実物大ガンダム(高さ18メートル)の起動実験を間近で楽しめる体感型施設として、横浜・山下ふ頭にて期間限定で展開してきた「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」(略称:GFY)。約3年3カ月にわたって実施され、175万人ものガンダムファンが来場した同プロジェクトが、2024年3月31日をもって営業終了することとなり、同日にはこれに合わせて特別イベント「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA GRAND FINALE ~To the New Stage~」が行われた。

【写真を見る】富野由悠季監督をはじめ、西川貴教さん、SUGIZOさん、小室哲哉さん、落合陽一さんらが登壇

実物大ガンダムの足元に設けられたステージにて、まずはメディアアーティスト・落合陽一さんと実物大“動くガンダム”の製作に携わったGGCのデイレクターたちによる「動くガンダムの意義、GFYでの取り組み」についてのスペシャルトークが実施。続いて、「機動戦士ガンダム」の生みの親である富野由悠季監督からのあいさつがあり、いよいよ最後の起動実験がスタート。

ガンダムの動きに合わせて、上空では打ち上げ花火や、約1000機のドローンによるオリジナルドローンアートショーなどが展開。各作品の楽曲とともに「機動戦士ガンダム」からは“ラストシューティング”やアムロシャアの決闘シーン、「機動戦士ガンダムSEED」からはフリーダムガンダムがハイマットフルバーストを放つシーンなど、印象的な場面が次々に再現され、会場は大盛り上がりとなった。

そうして起動実験の終了後に行われたフォトセッションには、富野監督に加え、歴代の「ガンダム」シリーズで楽曲を担当した西川貴教さん、SUGIZOさん、小室哲哉さんらが登壇。それぞれが「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の取り組みや、2024年で45周年を迎える「ガンダム」コンテンツに対する想いを話すなか、富野監督はグランドフィナーレを迎えた同プロジェクトについて、以下のように話し締めくくった。

【富野】「『機動戦士ガンダム』という作品を手掛けさせていただいて45年が経ちました。その間、シリーズ作品としては紆余曲折があり、アニメ、漫画、ノベルだけでなく、ガンプラという文化も世の中に広まって。そうした背景があったおかげで、このような実験の場を設けていただいたわけですが、工学的な問題なども実際に検証することができ、素晴らしい経験をさせていただきました。具体的な学びもたくさんあり、とても意味のあるイベントだったと思っています」

「このプロジェクトが実現できた理由としては、まず初めに、このような実験の場を提供してくださった各機関のご協力があったからこそであり、たいへん感謝しております。そのうえで、技術的に実現するために協力していただいた関係各社、汗水を流して努力してくださったスタッフの皆様には敬意を表します。そして何より、今日、この場に来てくださった皆さんや、配信で見てくれているファンの皆さんの応援があったからこそ、こうして企画を形にすることができました。絵空事ではなく、実際にガンダムが起動するさまを間近で体感・経験させてもらえて……。本当にありがとうございます」

「あらためまして、今日、こうして皆様にお越しいただけたおかげで、このように壮大なグランドフィナーレを迎えることができました。そして、アニメでしか物事を考えることができなかった僕のような立場の人間が、このイベントを通して、リアルに大勢の方と関わらせていただいて、さまざまなことを学習させていただきました。こうした機会をいただけましたことを心から感謝しております。本当にありがとうございました

取材・文=ソムタム田井

3月31日に実施された「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA GRAND FINALE ~To the New Stage~」/撮影:ソムタム田井 (C)創通・サンライズ