タレントの笑福亭鶴瓶Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔がこのほど、TBS系トーク番組『A-Studio+』(毎週金曜 後11:00)の囲み取材会に参加した。スタジオに私物のポーチを提げてやってきた鶴瓶が取り出したのは、15年書き溜めたメモの一部。1人のゲストをトークでより掘り下げるべく鶴瓶と藤ヶ谷が直接、家族や友人に取材する同番組だが、鶴瓶は取材を書き起こし、映画や楽曲を聞くなど事前準備に7時間程度かけるという。

【写真】鶴瓶のメモを読み込む藤ヶ谷太輔

 節目を迎え、鶴瓶が「15年は通過点であってほしい」と今後の継続を改めて願うと、2020年から出演し、5年目を迎えた藤ヶ谷は「参加させていただいたときはいつまでMCを務めるのかと聞いていなかったので、これだけ長く続けさせていただけるのはうれしい。毎週目の前でべえさん(鶴瓶)の人間力を学ばせてもらってる」と感心。これに鶴瓶は「僕は日に日にこわいです。乗っ取られるのではないか(笑)」と戦々恐々としてみせた。

 取材時には、対象者と他愛もないトークを開始するという鶴瓶。「急に座ってすぐにゲストの人のことを聞くのもおかしいから、(取材する)その人のことをまず聞かないと。一般の方でも芸能界の方もいられる。ゲストも、この写真(取材先)の人のことを俺がしゃべることを喜ぶんです。『私の連れとそんな話をしているんだ』って」とこの番組ならではのこだわりを語ると藤ヶ谷も「常にゲストファーストであることを感じますね」とうなずいた。

 その上で「芸能界いち、その人の家族やご友人に会っているのはべえさん。唯一無二じゃないですか。聞いたら2000人以上会っている」と驚く藤ヶ谷に、鶴瓶は「ゲストの人のことを知るのは当然やけど、その人の家族のことも知っているからそっちと仲良くなったりする」といい、ゲストの家族と電話するようになることもあるそう。

 膨大な量の取材を重ねつつ、メモの束を手に鶴瓶は「何年経ったからやめようとかはない。延々続く、はよ、やめたいです(笑)。番組やめたいとかじゃなく、こういう作業を1回目からやっているからずっと続けているんです(笑)!」と主張。藤ヶ谷にやんわり制止されつつも「ぶっちゃけ1人、7時間くらいかかるんです。これを書き上げるために。それが(基本収録は2本録りのため)もう1人。朝から晩まで1日そういう日があるんです。それでも満足いく日は少ないよね。淡々と続けることがすごく大事。やらなあかんし…やめたいですよ(笑)」とぶっちゃけた。

 そんな鶴瓶の陰ながらの努力に藤ヶ谷も「僕もライブや舞台、映画で頭がわっとなりそうな時も、明日収録だ、となると、ここでサボって早く寝るか。でも、自分がゲストのときに親孝行や友達孝行ができた。べえさんはこれをずっとやっていると思うと、ここでべえさんに負けちゃいけないなと思います」と奮起。鶴瓶は「これだけ知っているんだから、と(ゲストに)会う勇気みたいなものにもなる。ミュージシャンだったら新しいアルバムだけでなく前のも調べるんです」と徹底的な取材を行っていることを明かした。

 「でもそれを喜ぶんです。嘘はバレるから。昔の曲の話題をすると喜ばれる」とあくまでもゲストファーストな姿勢を貫く鶴瓶。「『やめたい、やめたい』といっても、番組はやめたくはないですよ、続けたい。スタッフも世話焼きが多いんですよ(笑)」という鶴瓶に藤ヶ谷も「スタッフさんが汗水たらして自分で情報を集めていることが長く続く秘けつ、愛される秘けつなんじゃないか。ネットで調べたことだけを扱わない」と納得した。

 そんな鶴瓶と藤ヶ谷のコンビも5年目に突入。「(参加した)2020年の頃はべえさんから電話をいただいて僕はアドバイスを求めていたんですけど『お前は自然体なところがええんや』って。そこを自分の良いところだと認識するようにしています」と感謝。鶴瓶は「この番組は自然で流していくのは難しい。それが最初からできているから、言うことないわって」と理由を明かす。

 「『ここ聞きたいな』と思ったときにふっと振ってくれる。お互いの空気でわかる。言ってないことがスッと出てくる。緊張したり型にハマったら出てこない。自然だから出てくる」と信頼を置く鶴瓶に、藤ヶ谷は「よく、ご夫婦で『あれ』『あれね』でわかるように、収録のときに『あれ、なんや』ってべえさんが言う言葉でわかる。年々わかってきています」とあ・うんの呼吸も体得。鶴瓶も「『あれやんか』と言えば“あれ”がピンポイントでわかる」とコンビネーションに手応えを感じているようだった。

『A-Studio+』15周年を迎えた笑福亭鶴瓶、藤ヶ谷太輔 (C)TBS