明石家さんまのトークのキレに黄信号が灯った。4月2日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で見せた喋りが、精彩に欠けるものだったのだ。

「まず、ゲストの話とさんまの相槌がことごとくかち合って、結果的に聞きづらくなっていました。トーク番組で最低限のマナーなのですが、どうも相槌を入れるタイミングがワンテンポ、ずれてしまっているようです。ゲストの少しわかりにくいトークをうまく引き取りって『…ということやな』と整理した上で、またゲストの話を聞く技術を持っているのですが、この日は同じことを繰り返すだけで、何の咀嚼にもなっていませんでした」(構成作家)

 あるいは、さんまがゲストの会話にひと言リアクションするも、間に入り切れず、結局はゲスト同士で盛り上がっていた。

 ヒロミが、ある人からさんまへ絵のプレゼントを渡したという。すると、さんまはそれを撮影し、家に飾った証拠写真を送ってきてくれた。これにゲストは「優しい!」と口々に称えたのだが、さんまは即座に言葉が出てこず、反応できずにいた。

 トークは戦場だとして、日ごろから厳しく律しているさんま。たまたまコンディションが悪かっただけと思いたいが、それに比べて安定しているのが、くりぃむしちゅー上田晋也だ。テレビ業界ではさんまの後継者と目される存在だが、4月3日放送の冠番組「上田と女が吠える夜」(日本テレビ系系)でも、適度に相槌を打ちながらゲストの話を聞きつつ、イジッたり広げたりしていた。前出の構成作家が評する。

「上田はタレントの素顔を掘り下げる『おしゃれイズム』を担当していただけあって、ゲストが話したエピソードで気になることをうまく追加で質問し、話を広げています。それは『しゃべくり007』でも同じで、より具体的なシチュエーションを丁寧に聞こうとする。4月2日からは『上田と女がDEEPに吠える夜』というスピンオフ番組が始まりました。これはゴールデンタイムよりさらにディープな題材を深掘りするもので、初回は『令和の性教育事情』をテーマに、ゲストが抱える悩みを聞いていました。こうした硬派な番組を扱えるのも、上田ならではです」

 ちなみにレギュラー番組は、基本的には隔週2本撮りだという。「さんま御殿」は、4月9日に3時間スペシャルを控えている。もしかしたら、さんまはその特番と一緒に、4月2日のレギュラー回を撮ったのかもしれない。それを考えたら、疲れもやむなし、といったところだが…。

(猪熊五朗)

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