北朝鮮金正恩総書記(国務委員長)が2日、新型ミサイル「火星砲-16ナ」型の発射実験を現地指導した。朝鮮中央通信が伝えた。

朝鮮労働党中央委員会の金正植(キム・ジョンシク)副部長が同行し、現地で、ミサイル総局長の張昌河(チャンチャンハ)大将と国防科学研究部門の指導幹部らが出迎えた。

同通信によると、今回の新型ミサイルの試射は「全般的な設計技術的特性を実証し、兵器システムの信頼性を検証するところに目的を置いた」という。また、「安全を考慮して射程を1000キロ限度内に限らせ、第2階段エンジンの始動遅延と能動区間での急激な軌道変更飛行方式で速度と高度を強制制限して極超音速滑空飛行戦闘部の滑空跳躍型飛行軌道特性と側面機動能力を実証する方法で行われた」とのことだ。

金正恩氏は発射場で、「極超音速滑空飛行戦闘部を装着した新型の中・長距離固体弾道ミサイル『火星砲―16ナ』型」を確認し、指揮監視所で発射命令を下した。

ミサイルから分離した極超音速滑空飛行戦闘部は、「1次頂点高度101.1キロ、2次頂点高度72.3キロを経て飛行し、射程1000キロ界線の朝鮮東海上の水域に正確に着弾した。試射は、周辺国家の安全にいかなる否定的影響も及ぼさなかった」という。

金正恩氏は実験成功に満足し、「わが国防科学技術力の絶対的優勢を誇示するもう一つの威力ある戦略攻撃兵器が生れた、これでわれわれは異なる射程の全ての戦術、作戦、戦略級のミサイルの固体燃料化、弾頭操縦化、核兵器化を完全無欠に実現することによって、全地球圏内の任意の敵の対象物に対しても『迅速に、正確に、強力に』という党中央のミサイル戦力建設の3大原則を立派に貫徹することになった」と述べた。

また、「わが共和国武力の核戦争抑止力向上において大きな変化をもたらす特大出来事になる。これはほぼ10年間にわたるわれわれの困難に満ちた国防科学研究闘争の貴い結実であり、わが党の自衛的国防建設路線の正当性の誇示であり、われわれの力と知恵、奮闘によって獲得した誉れ高い勝利である」と強調した。

金正恩氏は、「わが国家の安全を時々刻々威嚇している敵の反朝鮮軍事的対決行為について重大に指摘し、敵を抑止し、統制、管理できる圧倒的な力を養うのは現時期、わが国家に提起される最も差し迫った課題である、国防科学研究部門では最強の国家防衛力を絶えず向上させるべき歴史的義務をもっと忠実に果たして成功からさらなる成功を引き続き力強くもたらすべきである」と述べた。

そのうえで、「わが党は自衛的国防力を中断することなく、加速的に、より徹底的に備蓄することによって、国家の平安と繁栄と未来をしっかり守り抜くであろう」と主張した。

同通信の報道全文は次のとおり。


朝鮮ミサイル総局が新型中・長距離極超音速ミサイルの試射に成功

【平壌4月3日発朝鮮中央通信】最強の国家防衛力を全面的に打ち固めるための朝鮮労働党の構想と決心を透徹した信念と正確な実践で支えている国防科学者たちの献身的な闘いによって、朝鮮式の強力かつ威力ある絶対兵器が多発的に、連発的に誕生している主体的国防工業発展の最盛期に、もう一つの軍事戦略的価値を持つ新型中・長距離極超音速ミサイルの試射が成功裏に行われた。

朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が4月2日、新しく開発した極超音速滑空飛行戦闘部を装着した新型の中・長距離固体弾道ミサイル「火星砲―16ナ」型の初の試射を現地指導した。

朝鮮労働党中央委員会の金正植副部長が、同行した。

現地で、ミサイル総局長の張昌河大将と国防科学研究部門の指導幹部が、金正恩総書記を迎えた。

試射は、新型中・長距離極超音速ミサイルの全般的な設計技術的特性を実証し、兵器システムの信頼性を検証するところに目的を置いた。

新しいこの兵器システムの初の試射は、安全を考慮して射程を1000キロ限度内に限らせ、第2階段エンジンの始動遅延と能動区間での急激な軌道変更飛行方式で速度と高度を強制制限して極超音速滑空飛行戦闘部の滑空跳躍型飛行軌道特性と側面機動能力を実証する方法で行われた。

