中国のネットユーザーが最近、詩人の李白が「蜀道の難きは青天に上るよりも難し」と詠んでいる詩「蜀道難」を暗唱して、四川省の剣門関景勝地に無料で入場できたという動画を投稿し、話題となっている。同観光地の入場料は105元(約2200円)だ。他のネットユーザーから「『蜀道難』はとても長いのに、どうやって暗記したの?」というコメントが寄せられているが、剣門関景勝地のトラベルサービスセンターでは、暗唱に挑戦する観光客が長蛇の列を作っており、並んでいる時も練習している観光客も多いという。

剣門関景勝地は最近、「蜀道難」を暗唱すると、105元の入場料が無料になるというキャンペーンを打ち出した。ここでは剣門関のほかにも、漢詩を暗記すると無料で入場できる中国の景勝地を紹介していこう。

江西省南昌市の滕王閣


江西省南昌市の滕王閣景勝地は2023年にVR(バーチャル・リアリティ)自動暗唱採点プラットフォームを打ち出した。デジタルヒューマン技術を活用して再現した唐の時代の詩人・王勃が「試験官」となり、中国各地からやって来て次々と挑戦する観光客の暗唱を採点している。観光客が暗唱に挑戦しているのは王勃が詠んだ「秋日登洪府滕王閣餞別序」で、全文の暗唱に成功すると無料で入場できる。

湖南省岳陽市の岳陽楼


湖南省岳陽市の岳陽楼景勝地では、法定の祝祭日に北宋の範仲淹が書いた散文「岳陽楼の記」を暗唱すると無料で入場できるキャンペーンを実施している。昨年の中秋節(旧暦8月15日)と国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた8連休には、スマート暗唱システムが導入され、デジタルヒューマンが、暗唱する観光客の採点を行うようになった。挑戦者は5分以内に「岳陽楼の記」の暗唱に成功すると、無料で入場券を手に入れることができる。

河南省安陽市の岳飛廟


河南省安陽市の岳飛廟景勝地では、入り口で南宋の武将・岳飛の詩「満江紅」の暗唱に成功すると、無料で入場できる。 景勝地で遺跡を見学しながら、漢詩を読むと、来場者は悠久の歴史を誇る中華民族の優秀な伝統の魅力を肌で感じることができる。それはワクワクする体験となること間違いなしで、ポカポカ陽気が心地よい春の間に、漢詩を詠みながら、大自然に出掛けてみるのはどうだろうか。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

中国には漢詩を暗唱すると入場無料になる景勝地がある。