台湾メディアの聯合新聞網は3日、台湾パイナップルの日本向け輸出に二つの大きな変数が生じていると報じた。

2021年に中国が突如、台湾パイナップルの輸入停止を発表。中国側は害虫の付着を理由に挙げたが、一部では民進党政権に対する嫌がらせとの見方も出た。その後、行き場を失ったパイナップルの一部を日本が積極的に輸入、甘みが強いことから日本の消費者の間でも人気になった。

しかし、記事はこうした状況に陰りが見え始めたと指摘。一つは円安が進んだことによるインフレが日本の消費力を縮小させたこと、もう一つは輸出補助金が下がり始めたことだという。今年は中国本土を除くアジア圏への空輸の補助金が、1キロ当たり4台湾ドル(約18円)から2台湾ドル(約9円)へと半額に引き下げられた。

ある業界関係者は「かつては輸出先の95%が中国本土だったが、今では同じように90%が日本になっている。卵を別のかごに移したに過ぎない。こうした(上述の)不利な要素に加え、日本での台湾パイナップルの消費も(中国の輸入禁止が話題になった)当初ほどではなくなった。『日台友好』も長期的な農産物貿易を担保することは難しい」と語ったという。(翻訳・編集/北田)

台湾メディアの聯合新聞網は3日、台湾パイナップルの日本向け輸出に二つの大きな変数が生じていると報じた。