山本望叶主演のドラマ「アイドル失格」(毎週土曜夜11:00-11:30、BS松竹東急/TVerDMM TVにて配信)の最終回(第12話)が3月30日に放送された。第12話では、実々花(山本望叶)の卒業ライブの様子が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】鏡の前で身なりを整える山本望叶“実々花”

■「アイドル失格」とは

NMB48・安部若菜によるデビュー小説『アイドル失格』(KADOKAWA)を実写ドラマ化した本作。“アイドル×オタク”の禁断の恋を描いており、人気アイドルでセンターを務める主人公・小野寺実々花がある出来事をきっかけに、熱心なオタク・吉野ケイタと交流を重ねていく。

本作で実々花が所属するアイドルグループ「テトラ」のメンバーには、原作者の安部と同じNMB48のメンバー4人が抜擢。不動のセンター小野寺実々花役にはNMB48の次世代ビジュアルエースと名高い山本望叶がドラマ初主演を果たす。そして実々花のライバル・一ノ瀬萌役を川上千尋が、ムードメーカーの空野あかり役を上西怜が、リーダーの川嶋サヤ役を泉綾乃がそれぞれ担当。また、実々花に“ガチ恋”するオタク・吉野ケイタ役は、舞台やドラマ、映画など多方面で活躍する俳優・小林亮太が演じる。

その他にも、ケイタの幼馴染・山田咲良役の美山加恋、ケイタのバイト先の店長・笹山健志役の本田博太郎、実々花と共演する人気イケメン俳優・立花廉役の内藤秀一郎に加え、塚本高史、カミヤサキ、池田努、みやなおこ、渋江譲二、青柳尊哉、大津尋葵、宮下修司、菊田万琴、しずる(KAZMA・村上純)、三浦マイルド、石橋遼大(四千頭身)といった豪華な顔ぶれが勢揃い。2023年12月にNMB48を卒業した渋谷凪咲も、ゲストキャストとして出演する。

■実々花の卒業ライブで振り返る思い出の数々

とうとう、実々花(山本望叶)の卒業ライブが行われた。実々花の卒業に寄せて、テトラのメンバーがコメントを残す。そこには、“王道アイドル”“完璧なアイドル”“努力家”など、実々花を表すさまざまな言葉が次々と飛び出した。

大勢のファンに迎えられた実々花は、「青春テトラポット」のパフォーマンスを披露する。それと同時に、これまでの実々花のダイジェスト映像が流れた。代々木ホールでのライブが決まったこと、汗を流したレッスン、勉強との両立、そしてファン感謝祭での3位転落…。

その映像を通して、アイドルや「テトラ」に懸けてきた実々花の想いがひしひしと伝わってくるのだった。

■ケイタに対して実々花が最後に残した言葉とは…

実々花の卒業ライブ会場には、ケイタ(小林亮太)の姿もあった。ただ真っすぐに実々花を見つめるケイタは、前日に実々花と会ったときのことを思い出していた――。

第11話のラストで“アイドルを続けてほしい”と実々花に伝えたケイタ。同話では、ケイタの期待に応えるかのように、実々花が「私はもっとアイドルでいたい」と話す回想シーン描かれた。

実々花はアイドルが好きだからこそ、自分の立場をわきまえずケイタに会いに行った自分が許せず、最後くらいは自分に胸を張れるようなアイドルでいたかったのだ。それを聞いたケイタは、「僕は本当に実々花のことが大好きでした」と涙を流しながら伝える。すると、実々花も「私も大好きでした」と返答。

そんな出来事を思い出しながら、ケイタは涙を流し会場を後にした。ライブの途中、実々花はメンバーにこれまでの感謝の気持ちを伝える。わだかまりが残っていた萌(川上千尋)からは、「4人で“テトラ”だって、今でも思ってるから」「実々花がまだ続けたいっていうなら、まだ受け入れても良いって思ってる」と伝えられ、ようやく心を通わせたのだった。

■卒業ライブのスピーチで、ファンにこれまでの感謝を伝える実々花

卒業ライブでは、実々花からファンに対するスピーチもおこなわれた。母親への想い、寂しい時にアイドルが支えになったこと、そしてメンバーやファンへの感謝を告げる実々花。そして最後には、「たくさんの愛を本当にありがとうございました」「みんな大好きだよ!」と、とびきりの笑顔で締めくくるのだった――。

最終話で実々花はテトラを卒業することになったが、卒業ライブを前にケイタとの関係も断ち切り、お互いがそれぞれの道を歩んでいく展開が描かれた。“アイドルを取るか、それとも好きな人を取るか”どちらかの選択肢を想像していた人にとっては、意外な結末になったことだろう。

また最終話では、卒業ライブでテトラの代表曲「青春テトラポット」や「乙女のアイス」のパフォーマンスが披露された。本格的なダンスや歌は、現役アイドルの4人だからこそ成せるクオリティとなっており、まるで本当のライブを見ているようだった。

そして“ファンとの繋がり”がバレてからギクシャクしていた萌とは、卒業ライブ当日にようやく和解をすることができたため、実々花もどこか清々しい表情で卒業を迎えている。

全12話にわたって放送された「アイドル失格」。“アイドルがファンと恋愛する”というセンセーショナルな内容だったが、実々花のアイドルに対する想いや、ケイタの実々花に対する愛もしっかりと伝わってきて、爽やかで心温まるストーリーに仕上がっていた。

■これまでのあらすじ

アイドルグループ「テトラ」のセンターを務める高校2年生の実々花は、アイドルとしての毎日に漠然とした違和感と不安を抱えていた。一方、夢や目標もなくいつも周りに合わせて生きている冴えない大学生・ケイタは、ある日知人に誘われたアイドルのライブで「テトラ」と出会い、実々花にガチ恋してしまう。

その後、「テトラ」のチェキ会で実々花と初めて話すことになったケイタだが、どういうわけか彼女に「死なないでね」と告げる。その一言が胸に刺さり、ケイタの存在が気になった実々花は、ファンとアイドルの垣根を超え、ケイタのバイト先である熱帯魚ショップへと向かうのだった…。

ケイタとの距離を縮める中、実々花自身も自分の存在意義を見出したりと、その存在は実々花の中で確実に大きくなっていき、2人は水族館デートをするなど徐々に距離を縮めていく。

しかしそんなファンとの“繋がり”がメンバーのサヤにばれてしまい、芸能活動を頑張りたい実々花はケイタとの関係を断ち切る。テトラの一員として頑張ることを決めた実々花だったが、そんな矢先、“実々花がファンと繋がっている”というタレコミが事務所に入る。

大事となってしまったことで責任を感じた実々花は、“卒業”を決意。そしてケイタの働く熱帯魚店をもう一度訪れ、直接卒業を報告すると、ケイタは実々花に“卒業してもアイドルを続けてほしい”と伝えるのだった――。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

しずる・KAZMAの「Z」は正式にはストローク付き表記

「アイドル失格」第12話(最終話)より/(C)BS松竹東急/KADOKAWA