プレミアリーグの審判員は、世界各国のトップリーグで最も高い給与を受け取る可能性があるようだ。4日、イギリスメディア『The Athletic』が伝えている。

 試合を進める上で欠かすことができない存在である審判。主審、副審、アシスタント、VAR審判員など様々な役職が存在するレフェリーだが、その給与について公の場で話題になることは少ない。今回、同メディアはプレミアリーグに加えラ・リーガセリエAリーグ・アンブンデスリーガ、さらにメジャーリーグサッカーMLS)の6リーグにおける審判員の給与を紹介している。

 同メディアによると、最も高額な給与を受け取る可能性があるのはプレミアリーグ。審判員の経験とランクに応じて、14万7258ポンド(約2811万円)、10万5257ポンド(約2009万円)、7万3191ポンド(約1397万円)の間での変動制で固定給が支払われ、1試合あたり1116ポンド(約21万円)、VAR審判員の場合は837ポンド(約16万円)の追加報酬を受け取ることになる。加えて、プレミアリーグではパフォーマンスの質と、重要な試合のインシデントをどれだけ正確に裁けたかによってボーナスが加算される。

 2番目に高い収入を得られる可能性があるのはラ・リーガ。固定給12万4256ポンド(約2371万円)に、1試合ごと4205ポンド(約80万円)、VAR審判員の場合は2102ポンド(約40万円)の追加報酬が加算。また、ラ・リーガの審判員は企業広告の入ったシャツを着用してレフェリングを行うため、肖像権として年間2万1929ポンド(約418万円)の追加報酬も支払われているようだ。次に高収入なのはMLSの審判員。先月末まで1カ月以上にわたるストライキを行い、レフェリーの給与をめぐる新たな労働協約を締結した同リーグでは、13万442ポンド(約2489万円)から9万8822ポンド(約1885万円)の固定給と1試合あたり1192ポンド(約23万円)の追加報酬が与えられている。上位クラスの主審に対しては、6カ月分の退職金も支給されるという。(※プレミアリーグも退職金制度は存在するが金額は記載なし)

 4番目はセリエAとなっており、7万7345ポンド(約1475万円)から7万6954ポンド(約1467万円)の固定給と、1試合ごとに3437ポンド(約66万円)から3420ポンド(約65万円)、VAR審判員は1460ポンド(約28万円)前後の報酬が加算。5番目のリーグ・アンは、固定給6万7058ポンド(約1279万円)〜6万6716ポンド(約1272万円)と、1試合あたり最大2865ポンド(約55万円)のボーナスが支払われる。なお、リーグ・アンでは経歴と年齢に応じて5万1000ポンド(約973万円)から8500ポンド(約160万円)の間で退職金を受け取ることができるようだ。

 そして、残念ながらランキング内で最下位に沈んだのはブンデスリーガの審判員。1試合あたりのボーナスが4784ポンド(約91万円)、VAR審判員は1794ポンド(約34万円)と高額であるものの、上位クラスのレフェリーでも固定給は最大7万67ポンド(約1336万円)で、経験が5年未満の審判員は5万2977ポンド(約1010万円)と最も低い数字となった。一方、退職金は最大で年俸の2倍を受け取ることが可能であり、一概に“最も低収入”とは言い切れない結果となっている。

プレミアリーグの審判団 [写真]=Getty Images