"和製ドラゴン"こと倉田保昭の代表作「帰って来たドラゴン」が、2Kリマスター完全版となって50年ぶりに劇場公開されることが決定した。7月26日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開となり、あわせてポスタービジュアルも披露された。

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1970年代前半、ブルース・リーが大ブレイクを果たす以前から数多くの香港映画に出演し、ブルース・リーの友人、ライバルとして香港映画界で活躍、アクション・スターとして国際的人気を獲得していた"和製ドラゴン"こと倉田保昭(現在78歳)。1974年に日本に凱旋帰国を果たし、ドラマ「闘え!ドラゴン」や「Gメン'75」などにレギュラー出演して日本でも人気者となった。

その後も「七福星」でジャッキー・チェン、「フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳」でジェット・リー、「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」でドニー・イェンといったスーパースターたちとアクション映画史に残る激闘を演じ、近年もチョウ・ユンファ主演の「ラスト・シャンハイ」やジョン・ウー監督の「マンハント」に出演するなど、半世紀以上にわたって国際的な活動を続けている。

1973年末、ブルース・リー主演「燃えよドラゴン」が公開され、1974年の日本は空前のドラゴン・ブームに沸き、1年間に約30本以上の香港製クンフー映画が公開された。ところが、そのほとんどがブルース・リー主演作に比べ、アクション的な魅力に乏しい作品ばかり。その中で唯一、ブルース・リーに匹敵するハードなアクションをノンストップで繰り広げてファンを魅了し、伝説となった傑作が「帰って来たドラゴン」だった。共演は本作の武術指導も兼ねるブルース・リャン。製作・監督は、ジャッキー・チェンの出世作「スネーキーモンキー 蛇拳」「ドランクモンキー 酔拳」や、真田広之主演の「龍の忍者」などを世に送り出した名プロデューサー、ウー・シーユエン。

本作はマスターネガの損傷により再上映やHD化が不可能とされ、配信もされず、VHSや旧盤DVDが超高額取引される幻の作品となっていた。製作者のウー・シーユエンは、これまで世界中からのブルーレイ化や配信や放映のオファーをすべて断っていましたが、今回、盟友倉田保昭の"日本凱旋50周年"のために、遂にその封印を解き、現存する最良の完全版素材を探し出し、自らリマスターの監修を行って奇跡の2Kリマスター完全版が完成させた。

上映時には、第11回レイクシティ国際映画祭(インド)最優秀短編映画賞を受賞した「夢物語」(2023)など、倉田主演・製作総指揮による新作短編も同時上映。新宿および全国各地で倉田による舞台挨拶が行われる。

【「帰って来たドラゴン」あらすじ】

清朝末期。麻薬や人身売買など、あらゆる犯罪と暴力が渦巻く悪の魔窟、金沙村(ゴールド・サンド・シティ)。悪辣なボス、イム・クンホーが支配するその街にやってきた1人の男。巷にはびこる悪を懲らしめながら流浪の旅を続ける正義の好漢、その名もドラゴン。彼にはある目的があった。旅の途中ドラゴンは2人組の盗賊リトルマウスとブラック・キャットに襲われるが、鮮やかな機転と華麗なクンフー技でそれを退け、逆に2人の盗賊はドラゴンに弟子入りして旅を共にしていた。

ドラゴンと2人の弟子が金沙村に到着した頃、イーグルと呼ばれる伝説の女格闘家もその街にやってきた。彼ら全員の狙いは"シルバー・パール"というチベットの寺院から盗まれた秘宝にあった。

そして、もう1人、金沙村のイムを訪ねてやってきた謎の男、ブラック・ジャガー。彼こそ非情な殺人空手の使い手として恐れられる格闘家で、彼が肩に背負い、運んできたものこそ秘宝"シルバー・パール"だった。

やがて、"シルバー・パール"を巡り、ドラゴン、ブラック・ジャガーイーグルリトルマウス、ブラック・キャットら最強の強者たちが腕を競い、壮絶な激闘と騙し合いを繰り広げながら、果てしない争奪戦が続いていく。

7月26日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開 (C)1974 SEASONAL FILM CORPORATION All Rights Reserved.