細川の会心の一発に立浪監督もこの笑顔だ(C)産経新聞社

 開幕カードを2敗1分けで終えたものの、4月2日からの巨人3連戦で2連勝を飾って勝率を5割に戻した中日。連勝した2試合で特に輝きを放った選手が、昨シーズンにチームトップとなる24本塁打、78打点を記録した細川成也だ。

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 開幕から18打席ノーヒットだった細川は、2日の試合で11回裏に中川皓太からサヨナラホームランを放つ。今シーズン初ヒットが、チームに初勝利をもたらす値千金のホームランとなった。1本出て精神的に軽くなったのか、3日の試合でも2試合連続アーチを含む2安打。打率こそ.150とまだまだ低いが状態は上向いている。

 細川が復調傾向にある要因には、中田翔の加入も関係しているだろう。中田は細川と並ぶ2本塁打を放っており、現在全試合でヒットを放つなど、早くもチームの大黒柱として存在感を発揮している。中田の活躍が、細川に刺激を与えているのは想像に難くない。

 細川は昨シーズンの5月、打率.360、5本塁打、17打点をマークして月間MVPを受賞。前半戦終了時点では打率.285、12本塁打、49打点と好成績を残し、自身初となるオールスターゲームにも出場した。

 前半戦が好調だった細川ではあるが夏場に失速。フルシーズンを戦い抜いた経験のなさが不調の要因として挙げられるが、他球団からの徹底的なマークにあったことも背景にある。昨シーズンの中日の得点数(390得点)が12球団ワーストだった通り、新外国人野手が軒並み結果を残せず、細川以外に長打を期待できる選手が出てこなかった。他球団に「細川さえ抑えれば」という意識を持たれ、厳しい攻めにあって状態を崩した部分は否めないだろう。

 とはいえ、今シーズンは中田が加入したことにより、他球団としては細川以外にも神経をすり減らして抑えなければいけない打者が増えた。中軸としてのプレッシャーだけではなく、マークも分散されるようになったため、2日、3日の試合の好結果につながったのだろう。

 中田の加入が早くもチームに好影響をもたらしており、ますます今後の戦いが楽しみになる中日。細川と中田が2人で60本塁打を記録することになれば、Aクラス入り、優勝争いも現実味を帯びてくる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

開幕3試合ノーヒットから2戦連発の中日・細川成也 ”中田効果”が打線に好循環