農学・理学・獣医学など幅広い分野を専門とする研究チームが新製品の開発や科学的根拠の検証を続けていると同時に、世界100以上の医療機関や大学などとの共同研究を行なっている。さらに研究の促進、研究機関同士の連携などを目的として、統合医療機能性食品国際学会(ICNIM)を後援するなど、自社独自のグローバルネットワークの構築・交流にも精力的に取り組んでいる。環境対策にも力を入れており、自社製品の製造1トン当たりのCO2排出量を10年前と比較して40%削減した。


株式会社アミノアップ

商 号 :株式会社アミノアップ
所在地 :北海道札幌市清田区真栄363番地32
代表者 :代表取締役会長 小砂 憲一

     代表取締役社長 北舘 健太郎
資本金 :3億6900万円
事業内容:機能性食品・サプリメント原料および植物活力資材の自社開発・製造・販売

配信元企業:株式会社アミノアップ

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