日本生産性本部(東京都千代田区)は、新型コロナウイルス感染症が働く人の意識に及ぼす影響を調べる第14回「働く人の意識調査」を実施し、調査開始の2020年5月以降「テレワークの実施率が過去最低になった」などとする調査結果をこのほど公表した。

 「働く人の意識調査」は、コロナ感染が拡大した時期から継続的に実施。今回は、感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから約8カ月が経過した24年1月9~10日、日本の企業・団体に雇用されている20歳以上の1100人を対象にインターネットを通じて行った。

 テレワークの実施率は、前回23年7月調査の15.5%から14.8%に減少し、過去最低を更新。第1回調査(20年5月)では31.5%がテレワークを行っていたが、半減した。従業員規模別では、1001人以上の勤め先では増加したが、中・小規模企業の実施率が低下した。今後もテレワークを行いたいかについて、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の合計は、前回調査の86.4%から78.5%へと減少した。

 日本生産性本部は「コロナ禍で一時的な対応としてテレワークを取り入れていた企業が、オフィス勤務へ回帰する動きを活発化させたことが考えられる。一方で、働き方のオプションとして活用している企業の雇用者をみると、仕事効率の向上など継続を望む声が多く見受けられた。多様な働き方のニーズに対応する選択肢の一つとして、テレワークの継続的な活用の検討が望まれる」と分析している。

テレワーク実施率が過去最低を更新、中小企業で低下 日本生産性本部「働く人の意識調査」で