大谷も水原氏に全幅の信頼を寄せていた(C)Getty Images

 大谷翔平の元通訳、水原一平氏が起こした違法賭博問題をめぐってはまだ不明な点が多いとされる。最大の謎とされるのは巨額資金をめぐっての流れだ。

 この事件では大谷翔平名義の口座から違法賭博の胴元に向け、少なくとも450万ドル(約6億8000万円)もの巨額の資金が送金されていることが明らかになっている。水原氏は当初、大谷本人が口座にアクセスし、自身の借金を肩代わりしたと語っていたが、後にその発言を撤回している。米球界からもこの点について疑問視する声が出ている。

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 元エンゼルス監督で大谷と水原氏の関係をよく知るジョー・マドン氏は日本時間2日、今回の問題について語った。

 米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が運営するポッドキャスト番組「ワインドアップ」に出演したマドン氏は、水原氏が起こした事件について「一平が翔平に不誠実だなんて、本当に想像もつかない考えで私は動揺しました」と率直な感想を漏らした。

 20年から22年シーズン途中までチームの指揮を執り、2人の関係性を最もよく知る人物だけに「彼らは常に連絡を取り合っていた」「切っても切れない関係」と表現した。

 その上で今回の争点になっている銀行振り込みの問題については「翔平が日々の支払いを一平に委ねることは、オンライン決済だろうと現金だろうと簡単だ。誰も把握はできない」と関係性の近さゆえに水原氏が大谷の資金を動かすことは可能という見解を示した。

 ただ今回の送金は少なくとも450万ドル(約6億8000万円)にのぼるとされ、一度に50万ドル(約7500万円)もの大金が複数回にわたって違法賭博の胴元・マシューボウヤー氏に送金されたとみられている。

 仮に大谷が預かり知らぬところで資金が動かされたとしても、違法賭博に関して大谷が何かしらの形で関与したのではないかという疑いの目を持って、現時点でも受け止められてしまっている。

 このような背景もありマドン氏は「こういった取引を代理人は把握していなかったのか?」と大谷の代理人であるネズ・バレロ氏を糾弾。同氏はオフにドジャースとの巨額契約を勝ち取ったことで株を上げたが、今回の一件では危機管理体制、資金をめぐるチェック体制の甘さに関して厳しい目を向けられている。マドン氏の意見も大谷を守るという点では機能していないという指摘だった。

 大谷は自身の言葉で今回の事件について潔白を主張したが、騒動余波は続いている。

 水原氏の行方も未だ知れず、捜査も長期戦の様相となっている。全容解明には時間がかかりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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