3日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比125.23ポイント(0.74%)安の16806.29ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が46.73ポイント(0.78%)安の5913.99ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は5253840万香港ドルに縮小している(2日の前場は8901160万香港ドル)。
 米長期金利の上昇が嫌気される流れ。米利下げの先送り観測を受け、昨夜の米債券市場
では、米10年債利回りの上昇が続き、今年の最高水準で推移した。香港は金融政策で米国
に追随するため、域内金利の高止まりも懸念されている。また、香港市場はあす4日、本土市場は4~5日が清明節で休場となることもあり、積極的な売買が手控えられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、政府系インベストメント会社の中国中信(267/HK)が5.0%安、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が3.4%安、EVメーカーの理想汽車(2015/HK)が3.3%安と下げが目立った。
 セクター別では、自動車が安い。上記した理想汽車のほか、中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が5.5%、蔚来集団(9866/HK)が5.1%、小鵬汽車(9868/HK)が4.6%ずつ下落した。競争激化による販売台数縮小が懸念されている。中国恒大新能源汽車については、非常勤取締役の1人が辞任したこともネガティブ。香港取引所の規定では、最低でも3人の非常勤取締役を置くことが上場要件で、このままでは上場が維持できなくなる恐れもあるという。
 レストランチェーンなど外食関連もさえない。海底撈国際HD(6862/HK)と百勝中国HD(9987/HK)がそろって2.8%安、呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が1.8%安、九毛九国際HD(9922/HK)が1.4%安で引けた。
 オンラインゲームやAI(人工知能)の関連銘柄も売られる。中手遊科技集団(302/HK)が7.0%安、創夢天地科技HD(1119/HK)が5.0%安、青島創新奇智科技集団)2121/HK)が3.4%安、北京第四範式智能技術(6682/HK)が3.3%安で前場取引を終えた。
 半面、レアアース・非鉄関連は高い。ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が6.0%、非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が5.6%、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が3.3%、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が3.0%ずつ上昇した。金相場が連日で史上最高値を更新する中、産金株も物色されている。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.24%安の3067.46ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が安い。不動産株、自動車株、公益株、金融株、軍事関連株、空運株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。素材株、医薬株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)