令和2年7月豪雨で被災したJR肥薩線(2021年4月撮影)

令和2年7月豪雨で被災し、今なお八代~吉松間で運休が続くJR肥薩線

八代~人吉間(52km)について、JR九州熊本県は鉄道復旧の方向性について合意、2024(令和6)年度末の最終合意を目指す。

当該区間の復旧にあたり、上下分離方式を採用。県を含む地元自治体が第三種鉄道事業者、JR九州が第二種鉄道事業者となる。自治体が線路などの設備を保有しJR九州が車両の運行を担うスキームだ。

県とJR九州はともに連携・協力し、復旧区間の持続可能性をさらに高めるため「観光を軸とした日本一の地方創生モデルの実現と「マイレール意識の醸成による日常利用の創出」を具体化する。

八代~人吉間は球磨川に沿って走る、「川線」と呼ばれる区間。一方の人吉~吉松駅間は「山線」と呼ばれ、「日本三大車窓」の絶景が楽しめるが、現時点ではまだ復旧方針が定まっていない。

JR九州は2022年3月に肥薩線の概算復旧費を発表し、鉄道で復旧する場合は約235億円かかるとしていた。国交省は鉄路と河川や道路など公共事業との連携の可能性も含めた復旧方法および復旧後の肥薩線の在り方などについて検討するため「JR肥薩線検討会議」を立ち上げ、議論を重ねてきた。