道東に新時代がやってくる!?

北海道は高規格道路の開通ラッシュ

国土交通省 北海道開発局は2024年4月1日、2024年度の事業概要を発表しました。今年度は高規格道路の開通が続きます。

道東道、釧路まで全通

道東では、道東道の阿寒IC―釧路西IC間17.0kmが開通予定です。これは本別町から釧路市を結ぶ「海道横断自動車道 本別―釧路」区間65kmの一部で、道央道(千歳恵庭JCT)から釧路(釧路西IC)までの約250kmのなかで、唯一の未開通区間となっています。

ここが開通すると、帯広市釧路市の所要時間は、道東道整備前の255分と比べ、131分まで短縮されるそう。さらに、釧路の海沿いの国道38号から釧路西ICまでのバイパスとなる「釧路新道」についても、今年度に8.8kmの全線が4車線化される見込みです。

後志道 倶知安ニセコへ一歩前進

後志(しりべし)地域では、JR函館本線の山線(小樽~長万部)に沿う後志道が、余市ICから仁木ICまで延伸する予定です。「倶知安余市道路」の事業名で建設が進む39.1kmのうち、3.3kmが先行開通する形です。

さらに、倶知安からニセコまでの11.7kmも「蘭越倶知安道路」の名で今年度から事業が始まります。

札幌・小樽方面から、国際的な観光リゾートとなっているニセコなどへの速達性向上がうたわれており、仮にニセコまで開通すると、新千歳空港からの所要時間は現状168分から、136分まで短縮されるそうです。

●札幌の高規格“環状道路”延伸

札幌近郊では、「道央圏連絡道路」のうち「中樹林道路」7.3kmが暫定2車線で開通予定です。

道央圏連絡道路は石狩新港から札幌の外縁を取り囲むように、新千歳空港まで延びる予定の国道337号バイパス。北側は石狩新港から道央道江別東ICまでが開通していますが、そこからさらに南、野幌ランプ(仮称)までが今回の開通区間となります。

その先、南長沼ランプまでの「長沼南幌道路」14.6kmも事業中。そこから先は道東道の千歳東ICを経て、新千歳空港ランプまで開通済みです。札幌近郊の重要港と高速道路IC、そして空港を相互に結ぶ環状道路の完成が近づいています。

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2024年度はさらに、女満別空港から網走市呼人までを結ぶ「女満別空港網走道路」10.9kmも新規事業化されました。これは道東道から網走までを南北に結ぶ「北海道横断自動車道網走線」の一部です。

2016年に開通した道東道の白糠IC~阿寒IC。阿寒から先の未開通区間が完成し、釧路までの全通を迎える(画像:北海道開発局)。