サントリー4月16日より北海道エリアにおいて、ビールの醸造技術でサワーの味わいを実現した「金麦サワー」を発売する。麦のやさしいうまみと、柑橘系の爽やかな香りが調和した発泡酒になっている。オープン価格で、実勢価格は350ml缶が190円前後、500ml缶が264円前後。関係者は「サントリーのビール醸造技術だからこそ実現できた、これまで皆さんが出会ったことのないサワーです」とアピールする。

○「金麦サワー」とは?

「金麦サワー」は、北海道エリアにて4月~6月の期間限定で販売する商品。旨味麦芽、レモンドロップホップなど、普段ならビール醸造で使う原料に同社の醸造技術をかけあわせ、レモンの香り、レモンサワーを彷彿とさせる味わいを実現した。

サントリー 北海道営業本部長の中谷智樹氏は「私たちは道民の皆さんに寄り添いながら、さっぽろ雪まつりさっぽろ大通ビアガーデンなど地域の取り組みにも積極的に参加しています。そして金麦ブランドは、北海道エリアにおいて市場を上回る購入者を獲得できています」と説明。そのうえで「このたび道民の皆さんに愛される金麦の新・サワーをエリア限定で発売できる運びとなりました」と笑顔を見せる。

またサントリー ビール本部の梅原武士氏は、金麦について「日常的に家で飲むのに一番ふさわしいビール類、をコンセプトにしてきました。広告では『帰れば、金麦』というメッセージ、プロモーションでは『金麦晩酌』というテーマで、様々なご提案をしています」と紹介する。

ここで金麦シリーズの歩みを簡単に振り返った。麦芽を使った新ジャンルとして2007年に誕生した「金麦」は、機能系カテゴリに拡大(2012年)、コク系の新ジャンルも発売(2019年)するなど「お客様のニーズを踏まえた提案をしてきた」と梅原氏。そして今春よりRTD(チューハイ、サワーなど)が担うジャンルのニーズに応えるべく「金麦サワー」を投入、「ビールのものづくりを活かした新たな挑戦をしていきたい」(梅原氏)とする。

象徴的なターゲットとして「毎日の夕食は、誰にも邪魔されずにゆっくり楽しみたい」と考える層を想定。1杯めはビール、2杯めは食事に合わせて飲めるRTDを求めている人たちに向けて、くつろげる、飲みやすい、スッキリした味わいの新商品「金麦サワー」を提案する。

サントリー ビール開発生産本部の寺西健氏は、「金麦サワー」で目指した中味について解説。はじめに、飲みこんだ瞬間には「自然で爽やかな柑橘香」を感じ、次に、口のなかには「麦芽のうまみなどの複層的な味わい」「ほのかな甘味」が心地よく広がり、最後に「これまでにない爽やかな後口」になるとする。

製造する上では、香料・甘味料を使ったハッキリとした味わいを避け、ビール醸造だからできる自然な味わいにこだわった。「言い換えれば、自然の恵みをサントリーのビール醸造技術で活かし切る、ということです。特に、北米を主な原産地とする希少品種のレモンドロップホップについては、これまでの商品開発を通じて、その良さを引き出す醸造条件を磨き続けてきました」と寺西氏。

このあと中谷氏から、プロモーションについて説明があった。札幌駅地下、札幌市営地下鉄バス停などに広告展開するほか、エリア限定商品としては異例となるTVCMも用意。金麦のメッセンジャーである黒木華さんを起用した「そうきたか。」篇、「マジか。マジだ。」篇を4月13日より北海道エリアにて放映開始する。このほか4月19日から4月21日まで、札幌市北3条広場「アカプラ」で体験イベントを開催。新商品を2,000名に提供するサンプリングキャンペーンなども行っていく。

販売計画は、4月~6月の3か月間で約150万本(350ml換算)。中谷氏は「ビールでもサワーでもない、まったく新しい商品としてご提案します。お客様の晩酌の新たな選択肢となり、市場を活性化できるよう取り組んでまいります」とまとめた。

質疑応答で、メディアから全国展開の予定を聞かれると「今後の展開に関しては、現時点で未定です。売れ行きによっては、その先も想定はしています」と梅原氏。また4月~6月の期間限定販売とした理由については「ものづくりの新しい技術を使っていますので、いったん期間を区切ってお客様の反応を確かめたい、という思いがあります」としている。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
(近藤謙太郎)

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