ヤクルトの西川は開幕から好調をキープ。勝負強さも光る(C)Tsutomu BEPPU

 開幕から勝負強さが際立っている。ヤクルト西川遥輝だ。開幕から4試合で打率.357、5打点と打撃好調だ。かつて盗塁王4度を獲得した足の速さも生かし、3月31日の中日戦(神宮)では2本の内野安打もマークしている。

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 4月2日の広島戦(マツダ)も「2番・右翼」で先発出場し、3回一死一・二塁から中堅へ弾き返す安打を放った。二塁走者の北村拓己が本塁でタッチアウトになったため、打点はつかなかったが、ここでもチャンスで強いところを見せつけた。

 1点をリードされた8回一死二・三塁の場面では、左翼へ犠飛を放って5打点目を挙げた。これで打点はリーグトップタイに躍り出た。

 西川はこれまでのキャリアの中で2度の自由契約を味わっている。日本ハムと楽天を戦力外となり、セ・リーグへの移籍は今回が初めてとなる。昨季は楽天でわずか35試合の出場に終わり、打率.181と低迷した。

 西川は「たくさん塁に出て、打点を稼ぐ選手がいっぱいいますので、得点力を上げられるようにやっていきたい」と話しており、新天地のヤクルトでもう一花咲かせることを誓っている。

 そんな西川に、ネット上ではファンから「なんで2回も自由契約になったんですか?」「スワローズ来てくれてありがとうございます」などの声が上がり、人気も上昇中だ。

 西川は29日の開幕初戦で1安打3打点、9回には好守備も見せてチームの勝利に貢献した。この日、自身と同学年の山田哲人アクシデントで途中交代し、お立ち台では「みんなが(山田)哲人のためにという声が出ていた」と明かし、スタンドのファンを沸かせた。

 西川の熱狂的なファンはこれまで「ハルキスト」と呼ばれてきた。ヤクルトに新風を吹き込んだ31歳に酔いしれる「ハルキスト」が、再び増殖する予感が漂う。

 チームはケガ人を抱えながら、開幕から好調なスタートを切ったといえる。これも「2番・西川」の活躍があってこそだ。

[文:別府勉]

【ヤクルト】西川遥輝の勝負強さが際立つ…「ハルキスト」が再び増殖の予感