【元記事をASCII.jpで読む】

 サムスン電子ジャパン4月3日、新製品発表会を開催し、最新フラッグシップGalaxy S24シリーズ」の国内発売を発表しました。同シリーズは、グローバルでは「Galaxy S24」「Galaxy S24+」「Galaxy S24 Ultra」の3モデル展開ですが、日本で発売されるのは「Galaxy S24」と「Galaxy S24 Ultra」のみ。通信キャリアはドコモとau(KDDI)が取り扱い、4月3日から予約受付が開始され、4月11日に発売されます。

 なお、サムスン直販のSIMフリーモデルがキャリアモデルと同時に発売されることも発表されました。

◆新しい時代を切り拓く“AIフォン” リリース

 発表会にはサムスン電子ジャパン CMO・小林謙一氏が登壇。サムスン独自のAI技術を搭載したGalaxy S24シリーズについて「移動通信サービスの常識を変える新しい“AIフォン”」であるとアピール。その根幹となる「Galaxy AI」について「オンデバイスAIとクラウドベースAIを融合させたハイブリッド型のAI」と紹介しました。

 また、新しいAIの実現にGoogleとのパートナーシップが不可欠だったと語り、ゲストとしてGoogleの菅野圭吾氏が紹介されました。

 菅野氏は、Galaxy S24シリーズに搭載する新しい機能として「かこって検索」を紹介。そして、AIを活用した新しい体験について「ここに止まらずに、次なるステップへとどんどん進めていきたい。そこにはサムスン様とのパートナーシップが非常に重要」と述べていました。

◆翻訳を中心にスマホ史上最強のAI機能を実現

 続いて、サムスン電子ジャパン プロダクトグループ長の鈴木祐介氏が登壇。Galaxy S24シリーズの最大の特徴である、Galaxy AIについてプレゼンテーションしました。

 まず、外国人とのコミュニケーションに役立つ機能として「リアルタイム通訳」「テキスト通訳」「通訳」「チャットアシスト」を紹介。「リアルタイム通訳」は外国人と通話する際に、日本語で話すと指定した言語に通訳され、相手の返事も日本語に通訳される仕組み。サムスン独自の技術を用いたもので、画面に翻訳前後のテキストを表示することもできます。

 実際に外国人と会って会話するときに役立つのが「通訳」機能。発表会後にタッチ&トライの会場でデモンストレーションも披露されましたが、オンデバイスで通訳されるため非常にスピーディーで、会話中にさほど待ち時間が生じないように感じました。

 日本語で入力したメッセージを瞬時に翻訳して送信することも可能。サムスンの純正アプリだけではなく、「LINE」「Instagram」のダイレクトメッセージ、「+メッセージ」などで利用できるので、積極的に活用できそうです。

 また、Samsungキーボードを用いてメッセージを入力する場合、送信相手やシチュエーションに合った適切な表現をAIが提案してくれる機能も利用できます。

 プリインストールされている「ボイスレコーダー」にもAIを活用した機能が搭載されました。録音した音声の文字起こしができ、話者の区分もしてくれます。さらに、それを指定した言語に翻訳や要約ができます。

 Galaxy S24 UltraにはSペンが付属していますが、「Samsungノート」にSペンで書いた文字はテキスト化でき、タイトルを付けたり、段落を変えたりする整理もAIがやってくれます。

 「ブラウザ」アプリでは、海外のウェブサイトを自動翻訳し、さらに要約することも可能。「忙しい朝に情報収集を欠かせない人にオススメしたい機能。タイパが劇的に向上します」(鈴木氏)とアピールしていました。

 Galaxy AIはカメラでも活用できます。Galaxy S24 UltraにはGalaxy史上最高スペックのカメラが搭載されており、最大100倍ズームに対応。1倍から100倍まで、すべての倍率でAIによる補正が行なわれるため、高倍率でも鮮明な画質で撮影できるとのこと。

 また、Galaxy S24シリーズから「ギャラリー」の編集機能に「生成AI編集」を追加。たとえば、写真の角度を変えたために不足した背景を生成でき、画像内の人物などを移動させた場合にもナチュラルな背景が生成されます。

Galaxy AIは、推し活、旅行、仕事に役立つ!