祖国と人民の運命に対する崇高な責任感を抱いて絶対不変の意志と尽きない精力で先端兵器開発完成の無数の草分けの道を自ら切り開き、その絶え間ない飛躍的発展のための火線で限りない献身と労苦を費やしている金正恩総書記を再び試射場にいただいてわが国家の自衛権をしっかり守る威力ある先端兵器を見せることになった国防科学戦士たちの胸は、偉大な軍事強国の科学者となった限りない自負と非常に高い信念と戦闘的熱狂によって激しく沸き返っていた。

敬愛する金正恩総書記は、発射陣地へ出向いて極超音速滑空飛行戦闘部を装着した新型の中・長距離固体弾道ミサイル「火星砲―16ナ」型を見て回り、兵器システムを具体的に確認した。

続けて、金正恩総書記は指揮監視所に上がって新型中・長距離極超音速ミサイル試射の計画についての報告を受け、発射を行うことに関する命令を下達した。

ミサイル総局長の張昌河大将が、試射を指揮した。

発射号令が下されると、雷鳴のような爆音が天地を揺るがし、激しく噴き出された火柱が地面を熱しながら、わが共和国の軍事力を力強く誇示する先端ミサイルが発射された。

平壌市郊外のある軍部隊の訓練場で東北方向へ発射されたミサイルから分離した極超音速滑空飛行戦闘部は、想定された飛行軌道に沿って1次頂点高度101.1キロ、2次頂点高度72.3キロを経て飛行し、射程1000キロ界線の朝鮮東海上の水域に正確に着弾した。

試射は、周辺国家の安全にいかなる否定的影響も及ぼさなかった。

試射を通じて、新しく開発した極超音速滑空飛行戦闘部の敏活で優れた機動特性がはっきり実証され、新型中・長距離極超音速ミサイルの重大な軍事戦略的価値が極悪な試験環境での検証を経て、とても有意義に評価された。

敬愛する金正恩総書記は、試射の結果に大きな満足の意を表し、党中央の戦略的構想を実現するためのチュチェ兵器開発闘争に決死の覚悟で奮い立って尽きない忠義の念と愛国心を遺憾なく発揮することによって、党が与えた命令を最も立派で真実に、完璧(かんぺき)に貫徹した国防科学部門の活動家と科学者、技術者の功労を高く評価した。

金正恩総書記は、わが国防科学技術力の絶対的優勢を誇示するもう一つの威力ある戦略攻撃兵器が生れた、これでわれわれは異なる射程の全ての戦術、作戦、戦略級のミサイルの固体燃料化、弾頭操縦化、核兵器化を完全無欠に実現することによって、全地球圏内の任意の敵の対象物に対しても「迅速に、正確に、強力に」という党中央のミサイル戦力建設の3大原則を立派に貫徹することになったと誇りに満ちて述べた。

そして、今日の驚異的な成果はわが共和国武力の核戦争抑止力向上において大きな変化をもたらす特大出来事になると述べ、これはほぼ10年間にわたるわれわれの困難に満ちた国防科学研究闘争の貴い結実であり、わが党の自衛的国防建設路線の正当性の誇示であり、われわれの力と知恵、奮闘によって獲得した誉れ高い勝利であると力強く語った。

金正恩総書記は、最近軍事同盟強化とさまざまな戦争演習により一層熱を上げ、拡大しながら、わが国家の安全を時々刻々威嚇している敵の反朝鮮軍事的対決行為について重大に指摘し、敵を抑止し、統制、管理できる圧倒的な力を養うのは現時期、わが国家に提起される最も差し迫った課題である、国防科学研究部門では最強の国家防衛力を絶えず向上させるべき歴史的義務をもっと忠実に果たして成功からさらなる成功を引き続き力強くもたらすべきであると述べた。

金正恩総書記は、わが党は自衛的国防力を中断することなく、加速的に、より徹底的に備蓄することによって、国家の平安と繁栄と未来をしっかり守り抜くであろうと確言した。

敬愛する金正恩総書記は、主体的国防工業の自立性と近代性を一層非常に向上させることによって、先端兵器開発闘争で継続的な飛躍をもたらし、革新を起こすことに関する戦略的課題を示した。

金正恩総書記の大いなる信頼と戦闘的鼓舞を受けた全ての国防科学者は、党中央の指導に忠実に従ってチュチェ革命の兵器廠を一層しっかり打ち固めるための聖なる闘いに勇気百倍して献身、奮闘することによって、先端戦略・戦術兵器システムの連続的な成功の爆音で無敵の国家防衛力をしっかり強化していくという燃えるような決意に満ちていた。---

金正恩氏が新型極超音速ミサイル「火星-16ナ」型の発射実験を指導した(2024年4月3日付朝鮮中央通信)