●『紅白歌合戦』で神田愛花を再びNHKに出演させるために
フジテレビ系バラエティ番組『ぽかぽか』(毎週月~金曜11:50~)で、毎日エンディングに歌唱していた昭和歌謡グループ・SHOW-WAが、ファン1,000人の集客を目指すイベントが、3月30日に同局湾岸スタジオで行われ、目標を大きく上回る2,156人を集めて見事成功を収めた。

今年1月から『ぽかぽか』の生放送が行われている「ぽかぽかパーク」近くのフジテレビ本社7階エリアで生歌唱し、当初はわずか17人しか集まらなかった日もあったが、徐々に人数が増え、3月27日には過去最高の584人を記録。それでも、目標人数の半分ということで本番へ不安を抱えていただけに、メンバーたちは目の前の大勢のファンの姿に涙を流して喜んだ。

まさにファンと一体になって成立しただけに、他のライブでは味わえない歓喜に包まれた中で行われた今回のイベントの模様をレポートする。

○集客規模を伝えないため、静かに待ち続けるファン

SHOW-WAが出演する企画「愛花を紅白に連れてって!」は、『ぽかぽか』MCの神田愛花が、2012年に退局してから古巣・NHKに出演していないことが判明したことから、「できれば紅白歌合戦で再びNHKに出演したい」という願いをかなえるために始まったもの。『紅白歌合戦』に出場できそうなネクストブレイク歌手に便乗しようと模索したところ、業界の覇者・秋元康プロデュースのSHOW-WAに白羽の矢が立った。

彼らを国民的スターにするため、敏腕音楽プロデューサー・古坂大魔王に協力を依頼すると、古坂は「毎日『ぽかぽか』で歌ってファンを増やし、3月30日にフジテレビ湾岸スタジオで行われるイベントに1,000人集客する」という課題を提示。ヴォーカルディレクターの菅井秀憲、ダンスエンターテイナーの仲宗根梨乃という一流講師の厳しいレッスンで歌唱力とダンス力を磨き、ついに本番を迎えた。

整理券を受け取りに、朝早くから会場外に並んでいたファンたち。SHOW-WAに集客規模を伝えないため、開演前は会場内で静かに待ち続けた。

会場には、仕事と関係なく見届けに来た神田の姿も。前説のスタッフが「本日はありがとうございます」と言うのに合わせて頭を下げ、感謝の思いがあふれていた。

○天を見上げ、涙をぬぐい、抱き合うメンバーたち

そして、いよいよ運命の開演。ステージの古坂から「SHOW-WAの皆さん、心の準備はよろしいでしょうか?」と聞かれると、スタジオ後方に張られた幕の後ろに立ったメンバーたちは「はい!」「大丈夫です!」「やれることはやりました!」と力強く答える。

古坂が「それでは参りたいと思います。3か月間の努力、報われるのか。目標の1,000人達成できたのか……幕、オープン」と宣言して幕が下りると、スタジオいっぱいに集まったファンの姿を見て、天を見上げ、涙をぬぐい、抱き合うメンバーたち。それまで我慢していた歓声を全力であげるファンたちに、しばらく頭を下げ続けた。

「本日集まった人数、2,156人!!」と古坂が発表すると、ファンから次々に「おめでとう!」の声が。1回公演でスタジオに入り切らないため、計3回公演が行われることが伝えられると、メンバーは「ありがとうございます!」「うれしいです!」と感激が止まらない。

花道を通り、ファンたちの歓声を受けながら、歌唱ステージに向かうSHOW-WA。そこに神田もステージに上がり、「おめでとうございます! 鳥肌立ちますね!」「母もすっかりファンになってしまいまして、やっぱり頑張る姿が心を打ちますよね!」と大興奮だ。

●涙で言葉が詰まるとファンが「がんばれー!」
ここで、メンバー一人ひとりが感謝のスピーチ。涙で言葉が詰まると、ファンから「がんばれー!」と声援が送られる。

料理研究家・寺田真二郎「グループの中ではあまり感情がないタイプだとメンバーには言われてるんですけど、今日は感情があふれ出そうです!」

元テレビ技術者・井筒雄太「幕が下りた瞬間に皆様のお顔が見えて、本当に…本当にうれしかったです。感謝の気持ちを皆様にお伝えできると思いますので、全力で楽しんでいきましょう!」

