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 筆者は普段の活動では、自宅でも屋外のモバイル環境でも通称「ラップトップスタンド」というカテゴリーの製品を使うことがほとんどない。しかし、ラップトップスタンドと呼ばれる多くの製品は周辺機器の中でも、USBメモリーやACアダプター同様メジャーな存在となっている。

 一方、世界中の数多くあるラップトップPCやスマートフォンのメーカーが、自社でモバイルPCスタンドやスマホスタンドを作り、販売しているメーカーは皆無に近い。常日頃から筆者は机の前に座って原稿を書いたりパワポで資料を作ったり、メールを書いたり、SNSをしたりする時間が平均的な人より長く腰痛持ちだ。

 そんな筆者なので、過去には立ったままでも利用できる大掛かりなラップトップスタンドを衝動買いしたり、本来のガジェット好きからUSBハブを内蔵したラップトップスタンドなどを衝動買いしたことがあるが、いずれも長く使い続けることはなかった。

出窓ワーキング用に「ラップトップスタンド」を衝動買い

 最近は腰に疲れを感じる前に、ポモドーロタイマーで25分間パソコン仕事をすると5分間の休憩をとるようにしている。そして最近長く立って作業をするときは、机ではなく高さが1段も2段も高い我が家の出窓に、ノーマルで素っ気ないラップトップスタンドを置いて「出窓ワーキング」をしている。

 そんな出窓ワーキング用に、今回はレノボが販売している「Lenovo 2-in-1 ラップトップスタンド」(以降、Lenovo 2-in-1)とAmazonベーシックの「ノートパソコン用スタンド アルミ製ポータブル折り畳み式」(以降、Amazonベーシック)の2台を衝動買いした。何度か断捨離フリマで放出したラップトップスタンドだが、今回は生き延びたモバイル系の3つのラップトップスタンドと比較しながらご紹介したい。

 まずは5台のラップトップスタンドを筆者がワーキングする出窓に並べて見た。左からLenovo 2-in-1、折り畳み眼鏡型、Amazonベーシック、折り畳みINOVA、そして右端は100均ショップで手に入れた220円のそり型ラップトップスタンドで、メーカーでは13インチまでのタブレットスタンドと説明している商品だ。

スマートフォン用スタンド付きの
Lenovo 2-in-1 ラップトップスタンド

 Lenovo 2-in-1(最大15インチ、5kg以下まで対応)は実測重量528g。モバイルPCの設置部分には数ヵ所にゴムが貼られており、グリップ性能は高い。キーボード角度は0度を除き21度〜54度まで10段階(実測21度、27度、32度、37度、42度、44度、47度、50度、52度、54度)が設定されている。今回の角度測定には、筆者愛用の新潟測器の「快段目盛DIAL SLANTRULE」(分度器)を使用した。

 レノボは2-in-1という表現をしている様に、ラップトップスタンドの一部にスマートフォン用のスタンドがインテグレートされた商品だ。ラップトップで作業中もスマホの存在は重要だ。ラップトップスタンドと一体化した他社製品もあるが、自由な位置に配置できる独立したスマートフォンスタンドの方が、使い勝手は良い可能性は高い。

 急勾配のスタンド設定にした場合は、ラップトップPCのずり落ち防止のために2枚のリトラクタブルな折り畳み式の脚が用意されている。薄型のラップトップPCでは、脚の方がキーボード面よりはるかに高く飛びだしてしまい、キー入力する両腕の腕首内側に当ってキー入力操作が阻害される。基本的に筆者はまったく使用していない。

極めてシンプルな構造の
Amazonベーシック ノートパソコン用スタンド

 もう一方のAmazonベーシックのラップトップスタンド(13インチまで対応)は極めてシンプルな構造で、設定角度はたった1個だけ。Lenovo 2-in-1が強化プラスティック製なのに対して、Amazonベーシックはアルミニウム製だ。実測重量は308g。キーボードの設置角度は18度オンリー。傾斜角としてはLenovo 2-in-1の初段角度の21度よりも緩い。

 Amazonベーシックにもキーボードのズレ防止のためにストッパーは用意されているが、Lenovo 2-in-1の高さ18mm近くあるモノに対してゴム製で高さも半分以下なので、キー入力する両腕首にはまったく影響なく極めて快適だ。Lenovo 2-in-1の10段階設定に対して、設置角が18度オンリーなのでそこの評価をどう考えるかだろう。

筆者にとって使いやすい角度は18度と判明

 従来から引き続き所有している、3つのラップトップスタンドの設置角も実測してみた。筆者のお気に入りの「メガネ型」のスタンドはAmazonベーシックと同様18度のひとつだけ。

 100均のそり型スタンドは全部で8段階の設定穴があり12度、23度、30度、35度、40度、42度となるが、特に6段階〜8段階の3つの穴の位置が変で当然支柱位置を変えても傾斜角は一切アップすることなく、なぜか42度をキープする変態スタンドだ。きっと何も考えずに、ただ穴だけを開けたのだろう。

 筆者のお気に入りのスタンド「INOVA」は組み立て折り畳みに多少手間暇が必要だが、何と言っても軽量性とコンパクト性は秀逸だ。設置角度は13度、18度、20度と3段階だ。筆者的には18度がベストだった。

 Lenovo 2-in-1とAmazonベーシックの2台を中心に全部で5台のラップトップスタンドを駆け足で眺めてみた。基本的にラップトップスタンドも自宅やオフィスで持ち歩くことなく使う大型重量系と、モバイルワークでどこにでも持って行けるタイプの2種類がありそうだ。

 Lenovo 2-in-1(実測528g)やAmazonベーシック(実測308g)は、ラップトップPCが600g〜1000gのモノが登場してきている現在としては異常な重量だ。筆者的には自宅専用と言う感じだ。一方、メガネ型(実測74g)や折り畳みINOVA(実測132g)、100均のそり型(実測84g)はモバイルワークでスタンドを使いたい人向けだろう。

 5つのラップトップスタンドをざっと見た限り、モバイルPCキーボードの設置角のゴールデンナンバーはどうも18度近辺だとわかる。異常なほど設置角度の種類が多く最大傾斜角54度という急勾配を提供しているLenovo 2-in-1は、目的がキーボード入力主体の文字入力やウェブビューではなくタッチディスプレーを活用した操作系やオンライン会議が主たる目的なのだろう。

 ラップトップスタンドは、ラップトップ市場やタブレット市場の拡大と共に登場した興味深い周辺デバイスだ。昭和、平成、令和と時代と共に移り変わるワークスタイルの変遷や健康管理へのフォーカス、世代による好み、アプリの変遷でも大きく変化する興味深いデバイスだ。

 
レノボとAmazonベーシックのお勧め「ラップトップスタンド」を衝動買い