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「Modulo(モデューロ)」メディア向け試乗会イベント

ホンダ車向け純正アクセサリーの企画開発および販売を行うホンダアクセスが「Modulo(モデューロ)」ブランドの30周年を記念したメディア向け試乗会イベントを開催した。

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「Modulo 30th Anniversary EXPO Vol.1」と名付けられた同イベントでは、モデューロの「過去>現在>未来」をあらためて知ることのできる3部構成となっており、30年におよぶモデューロの歴史をパネル解説や展示物で振り返ったほか、S660モデューロXを使用した「実効空力」の体験試乗、そしてヴェゼル用にリリースされる新作ホイールの試乗が行われた。

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S2000NSXに懐かしの写真も「Modulo(モデューロ)」メディア向け試乗会イベント    雪岡直樹

さらにホンダを代表するスポーツモデルである、S2000NSXのモデューロ製品装着車を公道試乗であらためて体験することができるなど、もりだくさんの内容。さっそくだが、当日に筆者が体験した時系列に沿って、各パートを紹介していこう。

モデューロのヒストリー

まずはモデューロのヒストリーから。ホンダアクセスがモデューロ・ブランドのパーツを初めてリリースしたのは、1994年のこと。当初はアルミホイールのブランドとしてスタートし、最初にラインナップされたのはミドルサルーンの「ビガー」用ホイールだった。

自動車メーカー系列会社であるホンダアクセスだからこそ可能になった、優れた品質と洗練されたデザインを兼ね備えていたことが特徴だった。

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S2000NSXに懐かしの写真も「Modulo(モデューロ)」メディア向け試乗会イベント    雪岡直樹

さらに1996年になると、クルマのカスタム文化に大きな変化が起きる。それまで規制が厳しかった車両法に大幅な規制緩和が行われ、モデューロ・ブランドもホイール以外に製品ラインナップを拡大していく。5代目プレリュード用にインチアップホイールやスポーツサスペンションを設定し、現在のモデューロに続いていく。

当初は一部の人気車種に対して設定していたモデューロ・ホイールは、ミニバンやSUV、スポーツモデル、軽自動車など設定車種を拡大。

最新世代のモデューロ・ホイールでは、軽量&高剛性が最良とされているアルミホイールの常識を覆すような、リム部とスポーク部の剛性バランスを最適化し、ホイールを「しならせる」ことでタイヤ性能を使いきるというアプローチが採られている。

新型アルミホイールの効果を体験する試乗パート

続いて行われた試乗パートでは、その新型アルミホイールの効果を体験できるプログラムが用意されていた。

2024年春にマイナーチェンジが行われるコンパクトSUVヴェゼルに設定されるアルミホイールMS-050」がハンドリング領域にもたらす効果を、ホイール以外まったく同じ条件で揃えられた2台のヴェゼルe:HEV Z(マイナーチェンジ前モデル)を乗り比べるというものだ。

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S2000NSXに懐かしの写真も「Modulo(モデューロ)」メディア向け試乗会イベント    雪岡直樹

このMS-050は、以前に発売目前まで開発が進められていた「ヴェゼル・モデューロXコンセプト」に装着されたホイールだ。これまでモデューロおよびモデューロXシリーズの開発で培ってきたアルミホイールの設計思想が継承されており、タイヤにかかる荷重に応じてスポークやリム部全体が「しなる」ことで、タオやのトレッド面を路面に接地させ続けるという効果を実現。操縦安定性のアップが体感できるほか、乗り心地においても向上が見られるという。

試乗コースは左まわりの定常円を2周するというもので、路面には散水車によって水が撒かれていた。

目安としての走行速度は時速40kmに設定されており、これは「街中の一般公道を走行しているときでも効果が体感できる」というモデューロのコンセプトに基づくもの。はたしてホイール以外はまったく同一という2台のヴェゼルe:HEVを比較試乗し、その違いは体感できるのだろうか…

そんな心配はまったく杞憂に終わった。結果から先に記すと、ステアリングの切り始めの応答から、コーナリング中の安定感まで、明らかにMS-050装着車のほうが優れていた。あまりにも路面を保持している感覚が明確すぎるためか、ついつい速度が上がってしまい、ステアリングを握っている筆者の身体が揺すられるほどだった。

「こちらの車両はシート表皮が滑りやすい気がする」と感じてあらためて見比べてみたが、もちろんシート表皮に違いはない。つまりMS-050装着車は、路面への強い接地感や、意のままに車両を操ることのできるハンドリング、また上質なステアリング操舵フィールや上質な乗り味を実現している。

モデューロ製品をフル装着した車両に試乗

そして最後に、ホンダを代表するピュアスポーツカーNSXS2000にモデューロ製品をフル装着した車両に試乗することができた。

NSXは3.2LのC32B型エンジンと6速MTが与えられた、NSXタイプS”NA2″。S2000は2LのF20C型エンジンを搭載した1999年式”AP1″である。

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S2000NSXに懐かしの写真も「Modulo(モデューロ)」メディア向け試乗会イベント    雪岡直樹

ホンダアクセスでは、2020年にS2000の誕生20周年を記念アイテムとしてモデューロ・アクセサリーを発売しているが、今回用意されたのは1999年S2000新車販売と同時にリリースされた製品たち。

スポーツサスペンションのほか、フロントアンダースポイラー/リアストレーキ/トランクスポイラー、さらに現在では超レア品となっているモデューロ・エキゾーストが装着されていた。

もう1台のNSXタイプSは、2011年にNSX誕生20周年を記念して開発・販売されたトランクスポイラーやスポーツサスペンションを装着されたもの。発売時期こそ約12年離れているが、両車には「四輪で舵を切る」というモデューロのハンドリングにおける哲学が受け継がれており、じつに素直な特性を示す。

ドライバーの意思に忠実に、ステアリングを切ったぶんだけクルマが向きを変える。荷重の与えられた4本のタイヤはバランスよくしっかりと路面を掴み、ドライバーはもちろん乗員全員に安心感と快適性を与えてくれる。

また「実効空力」コンセプトに基づき開発されたエアロパーツは、揚力を抑えながら車両上部や側面に流れる空気を制御。コーナリング時にはステアリングの修正舵をほとんど必要としない優れた安定性を実現し、速度域の高低に関わらず「スポーツカーを操る楽しみ」を引き出している。

ホンダといえばモータースポーツやスポーツカーの印象が強いメーカーではあるが、純正アクセサリーを手掛けるホンダアクセスの「こだわり」は、そのなかでも群を抜いている。

製品開発においては、テストドライバーだけでなくエアロパーツやホイールのデザイナーやモデラーも開発車両のステアリングを握り、形状の違いがどのように車両の運動性能に変化をもたらすかを体験しているという。

それゆえ製品の開発には時間を要してしまうケースもあるというが、やはりホンダのなかでも特にこだわりの強い職人集団が手掛けたモデューロ製品だけに、その仕上がりは一級品。

モデューロの30周年を振り返る今回のイベント「30th Anniversary EXPO Vol.1」であったが、タイトルの末尾にあえて添えられたVol.1という数字に、今後にVol.2や3が開催されることを心から期待したい。


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