元大手企業勤務・塩田将己「僕らは本当にまだまだですけど、夢の続きを見せていただいてありがとうございます!」

元ボーカルグループSOLIDEMO・向山毅「今日は朝からすごいドキドキソワソワしてて、すごく泣き虫なんですけど……本当に3カ月応援してくださりありがとうございます」

元Jリーガー・青山隼「3カ月、毎日不安でした。ほとんど寝れない日もありましたし、どうすれば(観覧の)人が増えていくのかなとずっとメンバーと楽屋でも話していました。本当に何より、寒い日も、風が強い日も、外で歌えない環境の日もずっと待ってくれて、皆様の心や愛を僕らは受け取ってて、もっと何かできないかなっていうことを本当にいつも考えてました。そして、このようなチャンスや素晴らしい環境を与えてくれた『ぽかぽか』のスタッフの皆様に、僕らは本当に頭が上がりません。今日は全力で、皆様と楽しみながら、僕らが今までやってきた思いをすべてぶつけたいと思います」

元運転手・山本佳志「言おうと思ったこと、メンバーに全部言われちゃったんですけど(笑)、今“夢見てるのかな?”って思うぐらいの状況でして。3月30日が近づくにつれてどんどん緊張感が上がっていて、今は、今まで生きてきた中で一番幸せな瞬間です。本当にありがとうございます」」

そんなSHOW-WAへ、1,000人集客達成のごほうびとして、4月以降も『ぽかぽか』で生歌唱を継続することを発表。SHOW-WAはまたも大喜びで、一人ひとりが神田とハイタッチした。

○独壇場の屋内パフォーマンスでペンライトが輝く

メンバーもファンも最高潮の喜びに包まれる中、古坂の「素晴らしい最高のライブをお願いします!」の呼びかけで、パフォーマンスへ。「僕たちと皆さんをつないでくれた大切な一曲です」(寺田)と紹介し、毎日歌い続けてきたオリジナル曲「君の王子様」からスタートした。

『ぽかぽか』では昼間の屋外パフォーマンスで、最後の決めポーズがスタジオ画面と並ぶこともあったが、この日はファンたちの振るペンライトが輝き、まさにSHOW-WAの独壇場。

1曲目が終わると、寺田は「今日このステージに立てているのは、いつも応援してくださってくれる皆さんのおかげです。そして、『ぽかぽか』のスタッフさん、関係者の皆様、いつもたくさんの愛を頂き、ありがとうございます! 感謝の気持ちを僕たちの歌とダンスでお届けしたいと思います」と改めて思いを伝え、毎週水曜に披露してきた昭和歌謡のカバー曲メドレーに突入した。

「真赤な太陽」(美空ひばり)、「(め)組のひと」(ラッツ&スター)、「恋のダイヤル6700」(フィンガー5)、「亜麻色の髪の乙女」(ヴィレッジ・シンガーズ)と、4曲を一気に歌い上げ、息が上がってしまう平均年齢35歳のSHOW-WA。目標達成で興奮状態のパフォーマンスだけに、体力配分も見切り発車で全力投球だ。

ここで、厳しいレッスンを回想するメンバー。山本が「本当にたくさんのレッスンを受けさせていただいて、もちろん技術的なこともそうなんですけど、僕たち6人、まず“人として楽しむ”であるとか、たくさん学びました」と言うと、青山は「今まで生きてきた中での価値観を壊していただいて、違う自分を知りなさいっていう“メッセジセージ性”を…」と大事なところで噛んでしまい、次々にツッコまれる事態に。

そんなMCタイムを終えると、ペアを組んでのパフォーマンスへ。「硝子の少年」(KinKi Kids)、「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)、「SAY YES」(CHAGE and ASKA)と続き、心に響く歌声に見守る神田も涙が止まらない。

休む間もなく今度は全員で、ダンス指導の仲宗根梨乃、50(FIFTY)が振り付けた「狙いうち」(山本リンダ)、そして「DESIRE -情熱-」(中森明菜)と会場のボルテージを上げるカバー曲を続け、約20分にわたるノンストップのパフォーマンスで、盛り上がりは最高潮に達した。

●「こんなにも濃くて早い、充実した3カ月はなかった」

最後の1曲を前に、再びメンバー一人ひとりがファンに感謝のスピーチを行った。

山本「今日を迎えるまで本当に毎日不安で、本当にどうなるか分からなかった中、今日のために必死に6人で考えて、『ぽかぽか』のスタッフの皆さんも一緒になって考えてくださって作り上げたステージだと思います。本当に皆様に感謝の気持ちを忘れず、こうして思い切りパフォーマンスできたことが本当に幸せです」