 続いて、サムスン電子ジャパン プロダクトグループの印南亜仁加氏が登壇。Galaxy AIが毎日の生活でどのように役立つかというユースケースが提案されました。

 印南氏が最初に提案したのが“推し活”。推しているアーティストが着ている服などを素早く検索できる「かこって検索」の優位性を紹介。撮影した動画を再生時に長押しするとスローモーション再生になる機能は、振り付けの習得に最適。また、ライブで推しをAIズームで撮影したり、撮影した画像から推し以外の不要な物を消去したりもできることも紹介されました。

 次なる提案は旅行での活用。海外旅行では「通訳」機能を使うことで、「まるで専属の通訳がついているかのように簡単にコミュニケーションが取れる」(印南氏)とのこと。出会った人との情報交換には、チャットの翻訳機能が使えて、予期せぬトラブルにあった場合に、電話の「リアルタイム通訳」で問題を解決することもできます。

 そして、英文のウェブサイトを翻訳したり、要約したり、自分が書いたメモを自動で整理してくれたり、仕事で役立てるアイデアも紹介されました。

Galaxy AIは既存のスマホ&タブレットにも対応

 Galaxy AIが、すでに発売されている一部のデバイスに対応することも明かされました。1世代前のGalaxy S23シリーズのほか、Galaxy S23 FE、Galaxy Z Flip5/Z Fold5、そしてタブレットGalaxy Tab S9シリーズも対象。4月中旬以降にアップデートで使えるようになるそうです。

ドコモ版、au版、SIMフリー版それぞれの価格

 ドコモGalaxy S24、Galaxy S24 Ultraのどちらも3色展開で、Galaxy S24 Ultraのチタニウムブラックのみオンライン限定となります。発表会で価格の発表はありませんでしたが、筆者が調べたところ、Galaxy S24(256GB)が14万5970円。Galaxy S24 Ultraは256GBが21万8460円、512GBが23万2804円、1TBが26万1580円。なお。それぞれ「いつでもカエドキプログラム」を利用すると、購入代金を安く抑えることができます。

 auはGalaxy S24、Galaxy S24 Ultraのどちらも2色展開で、Galaxy S24のオニキスブラックとGalaxy S24 Ultraのチタニウムブラックがオンライン限定。価格は、Galaxy S24(256GB)が14万4800円。Galaxy S24 Ultraは256GBが22万4800円、512GBが23万7800円、1TBが25万9800円。それぞれ「スマホトクするプログラム」を利用すると、購入代金を安く抑えることができます。

 SIMフリーモデルはどちらも3色展開で、Samsungオンラインショップで予約・購入できます。価格はGalaxy S24の256GBが12万4700円、512GBが13万9000円。Galaxy S24 Ultraの256GBが18万9700円、512GBが20万4100円、1TBが23万3000円となっています。

 予約して購入した人や、Galaxyの他のデバイスを併せて購入した人などに特典が付与されるキャンペーンも実施されます。少しでも安く購入したい人は、早めに購入を決めるのが得策です。

◆国内版Galaxy S24シリーズファーストインプレッション
パワフルな性能でAIにいろいろ助けてもらえる

 発表会のあと、タッチ&トライの会場で実機に触れることができました。Galaxy S24は約167gという軽さながら、サクサクと操作でき、見た目とは裏腹にパワフルな端末という印象。画面サイズは約6.2型で、そんなに手が大きくない筆者でも、片手で操作できそうでした。

 Galaxy S24 Ultraはフレームにチタンを用いたリッチな質感が魅力。約6.8型の大画面スクリーンに、2億画素をメインとするクアッドカメラ、5000mAhの大容量バッテリー、さらにSペンも搭載。Galaxy史上というよりも、スマホ史上最強と言ってもいい仕様です。重さ(約233g)が気になったのですが、実際に手にしてみると、許容範囲という印象でした。

 タッチ&トライの会場では、「かこって検索」と「通訳」のデモンストレーションを見ることができました。ただし、最も気になっていた電話の「リアルタイム通訳」は、端末にSIMが入っていないなどの環境の問題で、あらかじめ端末に入っているデモ映像が見られるだけでした。「そこが気になる」という人は、今後の詳細レビューをお待ちください。

海外旅行も怖くない! AIで大きく進化したGalaxy S24シリーズ発表会詳細レポ