俳優の井ノ原快彦と山田裕貴が3日、六本木・テレビ朝日本社で行われたドラマ『特捜9 season7』(3日スタート 毎週水曜21:00~※初回拡大SP)の取材会に登場。互いの魅力を語り合った。

○■井ノ原快彦、山田裕貴は「ずっと近くにいてくれた」

2018年4月、『警視庁捜査一課9係』で主演を務めていた渡瀬恒彦が亡くなり、井ノ原がバトンを受け継ぐ形でスタートした『特捜9』。井ノ原は当時を「あまりよく覚えていないんですけど、すごく大変だったなって。どうなっちゃうのか分からないけど続けていかないと、という中で、12年やってきたメンバーに新しいメンバーを加えてやっていくことができるのは、ありがたいなと思いました。先輩たちが多い中で、山ちゃんはずっと近くにいてくれて、すごく救われた思いがあります」と振り返り、山田も「できるかは分からないけど、そばにいて、井ノ原さんの力になりたいなってすごく思っていた記憶があります。僕は一番若手として全員先輩という中に入っていったので、井ノ原さんも似たことを感じてるんだろうなって」とそのときの心境を説明。そして山田は「井ノ原さんから、愚痴もネガティブな言葉も本当に聞いたことがなくて。その精神力の強さが素敵だなと思ってるんですけど、何かポロッとこぼしてくれることがあるなら、そのとき僕がそばにいれたらいいなって、そういう気持ちではいました」と井ノ原の支えになりたいと強く思っていたことを語ると、井ノ原は「うれしいですね……」と噛みしめるようにつぶやいた。
○■山田裕貴、宮近海斗と抱き合った思い出

また、取材会の司会を務めていたテレビ朝日の大川武宏プロデューサーが「『season2』の最初に、鑑識官・佐久間朗役の宮近(海斗)くんが見学に来ていたんですけど、山田くんと『俺たちシーズン2残れたな』って抱き合っていて。そこまで追い込まれてたのかと」と話すと、山田は「スタッフ、キャストの皆さんが、僕をめちゃくちゃ受け入れてくれて、受け止めてくれて、山ちゃん山ちゃんってかわいがってくれて。これだけ優しくしてくれる愛のある先輩たちの前で、下手な芝居はできないし、ちゃんとした俳優としてそこに存在したいという思いがデカすぎて。プレッシャーというよりも、『ここにいたい』という気持ちが強かった。だから、次のシーズンも出られると決まったときは、宮近くんと『うわーよかったー!』って、安心して抱き合ったんだと思います」と明かした。

○■井ノ原快彦&山田裕貴、互いに「こんな人はいない」

改めて、井ノ原は山田について「こんなすごい人、いないと思いますけどね。『特捜9』以外のドラマや映画の山ちゃんと、ここにいる山ちゃんって別人のように感じるんです。主演を張っている俳優だけど、出会った頃の山ちゃんと印象が変わらない。いろんなことを経験した人って、作品に戻って持って帰って来るものもすごく大きいと思うんですけど、違った人になっている可能性もあるのに、山ちゃんは全く変わらない。食事してわいわいしてるときも、いつも真剣に話していて、こんなに人間力のある人、僕はそうそう出会わない」と大絶賛する。

山田は「いやいや、それは本当に井ノ原さんに教わってるからだと思います」とカットイン。「僕が出会った中で、こんなに人間力がある人は見たことがないというか。同じ言葉を使っちゃうので、ウソっぽく聞こえたら申し訳ないんですけど」と前置きしつつ、「この世の中、特に今このご時世だと、言葉選びってすごく大事だと思うんですよ。井ノ原さんは明るい言葉や優しい言葉を選んで、人に発言できる人。自分が苦しいとき、悲しいとき、つらいときもあるはずなのに、一切それが嘘じゃなく、心から出ている。僕はそんな人をほかに見たことがない。今もうたくさんの方に愛されていますけど、こういう人が世の中の人に愛されるべき人だし、こういう人になりたいという部分がすごくあって。俳優さんとしてだけじゃなくて、人としての尊敬がすごすぎて」と井ノ原の魅力を語り尽くし、「井ノ原さんの優しさ、強さが、浅輪直樹(井ノ原の役名)に、じわっとにじみ出る瞬間があるんですよ、『特捜9』の後半、9時40分頃に。そこが面白い部分だし、素敵な部分だなと思ってます」と役とリンクしている面白さについても熱弁。