青山1月8日から毎日出させていただいて、生放送のプレッシャーですとか、梨乃さんや菅井先生のいろんなレッスンを受けながら、僕らが成長するすべての環境を『ぽかぽか』のスタッフの皆様に作っていただきました。最初は17人という人数の中でも、僕らのことを信じて毎日毎日来てくださった方、どんなグループなの?と興味を示して来てくださった方、テレビ越しで応援してくださった方、僕らはメッセージを全部読んでます。そういった皆様の愛、気持ちを僕らは受け取って、今日歌うことができたと思います。僕は皆さんと一緒の船に乗ってると思っています。1つのゴールに到着して、また新しい場所へ向かっていく大事な時間が迫っていますので、僕らも気を引き締めて一生懸命頑張っていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします!」

向山「僕は歌が大好きで、毎日3カ月間も『ぽかぽか』さんで生出演・生歌唱させていただける環境、そしてこんなにもたくさんのファンの皆様にお集まりいただきました。本当にこういった環境は当たり前じゃないですし、まだメジャーデビューもしてないのに、いっぱい撮影や取材をしてくださった媒体の皆様もたくさんいらっしゃいます。この3カ月間、僕たちのことを応援してくださり、ありがとうございます。また4月から毎日生歌唱させていただくということで、もう1回気を引き締め直して、また全力で頑張っていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします!」

塩田「この3カ月間、32年生きてきた中で、こんなにも濃くて早い、充実した日々はなかったと思います。『ぽかぽか』のスタッフさんには、僕らがテレビに出る機会を頂き、何から何までしていただきまして、事務所関係のスタッフさんもいろいろしてくださって感謝しかないです。そして、雨の中でも強風の中でも雪の中でも、駆けつけてくれたファンの方々、今日朝早いにもかかわらず来てくれたファンの方々、友人の方々、本当に皆さんありがとうございました。僕らは今日、このステージでやっとスタートラインに立てました。これからもSHOW-WAの活躍を見ててください」

井筒「フジテレビの上のフロアにいると、外の様子が見えるんですね。朝早くから来てくださる方たちがいらっしゃって、その人たちの応援の思い、SNSやテレビ越しから応援してくださる皆様の思いを絶対に無駄にはしちゃいけないと、メンバー一同走り続けて参りました。これからもっともっとたくさんの場所で皆様へ恩返しができるように、一生懸命頑張ってまいりますので、引き続き応援よろしくお願いします」

寺田「ここにこうしてステージに立てているのは、本当に皆さんのおかげです。僕たちのゴールは今日ではなくて、神田さんを紅白に連れて行くこと。そして僕たちの大きな夢はまだまだあります。これからも6人でいろんな夢を追いかけていきたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いします!」

そして、観客をバックに記念撮影を行った後、最後に「君の王子様」をフルバージョンで披露した。

○テレビのメディアパワーを感じる機会に

この日のステージを振り返り、アドバイザーの古坂は「MC噛みすぎじゃない?(笑)」とダメ出し。神田は「やっぱ泣いちゃいましたね。先生の厳しいレッスンを毎週拝見してたので、心に響いちゃって。当然歌も上手なんですけど、それ以上のものを感じました」と称賛しながら、「これからどんどん伸びていくと思うんですけど、とにかく私を紅白に連れて行くことが目標ですから、それを忘れないでくださいね」と、企画趣旨を確認してきっちり釘をさす。

締めに入ると、会場から大きな「アンコール! アンコール!」の声が鳴り響いたが、惜しまれつつこれでイベントは終了。再び花道を歩いてステージを後にするSHOW-WAに、神田は「もうスターに見えますね!」とほれぼれしていた。

毎日の『ぽかぽか』エンディングでの歌唱後は、集まったファンたちとの握手会を行っており、その誠実な姿勢も相まって着実にファンを増やしてきたSHOW-WA。今回の会場には女性だけでなく男性も多く駆けつけ、さらには『ぽかぽか』視聴者層の子ども連れの家族の姿も多数見られたことから、放送を見てファン層を拡大していったことがうかがえる。

かつて、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ)で行われたポケットビスケッツの「100万人署名運動」など、ファンの力がアーティストをリアルに後押しする企画は、テレビというメディアのパワーを改めて感じる機会になるが、古坂も「最近のテレビで、こういうのないよ!」と驚いていた。
(中島優)

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