コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家を志望するメンヘラ女子の破天荒な恋愛模様を描いた作品『メンヘラ漫画家』をピックアップ。作者の相田カンナさんが3月19日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには2万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、相田カンナさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

【漫画】漫画愛も恋愛も重めのメンヘラ女子と優しすぎる男の行く末は?「良い奴すぎる」の声多数

■迷惑だけど放っておけない、メンヘラ女性の沼に…

良純は、ゲームオフ会で出会った綿貫さんと漫画の話から仲良くなった。綿貫さんは日頃からSNS上で自作の漫画を投稿しており、「すげぇっ!これは将来漫画家になれそうですね~」と絶賛した良純の言葉を鵜吞みにし、すっかり懐いてしまった。

数日後、綿貫さんは「前の漫画の続きを描いたので、読んで貰って感想が欲しいんです!」と良純の自宅を突撃する。作品に文句をつけて嫌われてしまった方が楽だと分かりながらも、漫画に対する綿貫さんの熱意を無下にできず、親身にアドバイスをする良純。綿貫さんは、恋愛経験の少ない自分が恋愛漫画を描いてはいけないのか、と涙しながら「だったら私に…教えてください。恋愛ってどういうものなのか…」「私はあなたと恋愛してみたいんです!」と唐突に迫った。

その後、仕事中に送られてくる綿貫さんからのLINEの嵐に鬼電ラッシュ。ついには留守中の良純の自宅に上がって洗濯や料理をするなど、行動はエスカレートしていった。一度は怒りながらも、どうしても放っておけない良純は…。

この漫画を読んだ読者からは、「女の子こわっ!良純くんは内側までイケメンですなぁ」「これは惚れる…良い奴すぎる」「男性とメンヘラ女性の温度差がなんかバランス良い」などの声が多数寄せられていた。

■感情だだ漏れ!?一風変わったキャラクターたちを楽しんでほしい

——「メンヘラ漫画家」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

SNS漫画を公開する漫画家さんが増えた昨今、多くの方が「いいね数」や「RT数」を気にするようになる傾向も増えてきたと感じてまして。そんなSNS漫画時代に「漫画を描いても人から殆ど読んでもらえず、メンヘラっぽくなってしまう漫画家志望の女の子」を描ければ共感もしてもらえて面白いのでは?と思ったのが着想です。

——「メンヘラ漫画家」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

この作品は初めてラブコメ連載に挑戦してみた作品なのですが、ラブコメでも男女の駆け引きを織り交ぜた「キャラ中心の漫画」を心掛けてまして、基本的にはキャラの行動とリアクションのみで話が進んでいます。

主要キャラ2人とも素直で表情に出るタイプのキャラたちなので、描いてて楽しいですし、言動や心理描写にこだわりはあるかもしれません。読者さんにはそんな一風変わったキャラたちの表情や発想、行動などを楽しんで頂けると嬉しいです。

——「バイオアビス」や「爆弾幼女メイちゃん」など、相田カンナさんの作品ではどこか生き辛さを感じる登場人物が描かれている印象ですが、作品のテーマを考える上で意識していることがあればお教えください。

「生き辛さ」を感じる登場人物と感じられていることは意外でした。個人的にはいろんなキャラの人生を通してテーマを伝えたいと考えてまして、それは「順風満帆な人生だけでは伝わらない」と根底に思っているからかもしれません。作品を読む際も平坦な話のものより、アップダウンあるものの方が退屈しにくくて好きだからというのもあります。人生の辛い部分も描くことでより、キャラの幸せや嬉しさもより際立てばと思いながら制作しています。

——ご自身の作品の中で、特に好きなキャラクターやお話がございましたら、お教えください。

今はやはり「メンヘラ漫画家」の主人公とヒロインが描いててかつてないくらい楽しいので、恐らく今作が1番好きな漫画とキャラクターになりそうです。

個人連載で好きに描けるという事もあり、常々「こんなに好きに描いちゃっていいの?!楽しい!!この楽しさが少しでも読んでる方に伝われば!!!!」と思いながら描いています。また、キャラクターの今後を考えるのに熱心になりすぎて眠れなくなる事も何度もありました(笑)。健康に支障をきたしてるのでほどほどにしたいのですが…。

これからもこの位楽しく描ける作品に出会えれば良いなと思います!

——今後の展望や目標をお教えください。

今後は漫画の連載予定がありますので、「連載を通していろんな方に作品を知ってもらいたい」という思いはあります。また作品をより多くの人に知ってもらうために「アニメ化」や「ドラマ化」などのメディアミックス化は1つの目標だったりもします。

とはいえ、その辺りは他の人の協力もあってこそなので、時の運やタイミングに任せつつ、私個人としてはより良い作品作りに向けて日々努力するしかないですね。

——作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

紹介していただいた今作「メンヘラ漫画家」はXの反響もあり、現在続きを制作中です!また、今年10月には「バイオアビス」という漫画連載がジャンプ+インディーズ枠で連載予定なので、是非そちらも合わせて楽しんでいただけたらと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

相田カンナさんの『メンヘラ漫画家』が話題/画像提供/相田カンナさん