「伝わってます?」と表情をうかがわれた井ノ原は、「言いすぎじゃない? 途中から創作じゃない?」とおどけた表情でツッコミ。山田は「想像じゃないですよ! いっぱい助けられてますから」とさらに熱を帯び、「僕が悩んでいたとき、初めて泣きながら井ノ原さんに電話したことがあるんです。『山ちゃん、これは笑い話だよ。笑いに変えられるよ』って言って励ましてくれて、本当にめちゃくちゃうれしかったですもん」と過去のエピソードを明かす。井ノ原は「でも結果、笑えたもんね。たいていのことは笑えるからね」とニッコリ。

その話を聞いた大川プロデューサーが「後半のストーリーに採用したいですね。進藤(山田の役名)が……」と言い出すと、井ノ原は、「すぐ採用するんですよ! だから迂闊に話ができないんです。また使ってる! って」、山田は「僕たちの普段のエピソードがだんだん盛り込まれるようになって、ここ3年くらいほとんどそれですよ! これ、俺が話したエピソードだ! って」と、実際のエピソードが特捜9のストーリーに盛り込まれていることに笑いながらクレームを入れた。

■『特捜9 season7』テーマは“多様性”

『season7』のテーマの一つが“多様性”。班長・国木田誠二(中村梅雀)、主任・浅輪直樹(井ノ原快彦)のもと、小宮山志保(羽田美智子)、青柳靖(吹越満)、矢沢英明(田口浩正)、新藤亮(山田裕貴)、高尾由真(深川麻衣)ら個性強めで一見バラバラな特捜班メンバーが、多様性を増す犯罪とその背景に秘められたさまざまな人間ドラマに全力で向き合う姿を1話完結形式で描いていく。

初回拡大スペシャルで直樹たち特捜班が挑むのは、マンションの管理人が変死した事件。現場は間取りも家賃もバラバラ、年齢も職業もライフスタイルも異なる住人たちが入り混じった、“多様性”を絵に描いたようなマンションで、壁一枚隔てて暮らす住人たち全員が容疑者となり、捜査に当たる特捜班メンバーは彼らの身勝手な主張に翻弄されていく。そんな一筋縄ではいかないマンションの住民を演じるゲストには平岡祐太、徳井優、木村了、三倉佳奈、夙川アトム、森田甘路、村雨辰剛、中村シユンと多彩なキャストたち。特捜班メンバーとの演技合戦も見どころだ。

【編集部MEMO】初回拡大SPあらすじ
浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班メンバーはオフィスの模様替えについて話し合うも、意見がバラバラで打合せは大モメ。そんな中、事件発生の知らせが舞い込み、一同は現場の低層マンションに急行する。早朝、マンション内で大きな落下音が響いたため複数の住人が廊下に出て確認したところ、中庭で管理人・林田浩二が頭から血を流して死んでいたという。遺体のそばには割れた植木鉢が落ちており、鉢と頭部の傷は合致したが、自分でぶつかったのか、殴られたのか、はたまた上から落ちてきたのかは不明だった。特捜班は、直樹と新藤亮(山田裕貴)、村瀬志保(羽田美智子)と高尾由真(深川麻衣)、青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)の3チームに分かれて住民への聞き込みを開始。被害者との関係や動機、アリバイを探りはじめる。ところが、現場のマンションは間取りや家賃がバラバラなこともあり、住人たちもプログラマー、元教師、経営者、クラブ勤務、求職者など仕事や生活ぶりはさまざまだった。バラバラなのは捜査に当たった特捜班も同じで、6人はそれぞれ異なる住人に疑いの目を向けて……!?

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